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猫が頭を振る、掻くのはなぜ?原因となる病気や治療法を解説

投稿日:2017年4月8日 更新日:

 

「猫がやたらと頭を振っているけど、耳の中に何か入ったのかな?」

「頭が痒いのか、猫が後ろ足で引っ掻いたところから出血している!」

このような猫の行動でお悩みではありませんか?

猫は「痛い」や「痒い」などの感覚を言葉で訴えることができませんので、頭を振る、掻くなどいつもとは違う仕草が見られた場合は、何らかの病気のサインと考えるようにしましょう。
今回は「猫が頭を振る、掻く」場合どんな病気が考えられるのか、またその原因や治療法ついて解説したいと思います。

猫が「頭を振る、掻く」のは病気のサイン!

猫がいつもよりも頻繁に「頭を振る、掻く」といった仕草が見られるなら、それは「頭、特に耳に何らかの違和感を感じている」シグナルと考えられます。
一度猫の耳の中(耳道)や耳介(耳の一番外側)に何か目立った異常がないか確認しましょう。

耳道を見るポイント

耳垢が多い、耳だれを起こしている、変な臭いがする、しこりができているなどの症状はないか見てみましょう。

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耳介を見るポイント

耳介の皮膚が赤い、出血している、かさぶたやふけで皮膚がガサガサしている、しこりのように腫れているなどの症状はないか見てみましょう。
また掻き壊して耳介の後ろにひっかき傷ができていないかも合わせてチェックしてみて下さい。

猫の耳道に起こる病気

猫の耳道に起こる病気には、外耳炎(耳ダニ症、細菌性外耳炎、マラセチア性外耳炎)と腫瘍(鼻咽頭ポリープ、耳垢腺癌)が挙げられます。

外耳炎

外耳炎になると原因は異なっていても耳の中に痒みや違和感が出るため、頭を振る、耳をよく掻くといった症状が見られるようになります。

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耳ダニ症

“耳ダニ”とは正式には“ミミヒゼンダニ”という寄生虫のことをいいます。
このダニの寄生によって外耳炎が引き起こされる病気が耳ダニ症で、特に子猫での発症が多い病気で、猫の外耳炎で一番多い原因と言われています。
この病気の特徴は、茶褐色〜黒色のカサカサした耳垢が大量に発生するというところです。
治療のために、耳洗浄や耳ダニ治療薬である外用駆虫薬(レボリューション)の投与を行います。

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細菌性外耳炎

細菌感染によって起こる外耳炎を“細菌性外耳炎”といい、黄色〜黄緑色のどろっとした耳垢がでることが多く、腐ったような臭いがすることがあります。
猫では細菌性外耳炎が単独で起こるよりも、耳ダニ症や鼻咽頭ポリープなど他の耳道の病気から二次的に引き起こされることが多いです。
治療としては、耳洗浄に合わせて抗菌薬の入った点耳薬、もしくは内服薬の投与を行います。

マラセチア性外耳炎

皮膚表面に常在している“マラセチア”と呼ばれる真菌(酵母菌)、いわゆるカビが異常に増えてしまうことによる外耳炎をマラセチア性外耳炎と言います。
耳の中の湿度が増すシャンプー後、または何らかの原因で免疫力が低下して皮膚のバリア機能がうまく働かなくなると、マラセチアが異常に増殖して外耳炎を引き起こします。
マラセチア性外耳炎は、茶色~茶褐色でベタベタした耳垢が出るところが特徴です。
治療としては、耳洗浄や抗真菌薬の入った点耳薬を投与します。

耳道に発生する腫瘍

猫の耳道にしこりができていると、耳の違和感から頭を振ったり掻いたりするようになります。

鼻咽頭ポリープ

鼻咽頭ポリープとは、猫の中耳や耳管から発生した炎症によるしこりで、外耳道や鼻や鼻咽頭にまでそのしこりが大きくなることによって様々な症状を引き起こします。
若齢の猫での発生が多い病気で、高齢猫の発生は稀とされています。
ポリープが鼻咽頭にある場合は鼻詰まりの症状が強く、一方ポリープが外耳道に広がっている場合は、耳の中に液体や血液が溜まったり、耳垢が多い、耳を掻く、頭を振るなどの外耳炎と似た症状が出ます。
治療にはポリープの切除が必要です。

耳垢腺癌

外耳道には“耳垢腺”とよばれる分泌腺が存在し、それが悪性化したものが耳垢腺癌になります。
耳垢腺癌ができると、始めは外耳炎のような症状が出ますが、進行すると脳まで広がってしまい、神経の症状(てんかん発作、起立困難、顔面神経麻痺など)も表れることがあります。
癌が転移したりや脳へ広がっていなければ、全耳道切除術という外科手術を行います。

猫の耳介に起こる病気

猫の耳介に起こる病気には、皮膚炎・耳血腫・耳介に発生する悪性腫瘍(扁平上皮癌)が挙げられ、これらの病気になると頭を振ったり掻いたりする症状が見られます。

耳介に見られる皮膚炎

疥癬

疥癬(かいせん)とは、“猫小穿孔ヒゼンダニ(ネコショウセンコウヒゼンダニ)”というダニが寄生することによって起こる皮膚病です。
感染初期には耳介や顔面の皮膚に脱毛や赤いぶつぶつとした発疹ができたりフケやカサブタが増えていき、症状が進行すると象のように皮膚が分厚くなってきます。
激しいかゆみを引き起こすことが多く、掻きむしって皮膚から血がでることもあります。
なお、猫だけでなく人間にもうつることがあり注意が必要です。
疥癬の治療には注射駆もしくは外用駆虫薬を使用してダニを殺します。
また補助的にシャンプー療法も行い、フケを洗い流します。

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粟粒性皮膚炎

猫に粟粒(あわつぶ)のような細かく赤い発疹を作る病気を“粟粒性皮膚炎(ぞくりゅうせいひふえん)”と言います。
耳介に粟粒性皮膚炎を起こす原因として、蚊の刺咬症や皮膚糸状菌症が挙げられます。
蚊の刺咬症(しこうしょう)は蚊の唾液に対するアレルギー性皮膚炎で夏に発病し、毛の薄い耳や鼻などに赤いぶつぶつができます。
治療法は、蚊に刺されないように外出を避けること、炎症を抑えるためにステロイド剤を使用します。
皮膚糸状菌症は耳介に病変を作ることが多いですが、足など全身に発症することもありますし、単なる脱毛やフケが増えた程度の病変であることもあります。
治療法は、抗真菌剤の全身投与や抗真菌剤の入ったシャンプー療法が必要ですが、治療には長期を要します(数ヵ月以上)。

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耳血腫

耳血腫とは、耳の中心にある軟骨の周りに血様の液体が貯留することで耳介が腫脹する病気です。
しこりのような固い腫れ方ではなく、耳の一部がプニプニとした触感で分厚くなったような変化をしているならこの病気の可能性があります。
元々外耳炎などの病気があり頻繁に耳を振ったり掻いたりしていると、軟骨を損傷し耳血腫を発症するリスクが高くなると言われていますが、はっきりとした原因が分からないこともあります。
そして耳血腫になると更に耳を気にするようになります。
治療法としては、針で中に貯まった血液を吸引する内科的治療と、軟骨に切れ込みを血液が貯まらないようにする外科的治療の2つがあります。

耳介に発生する悪性腫瘍

猫の耳介には、扁平上皮癌・肥満細胞腫・軟部組織肉腫(線維肉腫など)といった悪性腫瘍ができることがありますが、中でも扁平上皮癌では猫が耳に違和感を感じることが多く、頭を振ったり掻いたりする仕草が見られやすい病気です。

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扁平上皮癌

扁平上皮癌とは、表皮にある角化細胞が腫瘍化した病気で、耳介にできる腫瘍でも発生頻度の高い病気です。
猫の皮膚にできる扁平上皮癌は、長時間の紫外線を浴び続けることが発症原因と言われており、毛が真っ白な猫や一部の毛が白い猫では特にこの病気の発症リスクが高いことが知られています。
扁平上皮癌の初期症状は皮膚の赤みや脱毛といった皮膚炎のような症状で、やがて進行してくると皮膚の一部が出血したりかさぶたができるようになります。
耳介にできた扁平上皮癌の治療の基本は外科手術になります。
残念ながら耳介を残すことはできませんが、聴覚はそのままになります。

さいごに

猫が頻繁に頭を振る、掻くのは、多くの場合何らかの病気が潜んでいます。
猫の頭部、特に耳には様々な病気が発生しやすい部位です。
ここに記載した病気はどれも日常的に見られる病気ばかりですので、猫を飼っていらっしゃる方はぜひ頭に入れておいて下さいね。





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