呼吸器の病気

猫に胸水が溜まる。原因や治療法や費用は?胸水は抜いた方がいいの?

投稿日:2017年6月21日 更新日:

 

「猫が息苦しそうにしていたため、動物病院を受診したところ胸水が溜まっていると言われた・・・なぜ胸水が溜まるの?」

「動物病院で胸水を抜いてもらっているが、すぐに溜まってしまう。抜く以外の治療法はないの?」

猫の胸水について、このようなお悩みはありませんか?
健康な猫で胸水が見られることはありませんので、胸水=何らかの病気に冒されているということになりますが、その原因は実に様々で、治療法はその原因によって異なってきます。
そこで今回は「猫の胸水」にスポットを当てて解説したいと思います。

猫に胸水が貯まる病気にはどんなものがある?

具体的にどんな病気が原因で胸水が溜まるのか、解説していきましょう。

猫伝染性腹膜炎(FIP)

原因

猫伝染性腹膜炎とはコロナウイルスが原因で起こる病気で、純血種の比較的若い猫(1〜3歳)に多く発症します。

症状

この病気を発症すると、全身の血管に炎症を引き起こすため発熱や元気食欲の低下といった症状のほか、脳や脊髄に肉芽腫と呼ばれる病変を形成するためふらついたり(ドライタイプ)、胸水や腹水を貯留させたりします(ウェットタイプ)。
そして胸水や腹水が重度に溜まると呼吸困難の症状も出てきます。

胸水の特徴(量や色など)

FIPで発生する胸水の多くは黄褐色もしくか麦わら色で、粘稠性が高くトロリとしています。
またこの胸水や腹水のウイルス検査を行うとコロナウイルスの遺伝子が検出されることがあります。

治療法

対症療法として炎症を抑えるためのステロイド剤や、抗ウイルス効果を期待してインターフェロンの投与を行いますが、残念ながら有効な治療法はありません。

猫伝染性腹膜炎ってどんな病気?症状や治療法、余命について解説

肥大型心筋症

原因

猫では中高齢になると肥大型心筋症という心臓病を発症することがあり、アメリカンショートヘアー、メインクーン、ラグドールなどでは遺伝的な要素が関連していると言われています。

症状

肥大型心筋症になると心臓の収縮力が弱まりうまく血液が循環しなくなるため、胸水や肺水腫といった病態を引き起こし、呼吸困難に陥ります。
また肥大型心筋症では心臓内に大きな血栓が作られることがあります。
この血栓が大動脈内に流れてしまうと血管に詰まってしまい、足に行く血流が遮断され、足の麻痺や末梢性のチアノーゼ(肉球の色が青紫色)が引き起こされます(大動脈血栓塞栓症)。
大動脈血栓塞栓症の症状としては、非常に強い痛みを伴うため激しく鳴いたり、呼吸が速くなったり、体を触るのを嫌ったりします。
一見すると椎間板ヘルニアと間違いやすい症状ですが、猫での椎間板ヘルニアの発症は極めてまれです。

胸水の特徴(量、色)

肥大型心筋症の胸水は、無色透明の水っぽい液であったり、やや混濁した赤色〜黄色の液体と様々です。
胸水の色や量からは心筋症の可能性を否定することはできないので、胸水の認められる猫には必ず心臓の超音波検査を行う必要があります。

治療法

肥大型心筋症と診断された場合、多くは血管拡張剤などの投薬で心臓の働きをサポートしたり、利尿剤を使用して胸水が溜まらないようにします。
もし胸水だけでなく大動脈血栓症を伴っている場合は、放っておくとどんどん肢の壊死が進んでいくため命に関わります。
発症から6時間以内であれば血栓を溶解する薬や血栓の再発を予防する薬を使い、血流の回復を試みます。

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膿胸

原因

細菌感染が起こることによって、胸腔内に膿が溜まる病気を膿胸と言います。
なぜ膿胸になってしまうのか原因はよくわかっていませんが、パスツレラ菌などの口内細菌が検出されることが多いことから、これらの細菌を吸入することで肺を介して胸腔内へ広がっていると考えられています。

症状

胸水が溜まることによって呼吸困難が引き起こされる他、発熱、元気食欲不振などの症状も認められることがあります。

胸水の特徴(量、色)

白色にやや黄色みがかった混濁した胸水が確認されます。
胸水を顕微鏡で確認すれば、多数の白血球および細菌が認められます。

治療法

膿胸と診断されたら、まず胸腔内にドレーンと呼ばれる管を設置します。
そしてドレーンから定期的に膿を排出したり、胸腔内を洗浄したります。
また、検出された細菌に有効な抗生物質の全身投与(注射や内服)が大切です。

胸腔内腫瘍

原因

猫で胸水を引き起こす腫瘍には、縦隔型リンパ腫、肺原発腫瘍、転移性腫瘍、中皮腫など様々です。

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症状

胸水が溜まることにより、呼吸困難、元気食欲不振の症状はどの腫瘍においても共通しています。
また、肺原発腫瘍であれば、以前より咳がみられたなどの症状が伴うことがあります。

胸水の特徴(量、色)

腫瘍による胸水は、実に様々な性状を示します。
腫瘍によって胸腔内の血管を圧迫している場合は水っぽいタイプの胸水が検出されますし、腫瘍によって強い炎症反応が引き起こされている場合は血のまざったような赤い胸水になることもあります。
また二次感染を引き起こしている場合は、細菌が検出されることもあります。

治療法

原因となる腫瘍によって治療法、予後は大きくことなります。
猫で最も多い腫瘍の一つであるリンパ腫の場合は、化学療法(いわゆる抗癌剤)が適用になります。
猫で認められる肺原発腫瘍の多くは、多発性であり、外科手術の適用にならないことがあるため、補助的な化学療法を行うことがあります。
またどこか他の臓器から転移してできた胸腔内腫瘍なのであれば、積極的な抗癌治療よりは、胸腔内ドレーンを設置するなどすることで、症状を緩和する治療に重きを置くことになるでしょう。

猫の胸水について。よくある疑問

「猫に胸水がたまっている」と診断された場合、飼い主の方の多くが抱かれる疑問をピックアップして解説します。

胸水だけでなく、腹水も溜まる。どんな病気が原因?

猫の年齢が比較的若いのであれば、まず疑うべきは猫伝染性腹膜炎で、そして高齢なのであれば腫瘍性疾患(とくに転移しやすい腫瘍)になります。
もちろん、比較的若い猫なのに腫瘍になっていたということは十分ありえます。
どんな病気もそうですが、一つの検査で「ハイ、この病気です」と診断されるものではなく、いくつかの検査を組み合わせて総合的に判断する必要があります。

利尿剤を使っているのに胸水が溜まってしまう。完治しないのはなぜ?

利尿剤が効果的であるのは、肥大型心筋症などの心疾患の場合と限定的です。
その他の病気に関しては、利尿剤の投与では胸水を多少減らすことはできても、時間がたてばまたすぐに溜まってしまいます。
胸水の原因が特定しないことには、利尿剤を使用しても胸水を抜き続けても、残念ながら胸水貯留は避けられないでしょう。

胸水を抜くにはどのくらいの費用がかかるの?

平成27年に日本獣医師会が調査した「診療料金実態調査」には、残念ながら胸水抜去費用については記載されていません。
「単に針で水を抜く処置」と思われるかもしれませんが、胸水を抜くためには超音波検査が必要になるため、1回あたり5000円程度はかかるものとお考えいただいた方がいいでしょう。
なお、動物病院は自由診療のため、各病院によって診療料金の設定が異なります。
詳細の金額を把握しておきたい方は、治療を受ける動物病院にご相談いただくようにして下さいね。

さいごに

胸水が溜まる病気の診断は、決して単純ではありません。
血液検査、超音波検査(腹部と心臓)、レントゲン検査、胸水検査(ウイルス検査や細胞診、細菌培養検査)など様々な項目を組み合わせて行います。
場合によっては、CT検査など高度な精密検査が必要なケースもあります。
ただ、診断ができないことには治療もできないわけで、「とにかく苦しくないようにして欲しい、胸水がたまらないようにして欲しい」という飼い主様のご希望に添うためにはどうしてもこのような検査を行わなければならない、ということをご承知下さい。





愛猫のために知ってほしいこと


「動物病院に連れていきたいけど治療費はどのくらいかかるんだろう?」

「愛猫の病気を治してあげたいけど高額費用を支払う余裕がない…」

という飼い主さんはとても多いです。

動物病院で治療する場合、病気によっては10万円以上かかってしまう場合もあります。

動物病院で治療すれば助かった命は実に多いです。

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