「猫の耳に赤いブツブツとした斑点が…皮膚の病気?」
「毎年夏になると猫の耳に気に赤いブツブツの斑点が出るんだけど、虫刺されかな?」
日頃から目につきやすい猫の耳に赤い斑点が出ていたら、かゆくはないのか、病気じゃないだろうか、と心配になりますよね。
そこで今回は、猫の耳に赤いブツブツとした斑点について解説します。
目次
猫の耳の異変
猫の耳は被毛が少なく、皮膚の異変に気が付きやすい部位です。
猫の耳介(耳たぶ)の外側に赤いブツブツとした斑点が出ている時には、まずはアレルギー性皮膚炎が疑われます。
アレルギー以外にも虫刺されなども起きやすい部位で、かゆみや痛みを伴います。
耳にかゆみや痛みなどの異変を感じると、猫は足で掻いたり、床にこすりつけたりして耳だけでなく周囲の皮膚を傷つけてしまうことになりますので、耳の他に異常はないか注意深くチェックしてあげましょう。
アレルギー性皮膚炎
猫も花粉やハウスダスト、体質に合わない食物などをアレルゲンとしたアレルギー皮膚炎が起こることがあります。
特に外へ行く猫では、アレルゲンや虫の多い草むらに頭から進入するため、接触性アレルギーや蚊やダニ、ノミなどの虫刺されによるアレルギーがよくみられます。
単なる局所的な虫刺されではなく、アレルギー反応が引き起こされるために耳に粟粒性皮膚炎(ぞくりゅうせいひふえん)などの症状が出ます。
粟粒性皮膚炎とは?
耳介の外側にブツブツとした粟粒(あわつぶ)くらいの大きさのかたい発疹が多数みられる皮膚炎です。
激しいかゆみがあるため、掻きむしったり床にこすりつけたりしてしまい、脱毛や皮膚のただれが起こります。
多くの場合アレルギーによるもので、耳や鼻の頭にできるものは蚊などの虫刺されによるアレルギー反応と考えられます。
どのような物に対するアレルギーがあるの?
蚊
人間と同じように、猫も蚊に刺されます。
蚊に刺され、吸血されている際に体内に入った蚊の唾液成分に対してアレルギー反応を示すことがあり、耳介や鼻の頭に赤いブツブツとした発疹がみられます。
蚊がアレルゲンである場合、蚊の発生が多い夏期に症状がみられ、秋から冬になる頃には自然と治っているということもあります。
ノミ
ノミアレルギー性皮膚炎は、ノミの唾液中のタンパク質などにアレルギー反応を起こすことが原因で発症するアレルギー性皮膚炎で主に首や背中、お尻などに赤い発疹(ブツブツ)や脱毛がみられ、かゆみの強い病気です。
かゆみのため、患部をしきりにかいたりなめたりし、かゆみが激しいときには皮膚をかきむしって、出血が見られることもあります。
食べ物
食物中のタンパク質に対してアレルギー反応を示し、主な原因としては牛肉、鶏卵、小麦、トウモロコシ、大豆、魚肉などがありますが、猫によっては他の食物もアレルゲンとなることがあります。
症状は様々で、かゆみを伴う皮膚炎が耳、目や口の周囲、背中、お腹、四肢に認められます。
診断のためには皮内反応や抗体検査などのアレルギー試験や、除去食試験などが行われます。
接触したもの
なんらかの物質が皮膚に接触して浸透し、皮膚の免疫細胞を刺激することによる皮膚炎を接触性皮膚炎といい、原因物質に触れた皮膚が赤く腫れます。
植物や敷物、プラスチック、ゴム、皮革製品、金属、コンクリート、洗剤、脱臭剤、除草剤などの薬品、駆虫薬など非常に多くの原因物質が考えられるために確定診断はなかなか難しく、猫の病歴や症状、他の皮膚病でないかどうか、飼育環境、パッチテストなどを考慮して診断します。
アレルギー性皮膚炎の予防・治療
アレルギー性皮膚炎になった場合、どのような治療をするのでしょうか。
また、予防するためにはどのようなことに気を付ければいいのでしょうか。
治療
アレルギー性皮膚炎の治療は、ステロイド剤や抗アレルギー剤などを投与してアレルギー症状を治療することに加え、かゆみがあり掻きむしったことによる細菌性皮膚炎が起こっているときには抗生物質の投与も行います。
また、ノミが原因の場合にはスポットタイプなどのノミの予防・駆除薬を用います。
多頭飼育をしているご家庭では、ノミが見つかっていない猫にも全てノミの予防・駆除薬を投与し、他の猫からノミが感染しないようにしましょう。
食物アレルギーである場合には、原因となるような食材を除去したフード(除去食)や、食物アレルギーの原因となる可能性が少ない、与えたことのないタンパク質を含んだフードなどを与える食事療法を行い、アレルギー症状が出ないようにコントロールします。
予防
猫が生活している環境や食餌にアレルギーの原因がある場合には、猫に触れさせないように、または摂取にしないように環境を整えることが予防のためには最も重要です。
虫の多い草むらなどには近づかせないようにすることも必要となります。
また、ノミが原因である場合には駆除薬を使っても、環境中に潜んでいるノミの卵や幼虫、サナギなどが再び成虫となり猫に寄生するため、ご家庭内の畳やカーペット、布団などをきれいに掃除して、ノミの卵や幼虫、サナギを駆除し、環境を清潔に保つようにしましょう。
アレルギー性皮膚炎以外のもの
アレルギー性皮膚炎以外でも、猫の耳に赤いブツブツとした斑点の様なものが出ることもあります。
ノミ刺咬性皮膚炎
ノミに刺されることによる物理的な刺激による皮膚炎で、耳の周囲、首、背中、尾の付け根などによくみられます。
目の細かいノミ取り櫛で毛をすいて、ノミや黒い砂の様なノミの糞を発見したら、ノミの駆除薬でしっかりと駆虫してあげましょう。
疥癬(かいせん)症
ショウセンコウヒゼンダニというダニが寄生することで発症し、顔面や耳介の皮膚に脱毛や赤い発疹(ブツブツ)ができる病気で、背中や四肢、お腹にまで病変部が広がることもあります。
強いかゆみにより、血がにじむぐらいまで掻きむしってしまい皮膚炎症状が悪化する場合もあります。
治療としては、主にダニ駆除剤の投与を行う他、二次的な細菌感染の予防のため、抗生物質の投与が行われることもあります。
⇒猫の疥癬とは?原因や症状、治療方法は?どんな薬やシャンプーが有効?
日光性皮膚炎
日光性皮膚炎は、白い毛色の猫が紫外線を含む日光に当たり続けると発症するといわれ、長期間紫外線に当たり続け進行すると、扁平上皮癌となることもあります。
症状としては、頭部に出ることが多く、特に耳、目、口の周りに脱毛や赤い斑点がみられ、悪化すると皮膚がただれて黒いかさぶたができたり、潰瘍となったりします。
なかなか治らないかさぶたや、赤い斑点がある場合には、すぐに動物病院を受診しましょう。
この病気は、全身が白い猫だけでなく、耳など部分的に色素が薄い毛色の猫でも注意が必要です。
猫が普段過ごす場所に近い窓に、紫外線をカットしてくれるフィルターなどを貼るなどして予防してあげるといいでしょう。
さいごに
猫の耳に赤いブツブツした斑点を見つけた時には、まずアレルギーやノミなどの寄生を疑いましょう。
ノミやダニはアレルギーの原因になるだけでなく、寄生虫や病気を媒介することもありますので、定期的に駆除・予防しましょう。
猫は、かゆみが強いと、たとえ出血しても一心不乱に掻き続けてしまい、多くの場合、細菌感染を起こしたり、潰瘍化したりなど皮膚炎の症状として悪化してしまいます。
さらに、かゆみによってストレスが溜まると、食欲もなくなり、体力を消耗することにもつながりますので、異変に気付いた時には早めに獣医師に相談して、対処してあげてくださいね。
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