消化器の症状

猫が吐く(嘔吐)原因は何?病気のサイン?病院に行くべき嘔吐とは

投稿日:2016年11月2日 更新日:

猫は人間に比べ吐くことが多い動物ゆえに、多少の吐き気が出ても「毛玉を吐こうとしているのかな?」といって様子を見てしまう方も多いのではないでしょうか?
でも中には治療しなければ止まらない病的な嘔吐も当然あります。
では飼い主の方は何を基準に「この吐き気なら動物病院を受診した方が良さそう」と判断したらよいのでしょうか?
今回は、病気のサインとしての嘔吐について、生理的な吐き気との見分け方など詳しく解説したいと思います。

目次

健康な猫でも嘔吐する!

正常を知らないと異常は見つけられません。
まずは健康な猫でも見られる生理的な嘔吐について解説しますね。

猫は元々嘔吐しやすい動物

元々肉食動物である猫は臼歯を持たないため、人間のように咀嚼しながら時間をかけて食べるということをしません。
獲物を捕まえたら飲み込める大きさに噛みちぎり、あとは他の動物に取られないように丸呑みしてしまいます。
そして丸呑みを続けると獲物の骨や被毛などの不要物が胃に留まるようになるため、猫は消化しきれないものが胃に溜まると自然に吐き出す力を見につけたと考えられます。

猫の生理的な嘔吐とは?

治療の必要のない生理的な嘔吐の具体例を挙げていきます。

・餌の一気食い、水のガブ飲みが原因

餌を一気食いしたり食後に水を沢山飲むと、胃の中でドライフードがふやけて胃の許容量を超えてしまい、吐き戻してしまうことがあります。
このケースでは食直後に見られる嘔吐が特徴で、吐物は粒の形が残ったままのドライフードや水になります。
生理的な嘔吐の中でも繰り返しおこしやすく、食欲の旺盛な猫では毎日のように見られることもあります。
嘔吐させないようにするには、フードを少しずつわけて頻回与えることが必要です。

・毛玉がたまっているとき

毛玉を全く吐かない猫もいますが、長毛の猫毛では毛玉ができやすい傾向にあり、嘔吐の原因になります。
毛玉による嘔吐の場合、毛玉が排泄されるまで数回程度立て続けに吐くこともありますが、吐物に必ずまとまった毛玉が含まれます。
毛玉を吐いた後に餌をあげると普通に食べ、それ以降吐き続けることはありません。

・猫草など消化しにくいものを食べた時

猫草など消化しにくいものが胃の中に多量に入ると、簡単に吐き戻してしまいます。
吐物の主体が猫草で、吐いたあとも普通に餌を食べ吐き続けなければ問題ありません。

猫の病的嘔吐の原因にはどんなものがある?

猫

続いて生理的な嘔吐の逆、病的な嘔吐の原因について解説します。
嘔吐は実に様々な病気によって引き起されます。

胃腸の病気

突然の嘔吐であれば、ウイルスなどの感染症による急性胃腸炎や消化管内異物による閉塞などが考えられます。
2週間以上続くような慢性的な嘔吐で、さらに軟便や下痢も伴うのであれば、炎症性腸疾患、リンパ腫などの腫瘍の可能性があります。
また、巨大結腸症という慢性的な便秘を引き起こす病気でも胃腸の動きが悪くなるため、嘔吐することがあります。

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肝臓の病気

肝不全になると老廃物が上手く代謝されず、血液中のアンモニアの数値が高くなることがあります(高アンモニア血症)。
高アンモニア血症になると嘔吐の他、食欲不振、痙攣などを引き起こします。
また肝不全の症状には、尿が黄色い、粘膜の色が黄色いなどの黄疸やお腹が張ってきたなどの腹水の徴候がでることがあります。
猫の肝臓の病気で代表的なものに、肝リピドーシスや胆管肝炎が挙げられます。

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腎臓の病気

腎不全になると老廃物が上手く排泄されず、体の中に留まってしまう状態になることがあります(尿毒症)。
尿毒症になると脳の嘔吐中枢を刺激し嘔吐したり、口臭が強くなったり、悪心を引き起してよだれが出る、食欲不振、水をよく飲む、尿の色がうすいなどの症状が出ます。
中でも慢性腎不全は高齢猫によくみられる一般的な病気です。

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膵臓の病気

Cat

膵臓に炎症が起こる病気を膵炎といい、急性膵炎と慢性膵炎に分かれます。
急性膵炎では突然の激しい嘔吐や食欲不振、元気低下を引き起します。
慢性膵炎は、時々吐いたり食欲が落ちたりするが自然と回復するというとはっきりとした症状がない病気で、診断も難しい病気です。

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生殖器の病気

子宮に細菌が感染する子宮蓄膿症という病気になると、腹膜炎を起こしたり細菌の毒素が体にまわるため嘔吐を引き起こします。
放っておくと子宮が破裂し敗血症性ショックを起こすこともあるため、診断後すぐに子宮卵巣摘出(避妊手術)する必要があります。

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脳の病気

脳炎や脳腫瘍などの病気になると脳の中の嘔吐中枢を刺激し、嘔吐を引き起こすことがあります。
猫で見られる脳の病気の例としては、コロナウイルスによる「猫伝染性腹膜炎のドライタイプ」という病型で脳に異常を起こします。
また髄膜腫と呼ばれる脳腫瘍は、猫の脳腫瘍の中で一番発生頻度が高いと言われています。

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糖尿病

糖尿病とは、膵臓から出るインスリンというホルモンの分泌量が減ったりインスリンが上手く働かなくなるために高血糖が引き起こされる病気です。
糖尿病の中でも糖尿病性ケトアシドーシスと言われる病態に陥ると、体の中のpHが酸性に変化し、嘔吐を引き起こします。
糖尿病になると、よく水を飲む、尿の量や回数が多い、やせてきたなどの症状が出ます。

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抗生剤などの処方薬

抗生剤の投与などの処方薬で嘔吐や下痢が誘発されることがあります。
処方された薬を飲ませると必ず吐いてしまうのであれば、薬剤の影響が考えられますので獣医師に相談してみましょう。

中毒

殺虫剤や洗剤、観葉植物、人間用の医薬品などの誤飲によって中毒を引き起こすと、肝不全や腎不全に陥り嘔吐が見られることがあります。
中毒症状は原因となる薬物にもよりますが、嘔吐した物に薬物臭があったり、痙攣、食欲不振、元気低下などの症状が見られたり、場合によっては死に至ることもあります。

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寄生虫の感染

胃や腸に寄生虫が感染すると粘膜を刺激するため嘔吐することがあります。
代表的なものに猫胃虫、猫回虫が挙げられます。
吐物に虫が出てくることもありますが、診断には糞便検査が必要なことが多いです。

猫を動物病院へ連れて行くべき嘔吐の症状とは?

猫

ここまでで猫に嘔吐を引き起こす病気にはどんなものがあるか、お分かりいただけたと思います。
それでは病的な嘔吐と判断される症状の具体例を挙げてみましょう。

嘔吐の回数が多い

嘔吐回数が多い場合には注意が必要です。

・普段毛玉を吐かない猫が、少量の毛の混じった液体を何度も吐いた

嘔吐の回数が頻回であれば、病的な嘔吐と考えられます。
また吐物の中に少量の毛が含まれているというだけでは、毛玉による生理的な嘔吐とは言えません。
また「普段毛玉を吐かない猫」であるなら、なおさら毛玉を吐こうとしている可能性は極めて低いと考えられます。

・何度も吐こうとしているが食べていないので何も出ない

生理的な嘔吐であれば、吐物に未消化物か餌が出てきますので、吐く物がないのに吐こうとしているは強い悪心があると考えられます。
また「嘔吐でない」可能性はないでしょうか?
詳しくは次のセクション「猫の咳は嘔吐と間違えやすい!」を読んで当てはまるところがないか確認してみて下さい。

嘔吐のタイミング

嘔吐のタイミングでも病的な嘔吐かを見分ける判断材料になります。

・食後何時間も経ってから消化されていないドライフードを吐いた。

生理的な嘔吐は、餌以外の未消化物を吐くか、食事直後の嘔吐です。
時間が経ってからの嘔吐は、胃や腸の運動が低下していると考えられ、生理的な嘔吐ではない可能性が高いです。

元気な時と様子が違う

猫

・嘔吐した後からよだれを垂らしている

よだれが垂れているということは、相当酷い悪心があると考えられます。
留守中に誤って薬物や観葉植物などを食べてはいないでしょうか?
もしその可能性があるなら中毒症状のひとつとして吐いているかも知れません。

・吐いた後から元気がない、食欲がない。

元気食欲がないというのは、生理的な嘔吐では見られない症状です。
体のどこかに異常が起きていると考えましょう。

・嘔吐していたが、しばらくして下痢や軟便も出てきた

嘔吐だけでなく下痢や軟便が見られるということは、生理的な嘔吐ではなく胃腸に何らかの病気が起きていると考えましょう。

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・病院で避妊手術を受けたあとから吐くようになった

考えられる嘔吐の原因に、2つあります。

1つ目は、食欲があるのに吐いてしまうなら、術後の化膿止めとして処方されている抗生剤が影響している可能性があります。

2つ目は、食欲も少し落ちているなら麻酔の影響で消化管の運動が低下している可能性があります。

いずれにしても手術を受けた動物病院に連絡してみましょう。

猫の咳は嘔吐と間違えやすい!

猫

「口を大きくあけて吐こうとしているのに吐けない。少し透明な液体は吐き出しているが、食べたご飯は吐いていない。」
一見、嘔吐と思われがちな症状ですが、吐いたものの中に食べたご飯や飲んだ水がないという点からは咳を疑います。
猫の咳は、人間のようにゴホゴホッという音は出ないので、初めて猫が咳をしている様子を見ると、「猫が吐こうとしているが吐けない」とか「息苦しそうな発作がある」といった表現をされます。
見分け方としては、嘔吐であれば必ず吐き出す前にお腹を数回凹ませて胃を押し上げるようにして、「ケコッケコッ」と独特の音を立て、喉を伸ばして口を大きくあけて胃の内容物を吐き出します。
もし猫の咳を言葉で表現するならば「舌を出して喉を前に伸ばしてフンッ!フンッ!フンッ!と息を荒くしている」となります。
また啖が絡むと大きく口をあけて「カーッ!」と吐き出すような咳をすることもあります。
それでも嘔吐なのか咳なのかはっきりわからないときは、仕草のモノマネをしてもよいですが、できれば動画撮影して動物病院を受診されると確実です。

吐物を見たら原因はわかる?泡や、黄色・茶色い・透明な液体を吐いた!

「こんな液体を吐いたけど、これは何?」
「どんなものを吐いたら病院に連れて行った方がいいの?」
多くの方が疑問に思う吐物について解説していきます。

口から出る液体=胃液??

「口から吐く液体」というと胃液と思われがちですが、他にも啖(たん)や唾液(だえき)の可能性もあります。
もし大人しくしている間も口から液体がポタポタと垂れているのであれば、よだれをたらしていると考えられ、液体の正体は唾液です。
また前述の咳に似た症状であれば、吐いている液体の正体は啖と考えられます。
もし嘔吐であれば、前述のようにお腹を凹ませて「ケコッケコッ」と音を立てて胃液を吐き出します。
つまり、吐いている液体だけをみてそれが胃液なのか何なのかを鑑別することは難しく、吐き出している時の様子をよく観察することが重要になります。

胃液の色からわかることとは?

吐き出しているものが胃液である場合、黄色〜黄緑色ならば胆汁の混ざった胃液、茶色やピンク色ならばフードの色がついた胃液の可能性が考えられます。
胃液自体は無色透明ですが、このように正常でも多少の色がつくことは異常ではありません。
ただし鮮血のように真っ赤な血が混ざっているようなら胃液なら、口〜十二指腸までのどこかから出血していると考えられ、同時に便の色が黒っぽいようならその可能性が強くなります。

猫が吐く透明の液体って何?原因は?病気のサイン?

吐物からわかる吐き気の原因とは?

吐物の中におもちゃの破片などの異物、明らかな血、虫などが吐き出されていた場合は、嘔吐の原因を特定するのに役立ちますので、動物病院を受診する際に持参されるとよいでしょう。
しかしそれ以外の吐物(色のついた胃液やフード)からは「この猫は嘔吐している」という事実以外はわかりません。
この場合、吐物より重要なのは吐いている回数、タイミング、食欲の有無、下痢がないかどうか、などの情報になります。

さいごに

猫にとって嘔吐は日常的な症状ですが、この記事を読んで頂いたことで「こういう嘔吐の場合は、様子をみようと思わずに早めに動物病院に行った方が良いのだな」と頭の片隅に入れてもらえたらと思います。
また「どんな物を吐いた」かも大切ですが、「どんな風に吐いているか」をよく観察するようにして下さいね。

関連記事はこちらになります。合わせてご覧ください。

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愛猫のために知ってほしいこと


「動物病院に連れていきたいけど治療費はどのくらいかかるんだろう?」

「愛猫の病気を治してあげたいけど高額費用を支払う余裕がない…」

という飼い主さんはとても多いです。

動物病院で治療する場合、病気によっては10万円以上かかってしまう場合もあります。

動物病院で治療すれば助かった命は実に多いです。

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