耳の病気

猫の耳血腫の治療法とは?放置しても自然治癒する?治らないの?

投稿日:2018年2月4日 更新日:

 

猫が耳のあたりを気にして手で掻いていたり、首を左右にブンブン振っていたら、耳をよく見てください。

耳がパンパンに腫れていませんか?

それは「耳血腫(じけっしゅ)」という病気です。

すぐに病院に連れて行った方がいいのでしょうか?

自然に治るの?治らないの?という疑問に獣医師の私がお答えしたいと思います。

猫の耳血腫とは?

猫の耳たぶにあたる耳のヒラヒラした部分を耳介(じかい)といい、皮膚と軟骨によって形成されています。
耳介の軟骨が何らかの原因によって、折れ曲がったり、亀裂が入り、耳介の内部で出血し、漿液や血液が溜まった状態になり、耳が腫れてしまう病気のことを耳血腫といいます。

耳血腫の原因は何?

耳血腫の原因の多くは外耳炎によるものです。
耳ダニの感染や、細菌、真菌などの感染により、外耳炎が起こり、痒みのために猫が自分で耳を引っ掻いたり、頭を振ったりすることで、物理的な刺激から耳介の軟骨が折れたり、亀裂が入り、軟骨の間に血が溜ることで血腫ができます。
打撲の他、猫同士のケンカなどで傷から細菌が入り込み炎症を起こしてしまうことでなることもあります。
まれに、血を固める作用のある血小板の減少で、血が固まりにくくなり出血することもあります。
以前までは、耳血腫は外的要因のみが原因であるとされていましたが、近年では、自己免疫疾患が原因でおきる内因性のものとの考え方も一般的になってきました。

耳血腫ってどんな症状がでるの?

猫の耳血腫は、耳介の内部に血が溜まっている状態なので、耳たぶ全体がぷっくりと腫れます。
猫の耳介は小さいので耳介全体が腫れることが多いですが、まれに耳介の一部分だけが水ぶくれのように腫れることもあります。
その見た目から、よく餃子に例えられます。
触ると中身は液体なのでぶよぶよとしていて、熱を持ったように熱感があります。
また、血液の溜まった重みから、耳が垂れたり、倒れたようになることもあります。
猫は違和感から、しきりに患部の側の耳を引っ掻いたり、頭を左右にブンブンと振ったりします。
強い痛みはあまり感じていないように見えますが、人間の柔道家が畳に耳がすれて耳に血が溜まった場合、非常に激痛が走るといいますので、猫も痛みがあるのかもしれません。

耳血腫にはどんな治療法があるの?

血液を抜く

注射器を耳介に刺して、中にたまっている血液を抜きます。
原因となっている耳介の軟骨の炎症を抑えるために抗炎症効果のあるステロイドなどを中に注入することもあります。
二次感染を防止するために抗生物質を使用することもあります。
耳の痒みなどが続けば再発しますので、耳血腫の原因となった病気の治療も併用して行っていきます。

外科処置

通常の処置では治らない場合や、再発を繰り返す場合などには、麻酔をしての外科的な処置が行われます。
血を抜くために行う外科処置ではなく、軟骨と皮膚の隙間自体を物理的になくしてしまう治療法で、皮膚と軟骨を細かく10ヶ所ほど縫います。
傷が治ろうとする力で皮膚が縮まってしまうので、この手術をすると、治った後に耳介の形がクシュクシュと変形してしまったり、触り心地がカチカチに固くなってしまうこともあります
治療中も耳を気にして引っ掻いたりしてしまう場合は、エリザベスカラーの装着が必須になることがほとんどです。

インターフェロン注入

最近の耳血腫の治療では、治る確率や、治った後の耳介の変形の少なさから、インターフェロン治療が主力となっていますが、費用やインターフェロンに反応のない場合は他の治療を優先する場合もあります。
耳血腫の発症に免疫が関与しているという可能性からインターフェロンが使用されるようになり、治療効果も高く、猫の負担も少ないことから推奨されています。

インターフェロンの治療方法

耳の血腫(液体)は穿刺吸引せず、5日~7日に1回の間隔で、5~10MUのインターフェロンを耳に注入します。
液体を抜去しない分、刺した針穴から溜まっていた液体がにじみ出てきてしまうことがあるので、しばらく押さえておきます。
耳介軟骨の軟化変性を抑制するために、ステロイドを内服します。
インターフェロンの注入3~5回くらいで耳介の変形なく治癒することが多いです。

耳血腫は放置してもいい?自然治癒するの?

耳血腫は放置すると、3週間程度で、血液は徐々に吸収されていきます。
軟骨におきかわり、石灰化した耳介軟骨は変性して、耳全体が萎縮し、引きつれたようにカタチがいびつになって戻らなくなってしまいます。
放置したからといって命に関わることはありませんが、早く違和感を取り除いてあげるように、放置せず治療をする方が良いでしょう。
耳が変形する程度なら、放置してもよいと思われるかもしれませんが、治療しないで放置した場合、耳の入り口が狭くなったりして、通気が悪くなり、その後、慢性的な外耳炎の原因になる可能性がありますので自然治癒を待たず、積極的に治療を行った方が良いでしょう。

耳血腫の処置や手術費用はどれくらいかかる?

外科手術に関しては病院により差がありますが、家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査(平成27年度)を参考にすると、手術費用だけで15000円~20000円程度かかります。
外科処置には麻酔が必要になりますので、トータルでは3~5万円程と考えておいた方が良いでしょう。
液体を抜く処置だけであれば1回1500~3000円です。
1回で完治することは少なく、数回の処置が必要になります。
インターフェロン注入にいたっては、インターフェロン自体が高価なため、1回の処置が3000円ほどかかり、3~5回の処置が必要になりますので、完治まではやはり2万円ほどかかります。
さらに、これに加えて原因疾患の処置料などもかかる場合があります。

耳血腫は予防できるの?

耳血腫にいたるまでに、耳を掻いたり、頭を振ったりするしぐさが見られる事が多いため、普段の生活から、こうした猫の病気のサインを見逃さないようにすることも大事です。
猫の耳のケアをこまめに行うようにし、また、猫のちょっとした行動の変化にも気がつけるようになることが望ましいですが、なかなか耳掃除をさせてくれないといった猫は、定期的に動物病院などに診察に行き、耳掃除や他の部位の健康チェックも行うようにしましょう。
自宅での間違った耳掃除が悪影響を及ぼすこともありますので、奥の方までの耳掃除は動物病院で処置するのをお勧めします。
自宅では耳の中をのぞく程度にしておいたり、外側に出てきた汚れを軽く拭き取る程度にしておいた方が良いでしょう。

獣医師が教える猫の耳掃除の方法まとめ。おすすめの道具なども紹介します

耳血腫の治療の難しい点とは?

最近では耳血腫に対して外科手術を第一選択にしている病院は多くありません。
一昔前までの、「治れば見た目は気にしない」という時代から変化し、今は治っても耳介の変形が見られれば、治療に対する満足度が非常に低いからです。
そのため、最初は内科治療を選択しますが、内科治療は何回も通院が必要ですし、何回か処置をしても治らない場合があり、最終的に外科手術に切り替える場合もあります。
その場合、費用も余計にかかることになり、なぜ最初から外科手術を行わなかったのかと飼い主が不信感を抱いてしまう場合があります。
なぜ、外科手術を第一選択にしないのかを事前にしっかりと理解し、かかりつけの獣医師と治療法についてはしっかり話し合って行うようにしましょう。

さいごに

猫の耳血腫は、再発率が非常に高い病気です。
そのため、耳血腫の原因となった病気をしっかりと治療することが大事です。
また、耳を痒がる素振りが見られたらすぐに病院に連れて行って、耳の中の検査をしてもらいましょう。
特に一度でも耳血腫になったことのある猫は要注意です。
常日頃から、痒がっていなくても、耳の中をチェックするように心がけましょう。





愛猫のために知ってほしいこと


「動物病院に連れていきたいけど治療費はどのくらいかかるんだろう?」

「愛猫の病気を治してあげたいけど高額費用を支払う余裕がない…」

という飼い主さんはとても多いです。

動物病院で治療する場合、病気によっては10万円以上かかってしまう場合もあります。

動物病院で治療すれば助かった命は実に多いです。

経済的な問題で愛猫の寿命を縮めないためにも愛猫が元気なうちにペット保険に加入することが大事になります。

でも「ペット保険っていうけど、どういう保険があるの?」という疑問も出てくるかと思います。

ペット保険の加入に迷った場合には、ペット保険の一括資料請求がおすすめです。

複数のペット保険の資料を比較することで「あなたと愛猫にとって一番ベストの保険が分かる」というメリットもあります。

利用は無料です。詳しくはこちらをご覧ください。

>>>ペット保険の一括資料請求を試しに見てみる(無料)<<<






-耳の病気
-, , ,

Copyright© 猫の病気対策マニュアル , 2018 AllRights Reserved Powered by AFFINGER4.