目(眼)の病気

猫の結膜炎の治療法は?自然治癒する?目薬や治療費についても解説

投稿日:2017年3月4日 更新日:

 

「猫の目がショボショボしているけど、もしかして結膜炎?」

「猫が何度も結膜炎を繰り返している。自然治癒することはないの?」

「猫に使う目薬って高いのかな?治療費の目安が知りたい」

猫の目の病気の中でも結膜炎はごく一般的な病気ですので、このような疑問を持ったことがある方も多いのではないでしょうか?

今回は日常的によく見られる病気である“猫の結膜炎”について、どんな原因で起こるのか、治療法や治療期間、治療費用の目安など、飼い主の方が知りたい情報を盛り込んで解説していきたいと思います。

結膜炎ってどんな病気?

まずは結膜炎とはどんな病気なのか、どんな症状が特徴なのかについて解説します。

結膜炎とは?

結膜とはまぶたや白目の表面を覆っている薄い膜のことで、ここに炎症がおこる病気を結膜炎と言います。
結膜は、まぶたによって袋のような構造になっていて異物が溜まりやすい状態であり、かつ涙によって常に濡れているため細菌やウイルスが繁殖しやすい環境であるため、眼の中でも特に炎症が起こりやすい場所になります。

猫の結膜炎に共通する症状とは?

結膜炎を発症した原因に関係なく、結膜炎になると共通した症状が見られるようになります。
それは一体どんな症状でしょうか?

まぶたが赤く腫れる

結膜炎になると一番分かり易い症状が、結膜が赤くなる“結膜充血”やまぶたが腫れぼったくなる“結膜浮腫”になります。
猫の下まぶたを下に引っ張りアッカンベーをしてみた時に、下まぶたが“タラコ”のようにプクッと赤く盛り上がって見えるなら、結膜炎を起こしている可能性が考えられます。
子猫などで重度の結膜炎になると、上下の結膜の浮腫によって黒目(眼球)が確認しづらくなることも時折見られます。

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涙目になる

涙目を医学用語で“流涙”と言います。
結膜炎になると異物を排除しようとする自己防衛本能から、涙の分泌がさかんになります。
また長い期間流涙が続くと、目の周りの皮膚が炎症を起こしてしまうことがあります。

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目やにが多い

目やには医学用語で“眼脂(がんし)”と言います。
結膜炎になると結膜からの分泌物が増えるため、目やにが増えます。

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まばたきが多い

結膜に炎症が起きると目に違和感が生じるため、目をショボショボさせたり、まばたきをする回数が増えます。

目を気にする仕草がでる

目やにや涙が多くでる結果、手で気にするような仕草が増えることもあります。

猫の結膜炎の分類

猫によく見られる結膜炎は原因によって、ウイルス性結膜炎、細菌性結膜炎、免疫介在性結膜炎の3つに分けられます。
中でも一番発生頻度が多いのがウイルス性結膜炎になります。
それぞれの結膜炎について特徴など詳しい内容は後述しています。

結膜炎の診断方法

症状や実際の治療経過から結膜炎のタイプを診断することも多いですが、なかなか治らない場合は細胞診や細菌培養検査を行ったりします。

細胞診

結膜の細胞を採取してクラミジアという細菌の感染徴候がないかをチェックしたり、正常では見られない異常な白血球(好酸球など)がないかをチェックしたりします。

細菌培養検査、ウイルス検査

通常の結膜炎の治療していてもなかなか改善が見られない場合は、原因となる細菌やウイルスを特定するための検査を実施することがあります。

猫のウイルス性結膜炎ってどんな病気?

ウイルス性結膜炎の原因や特徴、治療法、治療期間、治療費用の目安について解説します。

原因

猫のウイルス性結膜炎の多くが、猫ヘルペスウイルスもしくは猫カリシウイルスの感染によるものです。
感染猫の唾液や涙、鼻水といった分泌物には多量のウイルスが含まれており、これらが他の猫の口・眼・鼻の粘膜から取り込まれるとウイルスに感染してしまいます。

この病気の特徴

猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルス共に結膜炎を引き起こすことが知られていますが、それ以外の症状に多少の違いがあります。

猫ヘルペスウイルス

ヘルペスウイルスに感染すると、結膜炎の他に角膜炎や鼻炎、気管支炎、発熱、元気食欲低下などの症状を伴うことがあり、一般に“猫風邪”とも言われています。
またヘルペスウイルスは一度感染すると潜伏感染と言って、症状がなくても常にウイルスが体に存在する状態になり、猫にストレスがかかるとウイルスの増殖が活発化し、結膜炎が再発することがあります。
また新生児の子猫に感染すると単なる結膜炎だけでなく、結膜と角膜と癒着することがあります。

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猫カリシウイルス

猫カリシウイルスは結膜炎の他に、鼻炎や潰瘍性の口内炎が見られるのが特徴とされています。
ただし、結膜炎の症状のみではヘルペスウイルスかカリシウイルスによるものかの見極めは困難です。

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治療法

ウイルス性結膜炎の治療の基本は対症療法になります。

点眼薬や眼軟膏

ウイルス性結膜炎になるとさらに細菌感染も起こしやすくなるため、一般的には抗菌薬の入った点眼薬で治療し、もし角膜炎も伴っている場合は角膜を保護するためのヒアルロン酸の含有した点眼薬を併用します。
もしこのような通常の治療で上手く治らない場合は、抗ウイルス薬の入った眼軟膏の使用を検討します。

サプリメント

猫のヘルペスウイルス性角結膜炎用に“L-リジン”というサプリメントがあり、これはヘルペスウイルスの増殖を阻害することで、結膜炎や風邪症状を軽減させるという効果が期待されています。
L-リジンは薬剤ではなくアミノ酸ですので、どんな猫でも安心して使えるというのが特徴です。
メニにゃん メニにゃんEye”などの沢山の製品が販売されていて、Amazonなどのネット通販でも簡単に購入できます。
結膜炎の再発を繰り返すようなら、このような商品を試してみても良いと思います。

その他

結膜炎以外の症状が重度である場合は、点滴を行ったり、抗ウイルス効果のあるインターフェロンという薬を注射することがあります。

治るまでの治療期間

ウイルス性結膜炎の場合、重症度によりますが通常は数週間程度は点眼が必要な場合が多いです。

治療費用の目安

動物病院は自由診療で病院によって診療料金が異なるため、お支払いの際に「今日は一体いくらかかったんだろう?」とドキドキされる方も少ないないでしょう。
そんな飼い主の方の心の準備のためにここでは結膜炎の治療費の目安を記載しますが、もし詳細の金額を把握しておきたい方は、治療を受ける動物病院に直接ご相談いただくようにして下さいね。
ウイルス性結膜炎が疑わしい場合、通常は抗菌薬や抗炎症剤などの一般的な点眼薬を処方されることが多く、金額としては1本1〜2000円程度になり、これらの中から病状に応じて数種類を使い分けたり併用します。
もし、これらの一般的な治療でなかなか結膜炎が落ち着かない場合や、慢性化してしまう場合は、抗ウイルス薬の入った眼軟膏を処方されることもあるのですが、その場合は1本5000円前後と高額になります。

猫の細菌性結膜炎ってどんな病気?

細菌性結膜炎の原因や特徴、治療法、治療期間、治療費用の目安について解説します。

原因

クラミジアやマイコプラズマに代表される様々な細菌が結膜に感染し増殖することによって、細菌性結膜炎を引き起こします。
中でもクラミジアは子猫に重度の結膜炎を起こすことがあり、感染に注意しなくてはならない細菌です。
ウイルス性結膜炎同様に、涙や目やになどの眼からの分泌物には多量の菌が存在するため、これが他の猫の眼の粘膜に触れると感染が広がってしまいます。

この病気の特徴

クラミジア性結膜炎は、ブリーダーなど多頭飼育している環境下の猫や、1歳以下の若い猫に多く発症します。
一過性の発熱や元気食欲低下などの全身症状を伴うこともありますが、多くの場合で全身状態は良好で眼にだけ強い症状が出ます。
また発症初期は片目の症状が目立っていても、次第に両目の結膜炎へと進行することがあります。

治療法

抗菌薬の入った点眼薬に加え、クラミジアを殺菌できる抗生物質の内服を併用します。
また猫用の5種混合ワクチンにはクラミジアに対する予防効果があるため、発症を未然に防ぎたい場合は接種を検討しましょう。

治るまでの治療期間

単純な細菌感染の場合、重症度によりますが通常は数週間程度の点眼が必要なことが多いです。
また、クラミジアによる結膜炎の場合は慢性化しやすく、症状がなくなってからも2週間程度は内服を継続する必要があり、治療に少なくとも1〜2ヵ月程度かかることがあります。
なお、同じ原因の結膜炎でも子猫では非常に重症化しやすく、結膜だけでなく角膜まで炎症が広がってしまうと、数ヵ月以上の点眼が必要になることもあります。

治療費用の目安

細菌性結膜炎では点眼薬に合わせて内服が処方される場合もありますが、眼が飛び出る程高額な薬剤ではありません。
内服薬だけで、大体1日あたり1〜200円前後で済むことが多いでしょう。

猫の好酸球増殖性角結膜炎ってどんな病気?

好酸球性増殖性角膜炎の原因や特徴、治療法、治療期間、治療費用の目安について解説します。

原因

好酸球増殖性角結膜炎は好酸球性角膜炎とも言います。
発生原因には猫ヘルペスウイルスが関連しているのではないかと考えられています。

この病気の特徴

結膜の炎症もありますが、眼の表面にある透明な角膜の白濁が特徴的な症状で、「猫の眼が白い」、「猫の眼に白い膜が張っている」と訴えられる飼い主の方が多いです。
角膜の白い部分から細胞を採取し、白血球の中の“好酸球”と呼ばれる細胞が見つかれば好酸球増殖性角結膜炎と診断されます。

治療法

この病気は他の結膜炎と治療法が大きく異なります。
ステロイドや免疫抑制剤の入った点眼薬が治療の主体になり、補助的に角膜を保護する点眼薬や抗菌薬の点眼などを使用します。

治るまでの治療期間

好酸球増殖性角結膜炎は慢性化しやすく、治療期間は数ヵ月以上の長期に及ぶことが多いです。
初期治療で上手くコントロールできてもその後しばらくは再発に注意する必要があり、また治療を止めてしまうとぶり返してしまうケースでは完全に目薬を休薬できないことがあります。

治療費用の目安

好酸球増殖性角結膜炎は治療開始後に3〜4種類以上の点眼薬を必要とすることも多い上に、炎症を抑える目薬の中でも“シクロスポリン”という成分が入っている眼軟膏の場合は1本5000円前後と高額になります。
前述の通り、この病気は初期治療によって完治することもありますが、長期的に治療の必要がある病気なので総額としては一番コストが高い結膜炎と言えるでしょう。

よくある猫の結膜炎についての疑問

猫の結膜炎に関して、多くの飼い主の方が抱かれる疑問を5つピックアップして解説します。

猫の結膜炎に人間用の目薬は使えない?

最近は動物用の点眼薬もいくつか販売されていますが、まだまだ十分な種類がそろっているわけではありません。
そのため、人間用の目薬を動物に使用することは多々あるわけですが、動物病院では当然「猫に使っても大丈夫」と分かっている薬剤を選択して使っています。
ですので、飼い主の方が「私が結膜炎のときに処方された薬なら使っても大丈夫だろう」と判断して使用するのは、症状を悪化させる可能性があり非常に危険です。
例えば、感染性結膜炎の猫にアレルギー性結膜炎の飼い主の方が点眼薬を応用すると、症状は悪くなることがあります。
また、飼い主の方が現在使用されている目薬を共有することは、衛生的に問題がありますので絶対にやめましょうね。

○Amazonで買える目薬で結膜炎に使ってもいいものはない?

「猫が結膜炎になっていて目やにをキレイに取りたい」「涙が流れて眼の下の皮膚が汚れているのをキレイにしたい」などのお悩みがある場合は、動物病院で“ワンクリーン 犬猫用 15mL(動物用医薬品)”という目薬を処方されることがあります。

この商品の主成分は殺菌成分である“ホウ酸”です。
Amazonなどでも購入できるようですが動物用医薬品に指定されており、獣医師の指導の元で使用することと記載されていますので、かかりつけの動物病院に確認してから使用するのが良いでしょう。
また、ホウ酸を主成分とした製品で“犬チョコ目薬V”という目薬もありますが、こちらは獣医師の指導の元での使用すること、とは明記されていません。

アレルギー体質の犬猫では使用を制限した方がよいことと、改善がない場合は獣医師の診察を受けることと記載されています。
いずれにしても、このような商品は治療としてではなく、あくまで目やにを拭ったり涙で汚れた皮膚を清潔するためのものと考えたほうがよいでしょう。

猫の結膜炎は他の猫にうつる?

ウイルス性結膜炎、細菌性結膜炎などの感染性結膜炎であれば、同居猫同士での発症は珍しいことではありません。
複数の猫を飼っていて、その中に結膜炎の症状が出ている猫がいるならば、猫同士の接触をさけるために部屋を別にしたり、結膜炎になっている猫を触ったあとはよく手を洗うなどの注意は払っておく必要があります。

猫の結膜炎って完治しないの?

通常の治療で結膜炎が一向に良くならない、治らない場合は原因の見直しが必要なことがあります。
ウイルス性結膜炎を疑って治療をしていたが、実は原因はクラミジア感染だったということもあり得ますので、動物病院に一度相談に行きましょう。
またもし「完治しない」というのが、良くなったと思ったら時々再発を繰り返すということであれば、ヘルペスウイルスによる結膜炎の可能性があります。
ヘルペスウイルスは一度感染すると症状が出ていなくても常にウイルスが体に存在する状態になり(潜伏感染)、ウイルスを完全に体から追い出すことはできません。
そして引っ越しや騒音、新しい同居動物が来たなどのストレスがかかると、突然発症することがあります。
再発でお困りの場合は症状が出たらまた治療を受けて、改善した後は再発予防のためにL-リジンの内服を試してみてもよいでしょう。
動物病院にご相談してみてくださいね。

猫の結膜炎って自然治癒することはある?

成猫の軽度の結膜炎であれば、特に治療しなくてもいつのまにか自然治癒してしまうこともあります。
ただし子猫の結膜炎は重症化しやすいですので、あまり様子を見ずに早めに動物病院を受診するようにしましょう。

さいごに

猫の目の病気で最も多い病気である結膜炎について解説しましたが、疑問は解決されたでしょうか?
最近では都心を中心に、動物病院の中でも特に眼科治療に力を入れている専門病院が増えてきています。
眼の奥の方を詳細に把握するためには特殊な検査器具が必要であったり、手術の際には専用の顕微鏡を使って行ったりします。
もし猫の眼がなかなかよくならない場合は、このような専門病院を受診してみるのも一つの方法だと思います。
また、目薬は冷蔵保存していても開封して1ヵ月が使用期限です。
「一度使っていた目薬を大切に保管しておいてまた症状が出たら使う」ということはできませんので注意して下さいね!

関連記事になります。合わせてご覧ください。

猫の角膜炎の症状や原因や治療方法は?目薬は何がおすすめ?





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