皮膚の病気

猫の好酸球性肉芽腫症候群ってどんな病気?症状、原因、治療法について解説

投稿日:2017年7月25日 更新日:

 

「猫の好酸球性肉芽腫症候群…なんだか難しい病名だけど、どんな病気?」

「猫の体に潰瘍の様なものができて痛々しい。原因はなんだろう?」

「猫の口に何かできているみたい。ごはんが食べづらそう。治療できるのかな?」

“猫の好酸球性肉芽腫症候群(こうさんきゅうせいにくがしゅしょうこうぐん)”という病気を、初めて耳にするという方も多いのではないでしょうか。

“猫の肉芽腫”と呼ばれていることもあるこの病気は、猫特有の皮膚の病気です。
今回はそんな猫の好酸球性肉芽腫症候群の原因や症状、治療法について解説します。

好酸球性肉芽腫症候群とは?

好酸球性肉芽腫症候群は、猫に特有の皮膚病の一種で、口唇や全身に肉芽腫や潰瘍ができる病気です。
病変部に“好酸球”という細胞が多くみられる“肉芽腫”ができることから、このように呼ばれています。
あまり聞き慣れない言葉がいくつか出てきたと思いますので、それぞれ説明します。

好酸球とは?

血液の中には赤血球、白血球、血小板などと呼ばれる成分が含まれていますが、好酸球というのは白血球の一種です。
白血球は、侵入する病原体や異物から身体を守る働きをしています。
白血球には「好中球」「好酸球」「好塩基球」「リンパ球」「単球」という5つの種類があり、最も多い好中球は体内に侵入した細菌を攻撃し処理しています。
好酸球は寄生虫を攻撃するという役割もありますが、好酸球と好塩基球はアレルギー反応に関与していて、好塩基球がアレルギーを起こし、好酸球がアレルギーを抑制する役割を担っていると考えられています。
つまり、好酸球はアレルギー反応が起きている組織に多く存在するということになります。

肉芽腫とは?

皮膚が炎症を起こして傷ついた時、欠損した皮膚を埋めようとします。
線維芽細胞が集まり、そこからコラーゲンを産生し、それに支えられるように毛細血管が発達し、酸素や栄養を供給してさらにコラーゲンを産生させます。
こうしてできた組織を「肉芽組織」といい、次第に瘢痕化して正常な皮膚組織が再生されます。
しかし、なんらかの刺激によって無秩序に肉芽組織がピンク~赤色に不規則に盛り上がり、腫瘤(しゅりゅう)になったものを「肉芽腫」といいます。
つまり、腫瘍とは異なります。

好酸球性肉芽腫症候群の原因

好酸球性肉芽腫症候群のはっきりした原因はよくわかっていません。
しかし、病変部に好酸球が多くみられること、季節性があることからアレルギーが関与していると考えられています。
また、ノミや蚊に刺されたことによる過敏症や自己免疫系疾患、ウイルスや細菌、寄生虫の感染、遺伝的要因などの関与も疑われています。
さらに、ストレスによって猫の免疫力が低下すると、好酸球性肉芽腫症候群が発症しやすくなると言われています。
猫白血病ウイルス感染症や猫エイズウイルス感染症などを患っている猫も、免疫力が低下しているために発症しやすくなるとされています。

好酸球性肉芽腫症候群の症状

猫の好酸球性肉芽腫症候群には、病態によって「無痛性潰瘍」・「好酸球性プラーク」・「好酸球性肉芽腫」の3つのタイプに分類されています。

無痛性潰瘍

無痛性潰瘍は、主に上唇みられ、赤褐色の硬い潰瘍ができます。
病変部は赤く盛り上がって、その中心部は白っぽく壊死してへこんでいることが多く、出血することがあります。
下唇や口の中の粘膜に発生することもあります。
“無痛性”潰瘍という名前が付いていますが、実際には痛みやかゆみを感じているケースが多く、猫がザラザラの舌で舐めたり、こすったりすることで潰瘍が悪化することもあります。
メス猫での発生が多いとされています。

好酸球性プラーク(好酸球性局面)

好酸球性プラークは、主に首、わきの下、お腹、内股、尾の下、指の間に皮膚が赤くなる紅斑や潰瘍、脱毛などの病変がみられます。
脱毛と潰瘍を伴う境界線が明瞭であることから、「好酸球性局面」とも呼ばれています。
強いかゆみを伴うため猫が舐めてしまい、病変周囲が脱毛し、さらに皮膚が深部まで傷ついてびらんや潰瘍になっていることが多くあります。
好発年齢は2~6歳と言われています。

好酸球性肉芽腫

好酸球性肉芽腫は、潰瘍が直線状にあらわれるのが特徴です。
主にお腹の横側、前足の外側、後ろ足(太もも)の後ろ側などに線状に肉芽腫ができるタイプでは紅斑と脱毛、フケなどがみられます。
特に太ももの後ろ側にできた肉芽腫は、「線状肉芽腫」とも呼ばれています。
また、口の中、下、あご先、口蓋(上あご)に肉芽腫ができるタイプもあります。
痛みやかゆみを伴うことはほとんどないと言われていますが、口の中に好酸球性肉芽腫ができると、ごはんを食べづらくなったり、水が上手に飲めなくなり、食欲不振や脱水などの症状があらわれることがあります。
好発年齢は生後半年~1歳頃と言われています。

好酸球性肉芽腫症候群の診断

猫の症状から好酸球性肉芽腫症候群が疑われたら、病変である肉芽腫を詳しく調べます。
症状の出ている皮膚を少し削り取るように採取して、顕微鏡で調べる皮膚の「掻爬(そうは)検査」や、症状の出ている部分にスライドグラスを押し付けて組織を採取し顕微鏡で調べる「皮膚スタンプ検査」を行い、好酸球が多くみられるかどうかを判断します。
さらに、皮膚の真菌(カビ)症との鑑別のために真菌培養を行ったり、血液検査によって白血球のうち好酸球が増えていないかどうかを確認することがあります。
ただし、根本原因であると考えられるアレルゲンを特定するには、さらに詳しい血液検査などが必要になりますが、なかなか特定できない場合も多くあります。

好酸球性肉芽腫症候群の治療

前述のとおり、好酸球性肉芽腫症候群の原因がはっきりとわかっていないため、有効な治療法もはっきりとはしていません。
好酸球性肉芽腫症候群にアレルギーの関与が疑われる場合は、アレルギーの原因と思われる食べ物や物を除去します。
また、対症療法としてアレルギー反応を抑制するステロイド剤や免疫抑制剤の投与を行います。
肉芽腫が大きく、食欲不振の原因となっていたり、生活する上で影響を及ぼす場合にはレーザー療法、外科手術などで取り除くこともあります。
皮膚炎に対する治療としてステロイド剤や抗生物質、寄生虫が原因の場合は駆虫薬を投与する場合もあります。

好酸球性肉芽腫症候群の予防

残念ながら、原因がよくわかっていないため、有効な予防策はありません。
ストレスや栄養不良などで免疫力が下がってしまったりすることのないように気を付けたり、アレルゲンと考えられるものをできる限り避けてあげましょう。
こまめに掃除をするなど環境の衛生管理を心がけたり、ノミやダニの予防をすることもアレルギーを防ぐためには有効です。
また、早期発見により悪化する前に治療を開始して、猫の苦痛を軽減することができますので、猫の体に潰瘍やしこり、出血、脱毛、かゆみ、痛み、フケなどがみられる、ごはんを食べづらそうにしているなどの症状がみられた場合には、好酸球性肉芽腫症候群の可能性も考え、早めに動物病院を受診するようにしましょう。

さいごに

好酸球性肉芽腫症候群は、まだまだわかっていないことが多く治療も対症療法が中心となるため、治療が長引くことも多い病気です。
直接命に関わるような病気ではありませんが、痛みやかゆみにより猫にかなりのストレスがかかりますし、口の中やその周辺に発症した場合には食欲にも関わりますので、衰弱してしまうこともあります。
猫の皮膚に異変を感じた場合には、早めに動物病院に連れて行ってあげてくださいね。

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獣医師解説。猫の皮膚炎とは?原因や症状や治療法を解説





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