耳の病気

猫の耳ダニの症状や治療方法は?薬や駆除方法について解説

投稿日:2017年4月7日 更新日:

 

「猫が耳をしきりに痒がっているけど、耳の病気にでもなったのかな?」

「猫の耳の中が真っ黒に汚れている!」

「猫が耳を掻きすぎて、皮膚が掻き壊されちゃった・・・」

このような症状が見られる場合、もしかしたらそれは“耳ダニ”が原因かもしれません。

耳ダニは猫の外耳炎の原因で一番多いとされる外部寄生虫で、耳の痒みと大量の耳垢が特徴的な病気です。
耳ダニは非常によく見られる病気ですので、その症状や治療方法・駆除方法、また飼い主の方がよく抱く疑問をピックアップして解説したいと思います。

猫の耳の構造について

外耳道に起こる炎症を外耳炎といい、耳ダニは猫に外耳炎を起こす病気になります。
耳ダニの解説の前に、まず「猫の耳の構造」について簡単にご説明しましょう、

猫の耳の一番外側のヒラヒラした部分を“耳介(じかい)”と言い、ここは軟骨を皮膚で覆ったような構造になっており、耳介の外側には毛が多く内側には目立った毛はありません。
基本的に猫の耳介はピンと立っていて自由に動かすことができますが、スコティッシュフォールド(内側に巻いている)やアメリカンカール(外側に巻いている)などの猫種では軟骨が変形しているため、自力で動かすことができません。
そして、耳の穴を“耳道”といい、ここも周りが軟骨で囲まれています。
猫の耳道はまず垂直に下がって途中で水平方向に折れ曲がり、鼓膜へとつながっていくような、“L字型”をしています。
ここまでを“外耳道”といい、鼓膜の奥には中耳、内耳と呼ばれる部屋に分かれています。
外耳炎になると外耳道に耳垢がたまることが多いのですが、外耳道の奥が通常では確認できないこと、綿棒で奥の耳垢をとろうとしてもその構造上難しいということになります。

猫の耳ダニってどんな病気?

それでは猫の耳ダニとはどんな病気か、原因・症状・診断方法について解説していきます。

原因

“耳ダニ”とは正式には“ミミヒゼンダニ”という寄生虫のことをいい、このダニの寄生によって外耳炎が起こります。
耳ダニは、大きさが0.2〜0.5mm程度の小さなダニで、眼のいい方なら肉眼で動いているのがわかるくらいの大きさです。
耳ダニは外耳道の皮膚表面で耳道表面の垢や組織液などを食べて生活し、増殖しており、感染力が非常に強いです。
特に子猫での発症が多い病気で、猫の外耳炎の原因で一番多いと言われています。
なお、“疥癬(カイセン)”という病気の原因である“ヒゼンダニ”と名前が似ていますが、違うダニなので誤解されないようにお気をつけ下さい。

症状

耳ダニの症状の特徴は、外耳炎による耳の痒みと大量の耳垢にあります。

痒み

耳ダニが動くことによって耳道に刺激が起こったり、ダニが採食すると猫の耳にアレルギー反応が起きるため、痒みが誘発されます。
耳ダニに感染すると耳の中に痒みや違和感が出るため、耳の中を気にするような仕草(頭を振る、耳をよく掻くなど)が見られるようになります。
後肢で耳を掻きすぎて、頭部や頚部の毛が脱毛したり、傷ができることも珍しくありません。

特徴的な耳垢

またミミヒゼンダニが寄生していると茶褐色〜黒色のカサカサした耳垢が大量に発生するのが特徴で、「猫の耳の中に黒い土がたくさん入っている」と動物病院を受診されることがよくあります。

診断方法

耳ダニ症であれば、採取した耳垢を顕微鏡で確認するとミミヒゼンダニの成虫や卵が確認できます。
感染の初期で寄生している虫の数が少ないと、何回か検査をしないと虫体や卵が検出できないこともあります。

耳ダニの駆除の方法とは?

耳ダニの駆除の方法にはどんなものがあるのでしょうか?

耳洗浄

耳垢の中には多くのミミヒゼンダニが潜んでいるため、耳垢をとることは虫体数を減らすことと、環境中に虫体をばらまかないようにするために重要な処置になります。
動物病院ではイヤークリーナーを用いて耳垢を柔らかくして優しく耳垢を取り除くことが多いですが、耳の中の炎症が酷い場合は、耳洗浄がかえって刺激になることもあるため、処置には注意しなくてはいけません。
なお、炎症が重度の場合は、始めは軽く耳垢を取り除くだけにして抗炎症薬の入った点耳薬を使用し、日を改めて炎症が落ち着いた後にイヤークリーナーで洗浄するようにします。

外用駆虫薬

レボリューション

耳ダニ症に対して日本で認可されている唯一の外用薬が「レボリューション(有効成分:セラメクチン)」になります。
レボリューションはスポットオン製剤で、肩甲骨など背部の皮膚に垂らすタイプの薬になります。
1回の投与だけでは完全に駆虫できないことが多く、通常は2〜3回程の投与が必要です。

フロントライン

認可外使用になりますが、レボリューションが発売される前に行っていた治療法の一つにフロントラインを“点耳”するという方法があります。
レボリューションの投与で上手く駆虫できないケースなどで使用されることがありますが、薬剤が鼓膜へどのように影響するのかが検討されていないため、使用には注意が必要です。
なお、フロントラインを通常のように背部に垂らしても耳ダニへの治療効果・予防効果はありませんので、注意してください。

注射駆虫薬

認可外使用になりますが、フィラリアの予防薬としてよく使われる“イベルメクチン”という薬剤は耳ダニ症に対しても効果的で、レボリューションが発売される前にはこの方法での治療が主流であり、レボリューションの効果が得られにくい場合の代替療法でもあります。
注射の場合も外用駆虫薬と同じように、数回程度の摂取が必要です。

耳ダニに関してよくある疑問

飼い猫に耳ダニと思われる症状が見られた時に、多くの飼い主の方が抱かれる疑問を5つピックアップして解説したいと思います。

耳ダニは人間にうつるの?

耳ダニは、宿主を選ばずに様々な動物に感染することができる外部寄生虫で、犬猫だけでなくウサギやフェレットなどの動物に感染することもあります。
このような寄生虫を「宿主特異性が低い」「宿主域が広い」という表現をします。
感染動物に触れる機会の多い動物病院のスタッフにダニによる症状が出た経験はありませんが、まれに人間にも感染することがあるという報告があります。
赤ちゃんやお年寄りがいるおうちでは、できる限り感染している動物に接触することがないようにした方がよいでしょう。
そして、もし飼い主の方の皮膚に気になる症状が見られた場合、すみやかに皮膚科を受診し、「猫を飼っていてミミヒゼンダニに感染していること」を告げるようにしましょう。

市販の薬で耳ダニの駆除に有効なものはない?

現時点で耳ダニの治療薬として猫に使用することができる薬は、動物用医薬品である“レボリューション”だけになりますが、環境中に落ちているダニを駆除するためには、市販されているダニ駆除剤(バルサンなど)を使用するのもよいでしょう。
ダニ駆除剤の使用に抵抗がある方は、猫がよく寝ている寝床を廃棄する、廃棄できないものは可能な限り洗濯する、こまめに掃除機をかけることを心がけることで環境中のダニを減らすようにしましょう。

子猫が耳ダニと診断された。同居猫も治療した方がいい?

耳ダニは感染力の強い寄生虫ですので、猫を多頭飼育している場合には現在感染していない、もしくは症状がないとしても、念のため予防を行った方がいいでしょう。
耳ダニの予防効果がある動物用医薬品はレボリューションになります。
またもし同居猫の耳に耳垢が多いなどの症状がある場合は、動物病院を受診して治療をうけるようにしましょう。
なお、同居している動物に犬がいる場合は、レボリューションには抗フィラリア効果がありますので、“フィラリア予防歴”に注意しなくてはいけません。
犬を飼ってらっしゃる方はご存じかと思いますが、犬に抗フィラリア薬を投与する場合は必ず「フィラリアに感染していないこと」を確認する必要があります。
もししばらく予防を怠っているのであればレボリューションを投与する前に動物病院にて血液検査を受けるようにしましょう。

耳ダニと診断されたら自宅でも耳の洗浄をした方がいい?

猫の耳の状態によっては耳洗浄が刺激になることがありますので、洗浄した方がよいかどうか獣医師に相談するようにしましょう。
また、自宅で耳洗浄をすると猫が頭を振って、イヤークリーナーと一緒に耳垢が散らばります。
そうなると環境中にダニが散ってしまうおそれがありますので、耳洗浄を行う際はお風呂場など水で洗いながせる場所で行うとよいでしょう。

耳ダニにならないためにはどうしたらいいの?

感染動物に接触しないこと、屋外に出ないこと、定期的な予防薬の投与が耳ダニ予防の基本になります。
どうしても屋外に出てしまう猫は、耳ダニだけでなくノミの感染リスクも高いですので、1年を通じてレボリューションを塗布してもよいでしょう。
また拾った子猫を自宅で飼育する際は、一度動物病院を受診し、耳ダニやノミなどの外部寄生虫や消化管内寄生虫がないか検査してもらうといいでしょう。

さいごに

耳ダニ症は猫の外耳炎の原因として日常的によく見られる病気です。
治療すれば必ずよくなる病気ですが、1回だけでは完全に駆虫することは難しく、治療期間に1〜2ヵ月程度要すことがあります。
良くなったからといって途中で治療を止めてしまうと再発する可能性がありますので、耳垢の中にダニやダニの卵が発見されなくなるまで根気強く通院するようにしましょう。
また同居している動物(犬、猫、ウサギなど)がいる場合は、感染が広がらないようにくれぐれもお気をつけ下さい。
余談かもしれませんが、ウサギはレボリューションが安全に使用できることが知られていますが、フロントラインは使用禁忌です。
最近インターネットでこれらの薬剤が簡単に入手できるようになっていますが、認可されていない動物や病気に使用する場合は必ず動物病院に相談するようにしましょうね。

関連記事になります。合わせてご覧ください。

猫の外耳炎の原因や症状や治療方法は?自然治癒はする?薬は何使うの?





愛猫のために知ってほしいこと


「動物病院に連れていきたいけど治療費はどのくらいかかるんだろう?」

「愛猫の病気を治してあげたいけど高額費用を支払う余裕がない…」

という飼い主さんはとても多いです。

動物病院で治療する場合、病気によっては10万円以上かかってしまう場合もあります。

動物病院で治療すれば助かった命は実に多いです。

経済的な問題で愛猫の寿命を縮めないためにも愛猫が元気なうちにペット保険に加入することが大事になります。

でも「ペット保険っていうけど、どういう保険があるの?」という疑問も出てくるかと思います。

ペット保険の加入に迷った場合には、ペット保険の一括資料請求がおすすめです。

複数のペット保険の資料を比較することで「あなたと愛猫にとって一番ベストの保険が分かる」というメリットもあります。

利用は無料です。詳しくはこちらをご覧ください。

>>>ペット保険の一括資料請求を試しに見てみる(無料)<<<






-耳の病気
-, , , , ,

Copyright© 猫の病気対策マニュアル , 2018 AllRights Reserved Powered by AFFINGER4.