口腔の症状

猫のよだれが多い!止まらない!原因は?どんな病気?

投稿日:2016年11月1日 更新日:

 

「猫が口から泡のようなよだれを垂らしてる」

「猫の口から臭いよだれを垂らして食欲がない」

猫のよだれが増えていたら何の病気になってしまったのかと心配になりますよね。
今回はよだれの増加からわかる猫の病気にはどんなものがあるのか、解説したいと思います。

猫がよだれを垂らす原因とは?

唾液を口から垂らすことをよだれと言い、医学用語では流涎(りゅうぜん)と呼びます。
唾液は脳からの命令により、唾液腺で常に産生されています。
よだれは、唾液が唾液腺で過剰に作られる、もしくは上手く唾液を飲み込むことができないことによって引き起されます。
よだれが垂れる原因を大きく分けると、苦みによる生理的なもの、口の中に異常がある場合、口以外の場所に異常がある場合に分けられます。
唾液の産生が増えると、見た目で「よだれを垂らしているな」とわかることも多いですが、口をクチャクチャしたり、手や足の毛がベトベトになる、口の中を気にして手で掻き出したりするといった症状が見られることがあります。

猫に良く見られる生理的なよだれとは?

猫では抗生物質など苦い薬を味わってしまったときなどに、口からカニのように泡を出したり、よだれを垂らしたりすることがあります。
またフロントラインなどのスポットオン製剤を、猫の舐められる位置(肩甲骨より下)につけてしまうと、非常に苦い味がするためよだれが垂れます。
これらは毒物を体外に出そうとする生理的な反射ですので、苦みが口の中から消えれば自然におさまります。

口の中の異常でよだれが増える病気

よだれを出す口の中の異常には、異物、歯肉炎、口内炎、口腔内腫瘍があります。

口の中に異物がはさまっている

歯の隙間におもちゃや猫草などの異物が挟まったり舌に絡まったりすると、口が完全に閉まらなかったり異物を洗い流そうと唾液が産生されるため、よだれが出ることがあります。
このケースでは、猫は口の中の異物を気にして口の周りを前足で掻いたりする仕草が見られます。
このような症状が見られたら、まず猫の口を開けて中を確認してみたらよいでしょう。

歯肉炎・口内炎

歯肉が炎症で赤くただれてしまう病気を歯肉炎と言い、猫では歯肉炎と合わせて、舌や頬などの粘膜にも炎症が見られることがあります(歯肉口内炎)。
軽度の歯肉炎・口内炎であれば無症状であることも多いですが、病状が進行するとよだれが多く手が汚れてしまう、口臭が強くなる、手で口の中を気にする、食べたいのに食べられない、フードを食べづらそうに食べているなどの症状が出ます。
猫で歯肉炎を起こす原因には、歯周病や免疫の異常の他、様々なウイルス疾患(猫カリシウイルス、猫免疫不全ウイルス、猫白血病ウイルスなど)が関連していると考えられています。
治療としては薬で炎症を抑えたり、歯周病がひどい場合は麻酔をかけて原因となる歯を抜くことがあります。

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口腔内腫瘍

歯茎や舌に悪性腫瘍がつくられると、よだれが多くなる、よだれに血が混じる、口臭が強くなる、食欲がない、ご飯を飲み込みづらい、痩せてきた、などの症状が見られます。
口腔内腫瘍の多くは高齢の猫で見られ、腫瘍の種類としては扁平上皮癌、線維肉腫などがあります。
特に扁平上皮癌は猫の口の中に発生する腫瘍の中でも一番多く、口の中の腫瘍の60%以上を占めています。
この病気のやっかいなところが、明らかなしこりは見られず出血や潰瘍を作ることがあり、しこりが作られるまで前述の歯肉炎と間違われやすいという点です。
悪性腫瘍は経過が早いことが多いため、口の中にしこりが見られたらすぐに動物病院を受診しましょう。

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口の中以外の異常でよだれが増える病気

口の中以外の原因でよだれが増える病気には、中毒や神経病、腎不全、肝不全が挙げられます。

中毒

家庭用の洗剤や、多くの観葉植物、殺虫剤、カフェイン、人間用サプリメント(αリポ酸)などを誤って食べたり飲んだりすると、中毒症状として脳神経を刺激して唾液を過剰に分泌させたり、悪心や苦みによってよだれが増加します。
これらの薬物を多量に摂取した場合、よだれ以外にも重篤な中毒症状を引き起こす可能性があります。
原因となる薬物にもよりますが、嘔吐した物に薬物臭があったり、痙攣、食欲不振、元気低下などの症状が見られたり、場合によっては死に至ることもあります。
中毒の多くは飼い主の留守中におこるため、日頃から猫の届くところにはこれらを置かないように注意しましょう。
観葉植物の中には猫に対して強い毒性を示すものがたくさんありますので、特に猫草を好んで食べるような猫のいる部屋には観葉植物は置かないように徹底して下さい。

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神経病

神経系の病気になります。

てんかん

てんかん発作中は、神経の刺激によって唾液が過剰に作られてしまったり、上手く唾液を飲み込むことができなくなるためよだれを垂らすことがあります。
このケースでは発作が落ち着けば、よだれも自然に止まってしまいます。
高齢猫で初めて発作が見られたのであれば、脳や内臓に何らか病気が起こっている可能性があるため、動物病院を受診しましょう。

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顔面神経麻痺

顔面神経麻痺は顔の筋肉が上手く動かせなくなることで、口角が下がったり、まぶたが閉じなくなったりする病気です。
この病気になると口がきちんと閉じ合わさらないため、常に麻痺した側の口から唾液が垂れてしまいます。
猫では中耳炎や内耳炎などが原因で顔面神経麻痺が引き起されることがあります。

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前庭症状

目が左右に揺れる眼振という症状や、首が左右どちらかに傾けている斜頚という症状、一方向にクルクル回る旋回運動などの症状を前庭症状といいます。
前庭症状がでると悪心を引き起こし、よだれがでることがあります。
前庭症状は高齢犬によく見られる症状ですが、頻度としては少なくなりますが猫にも起きます。
前庭症状を起こす原因となる病気には耳や脳の病気があり、診断にはMRI検査が必要です。

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腎不全(尿毒症)や肝不全

腎臓や肝臓の機能が障害されると、体の老廃物を上手く代謝・排泄することができなくなり、悪心を引き起したりよだれを垂らしたりします。
よだれ以外の症状としては、食欲不振、元気低下、肝不全であれば黄疸、腎不全であれば水を飲む量が多い、尿が多い(多飲多尿)などの症状が見られます。
突然の腎不全、肝不全の原因には薬物や植物による中毒や、熱中症、レプトスピラ病などの感染症が挙げられます。
また、経過の長い(慢性的な)腎不全、肝不全は高齢猫に見られ、特に慢性腎不全は非常に多く発生する病気です。

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さいごに

猫のよだれは何らかの病気のサインであるということがお分かりいただけたでしょうか?
具体的に挙げた病気の中で急を要すものは中毒です。
中毒は元気な猫が突然死に至ることもある非常に悲しい事故ですので、未然に防ぐように日頃から注意しましょう。
万が一不運にも薬物を誤飲した場合は、とにかく早く動物病院を受診して治療を受けるようにして下さいね。

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