全身の症状

猫が水を飲みすぎる!原因は何?病気のサイン?対処法はどうしたらいい?

投稿日:2017年1月28日 更新日:

 

「猫のお水、用意したばかりなのにもうこんなに減ってる!」

「猫が浴槽に溜めたお湯を飲んでる!」

「猫が蛇口から出る水を飲みたがる!」

猫が水を飲む量について、ふだんあまり意識していなくても、このようなことがあると驚いてしまいますよね。
そこで今回は、猫が水を飲みすぎかな?と感じた時に知っておきたい、猫が水を飲みすぎる原因やその対処法について解説します。

猫はどんな水が好き?

砂漠に生息していた猫の祖先であるリビアヤマネコという肉食獣にとって、水は大変貴重なため、獲物に含まれる水分でのどの渇きを潤していました。
その時の名残で、猫はたっぷり入った新鮮な水よりも、動物の体温くらいにぬるくなった水や水滴を好むと考えられています。
また、動いているものに反応する習性から、止まっている水より流れている水を好みます。
浴槽のお湯を飲みたがったり、蛇口から出る水に興味を持つのは、祖先に由来する猫の習性とも言えるかもしれません。
ただし、普段から台所の流し台に水を溜めている方は注意してください!
食器用洗剤や塩素系漂白剤などの薬物を飲んでしまう危険性があります。

猫の水分調節、飲水量について

では、猫の体がどうやって水分量を調節しているのか、正常な猫の飲水量の目安とその測定方法について解説します。

体の水分調節のメカニズムについて

体から水分が失われたり塩分を摂取し、血液中のナトリウム濃度が増すと、脳が「体の渇き」として感知して飲水量を増加させます。
同時に、脳は抗利尿ホルモンを放出することで、尿の製造工場である腎臓が水分を尿中に排出しないように命令します。
これとは逆に、体内の水分量が増えたり塩分の濃度が減ると、尿中に排出する水の量を増加させたり、尿中のナトリウムなどのミネラル分の排出を減らすように調節します。

猫の飲水量と量り方について

猫の飲水量と図り方などについて解説します。

水を飲みすぎていると判断する目安

ドライフードだけを食べている猫の場合、1日に体重1kgあたり45ml以上の水を飲んでいると、「水を飲みすぎている(多飲)」」と判断されます。
しかし、水を多く含むウェットフードを食べている猫では、フードから水分を摂っているため当然飲水量は減ります。
また、高温や乾燥した環境下にいたり、活動量が多い場合には体内の水分が奪われますので、飲水量は増加します。
また水を好むかどうかは猫の個体差もありますので、愛猫が普段からどのくらい飲水しているか、健康なうちからチェックしておくといいでしょう。

飲水量の量り方

飲水量を客観的に評価するためには、実際どのくらい飲んでいるのかを量ってみましょう。
飲水用の容器にあらかじめ測定した重さの水を入れ、24時間後にどのくらい減っているかを再度測定します。
これで「飲み水からの水分量」が分かります。
さらに、水分量が80%ほどのウェットフードを与えている場合は、与えているフードの重さ×0.8で「ウェットフードからの水分量」を計算します。
あとは「飲み水からの水分量」と「ウェットフードからの水分量」を足して、「体重1kgあたり45ml以上飲んでいるか」を比べてみましょう。
厳密な測定には、容器から蒸発した水分量やウェットフードに含まれている正確な水分量も考慮して計算しなくてはなりませんが、明らかに異常な飲水量かどうかの判断には、多少大まかでも構わないでしょう。

猫が水を飲みすぎるのはどんな病気?

猫は様々なストレスによって水を多量に飲むこともありますし、人と同じように塩分量の高い食事をとった後にも、多量の水を欲します。
こういった原因以外にも、猫の体に潜んでいる病気によって水をよく飲むことがあります。
それでは猫が水を飲みすぎてしまう病気には、具体的にどんなものがあるのか解説していきましょう。

慢性腎不全

腎臓は血液をろ過して体の老廃物や毒素を排出し、体にまだ必要である水分や塩分を吸収して、最終的に不要な物だけを濃縮し排泄するために尿をつくります。
腎臓の機能が低下すると、水分や塩分を体内に引き戻すことができず、尿中にどんどん水分が排出されて尿量が増え、渇いた体内の水分量を補うべく飲水量が増えるため水を多く飲むようになります。
また、不要な物や毒素を体外にうまく排泄できなくなるため、全身に毒素がめぐり、元気食欲がなくなる、嘔吐など様々な症状があらわれる予後の悪い病気です。
腎臓の病気は大きく分けて急性腎不全と慢性腎不全がありますが、飲水量や尿量の増加がより顕著なのは慢性腎不全で、高齢猫において非常によくみられます。
残念ながら、一度失われた腎臓の機能は回復することはありませんので、早期発見・早期治療が重要になります。

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甲状腺機能亢進症

甲状腺機能亢進症とは、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで全身性の障害が引き起される、高齢猫によくみられる病気です。
甲状腺ホルモンは全身の新陳代謝を活発にし、体温を一定に保つ役割をしているため、過剰に分泌されると代謝が異常に上がり、腎臓の血流量も増加することから尿量が増え水を多く飲むようになります。
その他、動きが活発で落ち着きがなくなったり、食欲旺盛でガツガツ食べているにもかかわらず痩せる、下痢や嘔吐などの症状が特徴的です。
首の付け根あたりにある左右の甲状腺のどちらかまたは両側に腫瘍ができることが原因で、腫瘍は良性(甲状腺腺腫)のことも多いですが、悪性(甲状腺がん)の場合もあります。
治療としては、手術で甲状腺の摘出を行うか、抗甲状腺ホルモン薬の投与を行います。

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糖尿病

糖尿病とは、インスリンという膵臓から分泌されるホルモンの量が減ったり、うまく働かなくなることにより、体の細胞が糖を取り込めなくなり高血糖が引き起こされる代謝異常の病気です。
糖尿病になると尿中に多量の糖が排出されるため、腎臓での水の再吸収がうまくできず尿量が増加し、水を飲みすぎるようになります。
多飲多尿以外にも、食べているのにやせてきた、嘔吐、よく寝ている、毛づやが悪くなった、元気食欲がないなど、代謝異常の程度によって無症状から昏睡に至るまで様々な症状がみられます。
特に、10歳以上の高齢猫、去勢雄、肥満した猫ではかかりやすい病気です。
治療としては、不足したインスリンを補充するため、毎日決まった時間に1~2回のインスリン注射を行います。
また、食後の高血糖が起こりにくい低炭水化物、高繊維のキャットフードを与える食事療法も併用します。
長期間にわたる治療が必要になる病気ですが、早期の適切な管理によってインスリン注射の必要がなくなる場合もありますので、異常に気付いたらすぐに動物病院を受診してください。

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子宮蓄膿症

雌猫の子宮が細菌に感染して炎症を起こし、子宮内に膿がたまる病気です。
陰部から膿が垂れることもありますが、そうでない場合、子宮内にたまった膿の量が多くなり、おなかが大きく膨らんできます。
発情期や出産期など外界からのバリアが弱まった時期の猫にかかりやすい病気ですが、犬と比べると発生頻度はまれです。
体内に細菌の毒がめぐるため多飲多尿となる他、元気食欲がない、嘔吐や発熱、貧血症状もみられます。
治療としては、子宮と卵巣を取り除く手術をしますが、腎不全を併発していることが多いため、まずは腎不全の治療を優先することもあります。

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さいごに

病気によって飲水量が増えている場合、同時に尿量も増えているケースが多いことがお分かりいただけましたでしょうか。
このような病気では、おしっこの回数や量を減らしたいからといって飲水を制限すると、体に水分が足りなくなり脱水状態となります。
脱水状態は、元気・食欲の低下、慢性疾患の悪化などが起こり、最悪の場合、昏睡状態から死に至ることもあります。
飲水量、尿量に変化がみられる場合は、すぐに動物病院を受診してください。

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