消化器の病気

猫のコクシジウム症の症状や原因や治療薬は?費用はどのくらいかかる?

投稿日:2017年7月25日 更新日:

 

「猫のコクシジウム症って、どんな病気だろう?人間にもうつる?」

「子猫の下痢が続いているけど原因は何?もしかしてコクシジウム症?」

「猫のコクシジウム症は完治するのかな?」

子猫を飼い始めた際に、下痢がなかなか治らずに動物病院を受診すると、コクシジウム症と診断されたということも少なくありません。

今回は、猫のコクシジウム症について、その原因や症状、治療薬について解説します。

コクシジウム症とは?

コクシジウム症とは内部寄生虫症の一つで、原虫類の一種であるコクシジウム類に属する原虫の感染によって引き起こされ、下痢をしている子猫において診断されることの多い病気です。
原虫とは他の動物に寄生し、病原性のある単細胞生物のことです。
寄生虫というと、白くて細長いミミズのような虫が便と一緒に出てくるのを想像されるかもしれませんが、原虫はとても小さく顕微鏡でないと見えません。

コクシジウムのライフサイクル

コクシジウムなどの原虫は、独特で複雑なライフサイクルを持っています。
コクシジウムの未熟な状態を「スポロシスト」といい、内部に胞子を持っています。
さらにその内部に「スポロゾイト」と呼ばれる動物に感染する細胞を含んでいます。
スポロゾイトは動物の体内に入り小腸に達すると、小腸上皮の細胞内に侵入して増殖、分裂して「オーシスト」と呼ばれる卵の様なものを糞便中に排出します。
外界に出たオーシストは気温などの影響を受けて数日後にスポロシストに成長し、これに汚染された毛を舐めたり、食べ物や水などを摂取して、再び糞便中にオーシストを排出するというライフサイクルを繰り返します。

猫のコクシジウムの原因

コクシジウムにはイソスポラ属とアイメリア属の2属に分類されますが、猫のコクシジウム症の原因となるコクシジウムは、主にイソスポラ属(Isospora felis、Isospora rivoltaなど)です。

感染経路

コクシジウムの感染経路のほとんどは経口感染です。
感染している猫の糞便中のオーシストが口に入る、飼い主の手を介するなどのルートでオーシストに汚染された食べ物を食べる、コクシジウムに感染したネズミなどのげっ歯類を食べるというような経路で感染することが多いでしょう。
実際には、掃除が行き届いていなかったり、多頭飼育でしっかり管理できていないような不衛生な環境で感染し、飼い始めてから環境の変化によるストレスで免疫力が低下すると、コクシジウムが一気に増殖し、症状をあらわすというケースも多くあります。
症状が出ていない猫でもオーシストを排出しますので、注意が必要です。

人間や犬にもうつる?

人間に感染するコクシジウムはIsospora homonisやIsospora belliの2種で、犬ではIsospora canis、Isospora ohioensisなどが感染します。
イソスポラは人間、犬、猫、豚などの哺乳動物に寄生しますが、種類によって寄生する動物(宿主)が異なる“宿主特異性”が高く、相互に感染することはありません。

猫のコクシジウム症の症状

コクシジウム症は、健康な猫が感染しても発症することはまれで、子猫やストレスなどにより免疫力が低い状態で感染した場合に症状をあらわす“日和見感染症”の一つです。

消化器症状

コクシジウムは腸管に寄生するため、主な症状は消化器症状です。
潜伏期間は6~10日ほどで、発症すると嘔吐や泥状および水様下痢便がみられます。
小腸粘膜細胞の中に侵入して増殖し、組織を破壊するため、重症例では血便がみられることもあります。

脱水、衰弱

長期にわたって下痢が続くと、脱水症状がみられ衰弱します。
元々体力のない子猫では、命を落とすこともあります。

食欲不振、微熱

元気がなくなり、微熱や食欲不振などがみられます。
栄養不良により子猫の成長障害を引き起こし、重症化すると死亡してしまうこともあります。

猫のコクシジウムの診断

猫のコクシジウム症はどのように診断されるのでしょうか。

糞便検査

浮遊法と呼ばれる糞便検査によって、オーシストを検出することで診断されます。
しかし、一回の糞便検査ではオーシストが検出されないこともあり、数回の糞便検査によってようやくコクシジウム症と確定診断されることもよくあります。

猫のコクシジウムの治療

猫のコクシジウム症の治療はサルファ剤が効果的で、併せて抗生物質の投与や脱水の補正など全身症状の改善が行われます。

サルファ剤

サルファ剤は薬理学上は抗菌剤に分類されますが、コクシジウム虫体に浸透しライフサイクルを阻害することから、コクシジウム症の治療に使われています。
スルファモノメトキシンやスルファジメトキシンなどが処方されます。
なお、多くの動物病院で処方されていた“アプシード”というシロップ薬は、2015年10月に販売中止となっています。

抗生物質

ジアルジアという原虫に有効とされるメトロニダゾールがコクシジウムにも有効であるとして、処方されることもあります。

猫に錠剤を飲ませられないときは?

コクシジウム症と診断され、「さぁ、あとは薬を飲ませるだけ!」という段階で、多くの飼い主さんが頭を悩ませるのは「どうやって薬を飲ませよう…」ということかと思います。
コクシジウム症の治療に投薬は必要不可欠ですが、2~3週間投薬することもあるため、獣医師に投薬のコツを教えてもらっても自宅じゃなかなかできないという場合には、シロップ薬にできないかどうか相談してみましょう。

最近よく聞く「バイコックス」って?

「バイコックス」は製品名で、トリトラズリルという成分の液状の薬です。
犬猫用に認可された薬はなく、牛豚用として認可された薬ですので、適応外での使用になりますが、犬や猫のコクシジウム症に処方する動物病院も増えてきました。
以前よく処方されていたアプシードに比べると、コクシジウムの駆除効果は高いと言われていて、1~3回程の投与でコクシジウムを駆除することができます。

副作用について

元々、牛豚用ですので、猫や犬に投与した場合の副作用については、症例が少なくわかっていないこともあります。
欧州などでは犬猫にも使われていて、副作用はほとんどないとされていますが、どのような薬でも肝臓や腎臓などに多少の負担をかけますので、猫の体調や尿や便の状態はきちんと確認しましょう。
また、妊娠している猫では、お腹の子猫にどのような影響が出るかはまだ不明であるため、避けた方がいいでしょう。
使用の際には、必ずかかりつけの獣医師に相談の上で投与しましょう。

完治までの治療期間

コクシジウム症は、なかなか完治しない厄介な病気です。
治療直前に感染したコクシジウムが、オーシストを排泄しなくなるまでには3週間ほどかかります。
治療中であっても、環境中にコクシジウムのオーシストが残っていれば再感染してしまうので、投薬して定期的に糞便検査を行いオーシストの有無を確認します。
多頭飼育であればなおさら環境中のオーシストを根絶することが難しく、完治までには長く続くことも多いでしょう。

コクシジウム症の予防、対策

コクシジウム症にならないために、どのような予防ができるのでしょうか。
また、すでにコクシジウム症になってしまった時には、どのような対策を取ればいいのでしょうか。

生活環境を清潔に

コクシジウムに限ったことではありませんが、猫の生活環境を清潔に保つことはその他の寄生虫や細菌、ウイルスの繁殖を抑えることにつながります。
また、コクシジウム症の猫では免疫力も体力も落ちていますので、他の病気を併発しやすくなっています。
寝床やトイレを清潔にして、ストレスのかからない生活環境を整えてあげましょう。
感染した猫の糞便に排泄されるオーシストは、糞便中に出た直後には感染力を持たないので、糞便をすぐに片づけるように徹底することで、他の猫への感染を予防できます。

消毒

コクシジウムのオーシストはアルコールや塩素などの消毒薬では死滅しないため、汚染された可能性のあるものは処分するか、熱湯消毒をしましょう。
高温のスチームが出るスチームモップなどで、床を洗浄するのもいいでしょう。
猫用トイレを排便後に毎回熱湯消毒するのは大変かと思いますので、トイレ全体をペットシーツやビニールなどで覆って、糞便後は猫砂ごと処分しましょう。

感染した猫の隔離

多頭飼育の場合、1頭がコクシジウムに感染すると、同居するすべての猫にも感染する可能性が高くなります。
感染した猫は他の猫と接触しないように、部屋を分けて隔離しましょう。
また、食器やタオルなども共有せず、感染猫に触れた後にはしっかりと手洗いしてから他の猫の世話やごはんの用意をしてください。

完全室内飼育にする

外に出る猫は、コクシジウムに感染した猫との接触や、感染したネズミなどを食べてしまう危険性があります。
完全に室内のみで飼育することで、コクシジウム感染のリスクは回避できます。

治療費用はどのくらい?

治療にかかる費用については、動物病院によって非常に幅がありますので、必ず受診した動物病院に確認してください。
あくまでも目安ですが、1回1000~2000円ほどの糞便検査を行い、コクシジウム症と診断された場合、薬の種類や数、投薬回数にもよりますが、1週間で2000~3000円ほどかかるでしょう。
脱水や衰弱が激しい場合には、2000~5000円ほどの点滴をすることもあります。

さいごに

猫のコクシジウム症は駆虫しても再発を繰り返し、なかなか完治しない厄介な病気です。
猫を飼い始める時には、必ず糞便検査を含めた健康診断をすることをおすすめします。
結果が出るまでは、先住猫とは隔離した方がいいでしょう。
長引く子猫の下痢は、命を落とすことも多いパルボウイルス感染症の可能性もありますので、早めに動物病院を受診してください。

猫のパルボウイルス感染症(汎白血球減少症)とは?症状や治療法を解説





愛猫のために知ってほしいこと


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