循環器の病気

動物病院で猫の心臓に雑音があると言われたけど原因は何?病気なの?

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健康診断や耳掃除などで動物病院に行ったとき、聴診で突然「心雑音がありますね。」といわれたらとてもびっくりしますよね。
心臓が悪いの?病気なの?このあとどうしたらいいの?うちの子どうなるの?とパニックになってしまうかもしれません。
「心臓が悪い」と聞くと、とても重症な気がしますよね。
しかし、心臓に雑音があると言われたからといって、必ずしも悲観的になる必要はありません。
実は心臓の雑音は病気でない場合にも聞こえることがあるのです。
心雑音があるというのはどういうことなのでしょうか?どんな時に聞こえるのでしょうか?大丈夫なのでしょうか?病気の場合治療方法はあるのか?など、ご心配なポイントを解説したいと思います。

心雑音とは

心雑音は、心臓や血管の内部で血液の流れが乱れるために発生する振動といわれています。
心音というのは、心臓の中にある弁が閉鎖したり、開放したりするときに発生する音で、ふつうは「トクッ、トクッ」というように聞こえます。
心雑音がある場合は、「ザーザー」とか「ザッザッ」とか、「バランバラン」など濁ったり、ズレたりする音が聞こえます。
心雑音の原因は様々です。
本物の心臓病もあれば、心臓に全く病気がない場合、あるいは心臓以外に原因がある場合など多岐に亘ります。
また、たとえ心臓病があっても放置可能な状態から、すぐ治療が必要な状態まで病態は様々です。
また、「心雑音が強い=心臓がより悪い」というわけではありません。
末期の心臓疾患では、心雑音が聞こえにくくなることもあります。
したがって聴診だけでは病気の原因の診断も、病態の評価も出来ません。

心雑音が聞こえる原因

心雑音が聞こえる原因には、大きく2通りにわけられます。

心臓の異常

心臓内の血液の流れに乱れが生じるために発生します。

心臓の弁の異常

心臓内にある弁の締りが悪く、血液の逆流が生じた際に、弁に血流が当たることで発生します。

心臓の形態変化

右左短絡(シャント)や心筋症など、本来流れない場所に血液が流れ込んだり、血液の流れる道に異常が生じた際などに心雑音が聞こえます。

心臓の問題ではない理由~病的心雑音~

・貧血

・発熱

・敗血症

・妊娠

・腫瘍性疾患

・甲状腺機能亢進症

これらの状態は血液の粘稠性の影響や、血圧の影響で雑音が聞こえることがあります。

・動的右室流出路閉塞

これは、猫に特有の現象で、心臓が収縮するときに、右側の部屋の一部だけが近づきすぎてしまい、部屋を狭くしてしまうことによって、血液の流れが悪くなり、心雑音として聞こえる現象です。
心雑音が聞こえたり聞こえなかったりすることがあったり、心雑音が聞こえるにもかかわらず検査をしても雑音の原因がわからない場合などは、この病態のケースが多いです。
原因としては、心疾患よりもむしろ心疾患ではない病気が原因で起こる事の方が多いです。
具体的には、慢性腎不全、貧血、炎症性疾患、甲状腺機能亢進症、鼻腔内腫瘍、肝腫、線維肉腫、リンパ腫、肥満細胞腫などの病気で報告があります。
なぜこれらの病気でこの動的右室流出路閉塞が起きたのかはまだはっきりしていませんが、脱水が関与している可能性が考えられています。

心臓の問題ではない理由~生理的心雑音~

生理的雑音とは、肥満、削痩、脱水、貧血、心変位などにより、心臓から発せられる音が変化し、病気ではないにもかかわらず、心雑音のように聞こえる現象です。
病気の二次的なものとしての削痩や貧血、脱水などの場合もあるので、病気ではないとは言い切れませんが、通常生理的雑音は治療の対象にならない事が多いです。

心雑音が聴取されたらどうしたらいいの?

心雑音はⅠ(軽度)~Ⅵ(重度)段階に分類され、Ⅱの段階あたりまでは、生理的雑音でも聴取されることがあります。
しかし、心雑音が軽度の場合に、生理的雑音として様子をみてよいかというとそうではありません。
軽度な雑音の中に心臓の病気が隠れていたり、心臓の病気以外の病気が隠れていることもあるため、全身の検査で明らかにしていかなければいけません。
検査により、様子をみても良い心雑音なのか、治療が必要な病態なのかを判断します。

心雑音が聞こえた時の検査

生理的なものなのか病気によるものなのかは、聴診しただけでは判断がつきませんので、他の検査を併せて行います。

スクリーニング検査

まずは、心機能と全身の精査と評価を行い、他の病気や基礎疾患が隠れているかも検査します。

・血液検査(血球計算・生化学)

・レントゲン検査(胸部・腹部)

・超音波検査

心機能評価としては、壁の厚さ、狭窄、弁の状態、動き、逆流の有無、逆流量、駆出量、収縮力、先天性疾患の有無などの評価を行います。

・心電図

・血圧測定

特殊検査

スクリーニング検査で異常が認められた際に追加で行う場合があります。

NT-pro BNP、ANP

心室で生合成されるホルモンで、心室の負荷の有無やその程度を把握することのできる鋭敏な心機能マーカーです。
おもに心疾患の重症度の把握や治療効果の判定のために行われます。

内分泌ホルモン

副腎皮質、甲状腺、上皮小体・脂質代謝などに異常が無いか検査を行います。

心雑音が聞こえた際に最も猫に多い心疾患「肥大型心筋症」

猫の心筋症はほとんどが肥大型心筋症といわれています。

肥大型心筋症とは

何らかの原因で、心臓の筋肉が肥厚して心臓の機能が低下してしまう病気です。
血液の循環が悪くなり、本来心臓から全身に送り出すはずの血液が心臓内に溜まってしまい、心臓が大きく膨らんでしまいます。
全身に十分な血液が送り届けられなくなってしまうため、各臓器に必要な酸素も栄養も足りなくなり、他の臓器にも影響が及び、肺に胸腔に水が溜まり呼吸が苦しくなったり、全身に異常が起こります。

心筋症の原因

残念ながら、猫の心筋症の原因は不明と言われています。
発症する年齢もさまざまで、どんな猫でも発症する可能性があります。
メインクーンは遺伝による発症が報告されています。
また、メス猫よりオス猫のほうが発症しやすいと言われています。

猫の肥大型心筋症の症状

初期症状はほとんどありません。
見てわかるほどの症状が出ている場合には、すでに病気が進行してしまっている状態です。
症状としては以下のようなものが現れることがあります。

・なんとなく元気がない、あまり動かない
・眠る時間が増えた
・疲れやすい
・散歩に行きたがらない、運動したがらない、遊ばなくなった
・高いところに登らなくなった
・呼吸が乱れることがある
・呼吸が苦しそう、口を開けてハアハア呼吸する
・咳が出る
・食欲がない
・お腹が張っている、膨れている
・失神することがある

また、心筋症によって心臓の収縮機能が低下すると、心臓内に血栓(血の塊)ができやすくなります。
その血栓が、後ろ足の付け根などの血管に詰まってしまう「血栓塞栓症」を引き起こすことがあり、血栓が詰まった先の血液の流れが悪くなってしまうため、急に激しい痛みで鳴いたり暴れたりします。
重症の場合は血行が完全に遮断され、その状態が続くと、後ろ足は麻痺してしまいます。
急性の場合は突然、下半身麻痺や突然死することがあるとても怖い病気です。

猫の心筋症の治療とは?治るの?

心筋症自体を根本的に治すことはできません。
もし、健康診断などで心雑音が聴取され、症状が出る前に早期発見できれば、進行を遅らせることができます。

飲み薬

第一に選択される治療法です。
心臓の飲み薬は、心臓を治すわけではなく、心臓の負担を減らすための薬です。
薬を飲めば心臓の負担も軽くなり、必然的に体も楽になります。
強心薬、血管拡張薬、血栓予防薬、利尿薬、ACE阻害薬、β遮断薬、カルシウムチャンネル阻害薬などの作用の異なる薬を病態に併せて複数飲むことが一般的です。

対症療法

根本原因に対する治療と併せて、出てきた症状を軽減させる治療を行います。
重症になると、胸水が貯まり、呼吸が苦しくなる事もあります。
この状態のときは、酸素吸入(酸素室)をしたり、胸水を抜く処置をします。

猫の肥大型心筋症とは?原因や症状や治療法は?寿命(余命)はどのくらい?

さいごに

心雑音は全く症状がなく、ワクチンや健康診断で来院された際の身体検査で発見されることがほとんどです。
猫の心臓病は末期になるまで目に見えるような症状をあらわさないことがひとつの要因です。
心雑音が聞こえたからといて心臓の病気とは言えませんし、そもそも治療が必要な状態だとも言えません。
まずは、しっかりと心臓の評価を行い、本当に心臓が原因なのかを検査し、心臓に異常がなければ、心臓以外の病気が原因なのか、生理的な雑音なのかを見極めなければ治療をスタートすることはできません。
心雑音があるとわかっても、落ち着いて先生の指示に従いましょう。
もし、症状が出る前に心雑音の存在に気付くことができればそれが一番ベストです。
自宅で雑音の有無を知るのは難しいと思いますので、症状がなくても、こまめに病院に行っておくという事が病気の早期発見のポイントです。





愛猫のために知ってほしいこと


「動物病院に連れていきたいけど治療費はどのくらいかかるんだろう?」

「愛猫の病気を治してあげたいけど高額費用を支払う余裕がない…」

という飼い主さんはとても多いです。

動物病院で治療する場合、病気によっては10万円以上かかってしまう場合もあります。

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