生殖器の病気

猫の子宮蓄膿症とは?原因、症状、治療方法、手術費用など詳しく解説

投稿日:2017年7月25日 更新日:

 

「猫のおしりの周りが汚れている!陰部から膿が出ているみたいだけど、一体何が起こっているの?」

「避妊手術をしていない猫には子宮蓄膿症のリスクもあると聞いたけど、どんな病気なの?」

「猫の子宮蓄膿症を治療するには、手術するしかないの?どんな手術?」

猫が子宮蓄膿症になることは少ないと言われていますが、子宮蓄膿症が疑われる症状がみられた時にはとても不安になりますよね。

そこで今回は、猫の子宮蓄膿症の原因や症状、治療まで詳しく解説します。

子宮蓄膿症とは?

細菌が子宮に侵入して感染し、子宮内部に膿が溜まる病気です。
避妊手術(子宮卵巣摘出手術)を受けていない中~高齢のメス猫でみられます。

メス猫の生殖器

メス猫の生殖器は、卵巣と子宮、膣があります。
猫の子宮はY字型をしていて、ふたまたに分かれた部分を「子宮角」と呼び、その左右の先端に卵巣があり、卵子を受け取っています。
また、子宮のふたまたよりも下の部分を「子宮体」といい、外界に近い膣に向かってくびれた部分を「子宮頚」といいます。

子宮蓄膿症の原因

通常、メス猫の子宮頚は閉じていて、細菌が侵入することはありませんが、発情期や出産時には子宮頚がゆるむために細菌が侵入しやすくなります。
また、子宮内の粘膜(子宮内膜)にもバリア機能はありますが、発情周期にともなって卵巣が黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌する時期には、オス猫の精子を受け入れるために免疫機能も落ちてしまい、細菌が侵入しやすくなります。
発情終了後や分娩後に再び子宮頚管が閉じると、子宮内で細菌が増殖し膿が溜まります。
ただし、猫は犬と異なり、交尾してから排卵する動物ですので、排卵後に分泌される黄体ホルモンが分泌される機会が少なく、犬よりは子宮蓄膿症のリスクは低いと言われています。

子宮蓄膿症の症状

子宮蓄膿症になると、どのような症状がみられるのでしょうか。

多飲多尿

尿量を調整する抗利尿ホルモンが抑制されるために、尿の量が増え、水をいつもよりたくさん飲むようになります。

元気、食欲の低下

全身を細菌から出る毒素が巡り、元気がなくなり、食欲がなくなります。
嘔吐や発熱がみられることも少なくありません。

外陰部から膿の排出

発情中であれば、子宮頚が開いているため、外陰部から膿が出ます。
時には血の混じった悪臭のする膿が、猫のおしりや陰部の周り、後ろ足に付着していることもあります。

お腹が膨れる

子宮内に膿が溜まって、子宮が膨らむためお腹が膨らむことがありますが、膿の量が少なかったり、外陰部から膿が排出されている時には目立たないケースもあります。

腎不全、ショック状態

細菌から出る毒素(エンドトキシン)によって腎臓が障害されたり、ショック状態(エンドトキシンショック)が引き起こされることがあります。

腹膜炎

子宮内の膿が多量に溜まり子宮が破裂すると、膿や細菌がお腹にばらまかれ、腹膜炎を起こし、命に関わる事態に陥ります。

子宮蓄膿症の診断

臨床症状により、子宮蓄膿症が疑われたら、超音波検査、X線検査、血液検査などを行います。
超音波検査やX線検査などの画像診断によって、子宮の大きさを確認します。
また、血液検査では白血球などで炎症反応の程度や全身の状態、特に腎臓の状態を確認し、合併症はないかどうかを確認します。

子宮蓄膿症の治療

猫が子宮蓄膿症であると診断された際には、どのような治療が行われるのでしょうか。

手術

子宮蓄膿症の治療の第一選択は、卵巣と子宮を取り出す子宮卵巣摘出術です。
子宮蓄膿症と診断されたら、一日でも早く手術をすることが重要です。

手術方法

手術の手順としては、まず全身麻酔をかけ、お腹の毛を剃り、その後切開して膿の溜まった子宮と卵巣を摘出します。
摘出後は、腹腔内を生理食塩水で洗浄し、十分に止血を確認して、お腹を縫合します。
1週間ほど経過して縫合した傷口が安定しているのを確認してから、抜糸を行います。

抗生物質の投与

どうしても麻酔がかけられない状態であるなどの理由で外科手術ができない場合には、抗生物質やホルモン剤などの薬による内科療法を行いますが、症状の改善までに時間を要したり、再発することが多く完治には至らず、状態が悪化することもあります。

腎不全、ショック状態の治療

急性腎不全やショック状態に陥っている時には、手術前に状態を安定させるために補液や抗生物質の投与を行います。

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猫の子宮蓄膿症に関する質問

猫が子宮蓄膿症と診断された時に、よくいただく質問をご紹介します。

子宮蓄膿症は自然治癒する?

自然治癒する可能性は極めて低いでしょう。
子宮蓄膿症の治療は一刻を争うケースがほとんどで、自然に治ることを待っている間に、全身に毒素が巡る、あるいは子宮破裂による腹膜炎によって命を落とすリスクが高いです。
子宮蓄膿症の兆候に気が付いた場合には、すぐに動物病院を受診してください。

子宮蓄膿症の手術リスクは?

術式としては、通常の避妊手術と変わりませんが、子宮が腫れていたり、肥満した猫の場合にはお腹の脂肪が術野の妨げになることもあることから、大き目に切開するケースも多いでしょう。
手術を行う際に必要となる全身麻酔には、健康な猫であってもリスクは伴います。
特に高齢、肥満、腎不全、肝不全などの状態では麻酔リスクは高くなりますので、これらが合併症としてみられる子宮蓄膿症の猫ではリスクは高いと言えます。
しかし、子宮蓄膿症の完治には手術が必須となりますので、術前の検査で猫の状態を十分に把握したうえで、全身麻酔をかけられるかどうかを判断します。

手術費用はどのくらい?

診療の費用は動物病院によって異なりますので、必ず受診した動物病院に確認してください。
日本獣医師会が全国の動物病院に行ったアンケートによると、子宮蓄膿症の手術費用は数万円から数十万円とかなり幅がありますが5万円前後の病院が多いようです。
ただし、この金額に入院、点滴、術前検査などの費用が含まれているかどうかも動物病院によって異なります。

入院は必要?

子宮蓄膿症を診断されると、入院の上でまずは抗生物質などの補液療法が開始されるケースがほとんどでしょう。
その後、猫の状態によって手術が行われ、傷口と腎臓などの状態が安定するまで数日から数週間程度の入院となります。

手術後、気を付けることは?

抜糸や腎機能など全身状態の確認をするために、退院後も何度か通院が必要となります。
傷口が開かないようにエリザベスカラーなどを装着し、気を付けましょう。
当然のことですが、雌性ホルモンを分泌する卵巣を摘出する避妊手術をした後と同様に、妊娠、出産はできなくなります。
また、運動量や消費カロリーが減り、ホルモンバランスも変化しますので、手術前よりも肥満になりやすくなります。
手術前と同じ量、カロリーの食事を与えていると太ってしまいますので、給与量を見直したり、低カロリーのフードに変更したりする必要があります。
また、発情期がなくなるのでストレスがなくなる一方で運動量や基礎代謝量も減りがちですので、積極的に運動できるような工夫も必要です。

さいごに

どんな病気でもそうですが、子宮蓄膿症についても早く気が付いてあげることで、猫の負担も減りますし、全身の状態が悪化する前に手術すれば治る可能性が高くなります。
日頃から猫の様子をきちんとチェックしてあげてくださいね。
また、子宮蓄膿症は、避妊手術することで予防できる病気です。
避妊手術の中には、雌性ホルモンが分泌される卵巣のみを摘出する方法もありますが、その場合には子宮は残っていますので、子宮蓄膿症を完全に予防することにはなりません。
避妊手術を受ける場合には、どのような手術か事前に確認しておくといいでしょう。

関連記事になります。合わせてご覧ください。

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