泌尿器の症状

猫の尿道結石、尿道狭窄(閉塞)、尿道炎の原因や症状や治療法など解説

投稿日:2018年2月11日 更新日:

 

FLUTDとは「猫の下部尿路疾患」の略称で、膀胱から尿道までの下部尿路で発症する病気の総称のことをいいます。
特発性膀胱炎をはじめ、尿結石・血尿・頻繁で痛みを伴う排尿・尿道閉塞など、さまざまな症状を引き起こす「おしっこにまつわる疾患」の総称です。
今回は、その中でもオス猫に多く発生する尿道の病気について解説していきたいと思います。

猫の尿道結石とは?

FLUTDの病気で最も多く発生します。
濃い尿や、食事の偏りなどの条件が重なると、尿中でマグネシウムやカルシウム、アンモニア、尿酸、シュウ酸などが結合して結晶というガラスの破片のような物質ができ、それが集まり大きくなって結石になります。
猫の場合、膀胱と尿道にできることが多く、砂粒や金平糖のような形をしたりと様々です。

結石になりやすいタイプの猫

体質・遺伝

親猫が尿路結石を発症したことがある場合には、その子供は通常より発症率が高まります。
親猫の病気が分かっているときは、普段から尿路結石の予防フードを与えましょう。
体質的に尿路結石になりやすい猫もいて、普通のエサを与えていても発症し、また完治しても繰り返してしまう場合があります。

オス猫

尿路結石が作られる尿道が、オス猫はメスと比べて狭いので、詰まりやすくなって重度になってしまうことが多いです。
メスの場合、尿路結石になってもそれほど重症化しないのは尿管の幅が広く、余裕があるためです。

3~5歳

尿路結石がもっとも発症しやすい年齢は、3~5歳の若くて元気な猫です。
食事量も多く、体の活動も活発で、尿路結石を生成しやすい時期と言えます。
よく食べるからと言って、エサを与えすぎたり、おやつを与えすぎないようにしましょう。
逆に高齢になってくると、尿が薄くなることが多く、結石は起きにくくなります。

長毛種

原因は分かっていませんが、短毛種の猫より、長毛種の猫の方が尿路結石になりやすい傾向にあります。

結石の種類

リン酸アンモニウムマグネシウム(=ストルバイト)

猫の尿路結石で最も発症率が高いのが、このストルバイトです。
尿のpHがアルカリ化した時に発生します。
ストルバイトの主な原因は、キャットフード以外のおやつを与えすぎたり食べ物が問題になることが多いです。
カルシウム、マグネシウム、リンなど、ストルバイトを形成するのに必要な栄養素を過剰摂取することで、発症してしまいます。
また、水をあまり飲まない場合も、尿が濃縮され濃度が高くなることが原因になります。

シュウ酸カルシウム

2番目に多い結石です。
尿のpHが酸性化すると発生しやすくなります。
マグネシウム不足、カルシウム過剰、高タンパクなどで起きます。
非常に固いため、一度作られてしまうと食事療法で溶けることは難しいとされています。
そのため、この結石の場合は手術をして取り出すことが一般的です。

尿酸塩

結石の中ではまれな種類です。

シュウ酸カルシウムや尿酸結石は、ストルバイト尿石を予防するために尿を酸性化するフードが増えた事により、一気に発生率が増加しましたが、近年では尿のpHを適切に保つことができるフードが増えてきています。
その他にも、少数ですがシスチン、キサンチン、シリカ、リン酸カルシウムなどの尿路結石の種類があります。

尿道結石の症状とは?

・尿の色がおかしい(血が混じっていたり、赤、ピンク、茶色など)
尿や猫砂がキラキラして、触るとざらざらしている
・トイレに何度も行く
・トイレに行く割には尿が出ていないか、少量しか出ない
・トイレ以外の場所で粗相するようになる
・トイレにうずくまる
・トイレで鳴き声をあげる
・トイレ以外の場所でも、動きが少なくなる
・お腹や足を触ると痛がる素振りを見せる

尿道結石の検査は?

尿検査(必須)

採取した尿を顕微鏡で観察し、尿中の結石を形成する前段階の結晶の有無と種類を調べます。
尿の色・尿比重・尿pH・尿糖・尿タンパクも同じ尿で調べます。

レントゲン検査・超音波検査

結石がある程度の大きさであればわかることがあります。

尿培養検査

細菌感染が要因で発症した尿路結石の場合は、その細菌を培養し、その種類を突き止め、効果のある抗生物質がなにかを調べることができます。

尿道結石の治療方法とは?

治療は、症状に合わせて食事管理・投薬・手術のいずれかを行います。
ストルバイトは、食事療法で溶かすことができますので、ミネラル分の少ない専用の治療フードによる食事管理や、結石を溶かす薬を使いながら結石が溶けるか経過を観察します。
高いフードがいいという事ではなく、結石対応のフードを選ぶ必要があります。
点滴で体に水分を入れ、尿の量を一時的に増やして流す治療もあります。
もし、尿道に結石が詰まってしまっている場合は、カテーテルを尿道に通して詰まっている結石を解除し、尿を出します。
もし、カテーテル治療で解除ができない場合や、食事療法で溶けないタイプの結石は手術で結石を取り除くこともあります。
早い段階で気付いて治療を行うことができれば、予後は良好です。
再度膀胱内の結晶が結石化しないように、膀胱洗浄を行います。

尿道結石の予防は?

再発を防止するために、尿石の種類に合った療法食を食べることになります。
尿が濃くなると結石ができやすくなりますので水をたくさん取れるように心がけます。
新鮮な水をいつでも飲めるように用意したり、複数の水を用意する、食事に水を加えるなどの方法があります。
トイレを清潔にし、尿を溜め込まないようにしてあげます。
適度な運動をさせ、太り過ぎに気をつけます。
信じられないかもしれませんが、太ると尿道も狭くなり、結石が詰まる可能性が高まります。
猫のおやつに煮干を与えている方も多いかもしれませんが、カルシウムやマグネシウムが含まれているので注意が必要です。
できれば与えないほうが良いでしょう。
当たり前のことですが、高い塩分や添加物などが含まれているため人間の食べ物を与えてはいけません。
試しに猫のフードを食べてみると、ほとんど味がついていないことがわかります。
猫の腎臓は人間のものより小さいので、処理できる塩分の量も少なく、人間がほどよく感じる塩気でも猫には非常に塩辛い味付けになってしまっています。
ねこまんまといってご飯にお味噌汁をかけたものを与えるなど言語道断です。
また、寒い時期や気温の寒暖差が激しいと、ストレスや飲水量が減り、結石を発症しやすいので、特に注意してあげてください。

詳しくはこちらもどうぞ。

猫の尿道結石の原因や症状や治療法は?手術や費用についても解説

猫に結石の症状や原因、治療法は?手術費用はどのくらいかかるの?

尿道狭窄(閉塞)とは

いままでお話しした結石や他の物質が、尿道に詰まって尿が出にくくなったり、全く出なくなる病気です。
メスはオスより尿道が太いので、尿道閉塞になる可能性は低く、尿道が細くて長いオスが発症しやすいです。

尿道狭窄(閉塞)の原因は?

まず、猫の尿道自体に問題がある場合です。
尿道が先天的に細い場合は、結石が詰まり易く、些細な炎症でも閉塞し易くなります。
泌尿器の発育不全やホルモンの分泌異常により尿道の発育を阻害された猫にもおこりやすく、また、生後6ヵ月以前に去勢されたオス猫が尿道発育不全から起こるという説もあります。
次に、猫の尿道自体に問題がなくても、結石などが大量にできてしまい、詰まってしまうこともあります。
尿道狭窄、閉塞の原因は結石が原因のことが多いですが、結石だけとは限りません。
突発性尿道閉塞の原因となるのが、特発性膀胱炎です。
常に膀胱内で生成され続けている浮遊物の集まりが突然詰まってしまいます。

猫の特発性膀胱炎の原因や症状や治療方法は?治らないの?

尿道狭窄(閉塞)の症状とは?

狭窄や部分閉塞の場合には程度にもよりますが、尿道結石と同様の症状が出ます。
トイレに入っても少ししか出ない、全く尿が出ない、頻繁に行くようになる、別の場所で排尿をしてしまったり、何度も排尿姿勢をする、排尿時に鳴き声を出すなどの症状がみられます。
完全閉塞の場合を尿閉(にょうへい)といい、食欲不振、嘔吐、ぐったりするなどの症状がみられます。
尿閉になると、治療しなければ3日(72時間)以内に急性腎不全を発症し死亡してしまう非常に危険な状態です。

尿道狭窄(閉塞)の治療方法とは?

尿検査や血液検査をして、すぐに閉塞の原因となっている物質を除去する治療を行います。
まず、最初に、尿カテーテルで閉塞している物質を少しずつ砕いたり、膀胱内に押し戻したりして強制的に解除します。
閉塞がひどく、尿道が肥厚している場合には、外科手術で尿道を切開する手術を行う場合もあります。
閉塞を解除し、脱水を点滴によって改善できれば、状態は回復していくでしょう。
腎臓機能などの障害が少なければ回復する可能性は高いといわれていますが、もしすでに腎不全を発症している場合には、解除後急性腎不全を改善させるために点滴治療を行います。

ポイント

尿がでなくなってすぐに腎不全が発症することはありません。
尿道が何らかの原因でつまり、膀胱に尿が溜まり、膀胱にそれ以上尿が貯められなくなると、仕方なく尿は腎臓から排泄されなくなり腎臓や尿管にたまってしまい、その結果急性腎不全を発症してしまうのです。
猫が急性腎不全を起こす前段階でかならず症状を訴えています。
この段階で気付いて治療してあげられれば、腎臓にも負担はかかりません。
もし、腎不全を起こしてしまうと回復しても、腎臓の機能が100%回復するとは限りません。
よく、夜間救急に連れていく状態なのか?という質問をお受けしますが、発症がいつからなのかわからないのであれば、一刻も早い処置が必要な段階かもしれませんので夜間救急に連れていくべきだとお答えしています。
結果として腎不全をおこしていなかったら良いですが、もし腎不全を発症している段階であればこの半日が生死を分ける可能性があるからです。

尿道狭窄(閉塞)の予防は?

結石であれば、先ほどお話ししたように予防法がいくつかあるのですが、特発性膀胱炎は予防ができません。
結石、結晶対策で、専用のごはんをあげ、お水をたくさんあげて定期的に尿検査を行い、きっちり管理しているからと安心していてはいけません。
「おしっこの回数が多い」「おしっこの時間が長い」「おしっこの量が少ない」などの症状が現れたら様子を見ずにすぐに病院に連れて行ってくださいね。

尿道炎とは

尿道の粘膜に炎症を起こしている状態です。

尿道炎の原因は?

尿道の粘膜に細菌が感染したり、結石によって傷ついたりすることで起こります。
細菌は外界から尿道へ入ってきます。
歯周病など口腔内に炎症があり、外陰部をよくなめる猫に起こりやすいです。
また、交尾後に感染しやすいので注意が必要です。
尿道炎が進行して膀胱炎を引き起こす場合もあれば、膀胱炎が尿道炎を引き起こす場合もあります。
尿道結石によって尿道が傷つくと、そこから細菌が感染して炎症を引き起こすと考えられます。
結石は、食餌の栄養バランスやストレスなどによって、尿中にマグネシウム、リン、カルシウムなどのミネラルが増加したり、尿のpHバランスが酸性やアルカリ性に傾くと結石ができやすくなります。

尿道炎の症状とは?

排尿する時に痛がる様子が見られ、痛みから鳴き声をあげたりすることもあります。
排尿の最初に血尿が出たり、尿道に違和感を感じるため、オスは陰茎、メスは外陰部をなめることが多いです。
頻繁に排尿しようとはするものの、少量の尿しか排出されないことがあります。
炎症が続くと慢性化し、炎症で尿道が狭くなり、尿道閉塞を引き起こす危険性があります。
尿道閉塞から急性腎不全を引き起こすと命に関わる危険もあるため、早期に気づき対応する必要があります。

尿道炎の治療方法は?

細菌の感染による場合は、抗生物質を投与します。
結石が原因の場合は外科的処置で摘出する場合もあります。
原因となる細菌の感染を防ぐために室内飼育にして他の猫との接触を避けたり、新鮮な水をいつでも飲めるように用意し、トイレを清潔にし、適度な運動をさせるなど、日頃のケアが重要です。
結石を発生させないように食事を切り替える場合もあります。
また、ストレスの少ない飼育環境を整えることも予防策になります。

さいご

排尿時に異常がある場合、過去に結石や尿道閉塞の既往歴があったかということや、現在食べているフードの種類をすぐに伝えられるようにしておきましょう。
もし尿が少しでも出ている場合は、猫砂やペットシーツ、可能なら尿を採取して持参すると診断の手助けになることがあります。
オス猫の場合、尿道の病気は重症化すると命に関わる場合があります。
必ず初期の症状に気付き、治療をしてあげられるように、病気の前からしっかり勉強しておくことが大切です。





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