心臓と血管の病気

猫も高血圧に注意!原因や症状、治療法は?薬は何使うの?

投稿日:2017年9月5日 更新日:

 

「猫も高血圧になるの?原因はなんだろう?」

「高血圧になった猫はどんな症状が出るのかな?」

「猫の高血圧はどんな治療をするんだろう?薬も使うのかな?」

猫も常に血圧を調節、維持しながら生きていますので、高血圧または低血圧となることもあります。

今回は猫の高血圧について、原因や症状、治療について解説します。

猫の血圧って?

血圧は心拍出量と末梢の血管の抵抗によって決まります。
心拍数または血液量の増加によって心拍出量が増えた状態、末梢血管の抵抗が亢進した状態で血圧は上昇します。
通常、動脈血圧は自律神経系、内分泌系、腎臓による血液量の調節などの作用によって、ほぼ一定の範囲内に維持されています。

血圧調節の内分泌系メカニズム

体内の血圧や体液量、ナトリウム濃度を調節するために「レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系」と呼ばれる機構があります。
腎臓の傍糸球体細胞が血圧低下を感知すると、「レニン」と呼ばれる酵素を分泌します。
レニンは肝臓で作られた「アンギオテンシノーゲン」を「アンギオテンシンⅠ」に変換し、これが「アンギオテンシン変換酵素」によって「アンギオテンシンⅡ」に変換されます。
アンギオテンシンⅡは血管収縮作用や副腎におけるアルドステロン分泌促進作用があり、血圧上昇やナトリウム再吸収を促進します。

高血圧とは?

高血圧とは全身の血圧が上昇している状態で、興奮やストレス、老齢に伴う生理的な高血圧もありますが、病的な高血圧は、本態性(一時性)のものと腎不全などの病気に関連する二次性高血圧に分類されます。

血圧の数値は?

健康な猫の血圧は、カフと呼ばれるバンドを巻いて計測するオシロメトリック法という方法で計測した場合、平均は収縮期血圧104mmHg、拡張期血圧73mmHgであったとのデータがあります。
測定の方法によって異なりますが、数回測定していわゆる“上の血圧”である収縮期血圧が150mmHgを超えた場合、高血圧症と診断します。

猫の高血圧の原因

猫では多くの場合、基礎疾患の影響による二次性の高血圧症とされています。
二次性高血圧症の原因疾患となるのは、腎疾患、甲状腺機能亢進症、糖尿病、副腎皮質機能亢進症などです。

腎疾患

血液中の老廃物を処理したり、体内の水分やミネラル分を調整したりする働きをする腎臓の機能が著しく低下し、食欲不振や嘔吐、脱水、貧血を呈する病態です。
腎不全は中高齢の猫でよくみられ、死亡原因となることの多い病気です。

甲状腺機能亢進症

8歳以上の高齢猫に多くみられる内分泌疾患で、のどの辺りにある甲状腺から分泌されるサイロキシンというホルモンが持続的かつ過剰になることによって、全身性の障害が引き起こされる病気です。
体重減少や活動亢進、食欲増加あるいは低下、脱毛、多飲多尿、下痢、嘔吐、呼吸速迫など様々な症状がみられます。

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糖尿病

血糖値を下げるインスリンの不足により持続的な高血糖となる代謝異常を伴う病気です。
中高齢の猫、特に去勢手術済みのオス猫、肥満猫での例が多く、発症すると多飲多尿、食欲増進、削痩などの症状がみられ、悪化すると嘔吐や下痢、糖尿病性昏睡に陥り、命に関わることもあります。

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副腎機能皮質亢進症

猫ではまれですが、副腎から分泌されるグルココルチコイドの過剰により代謝異常などの症状を示す病気です。
中高齢のメス猫に多く、多飲多尿、多食、皮膚の脆弱化、脱毛、お腹が膨れるなどの症状がみられます。

その他

肥満や慢性貧血、高塩分食なども原因の一つと考えられます。

猫の高血圧の症状

症状があらわれにくいこともありますが、血圧が過度に上昇すると、目や中枢神経系、心臓、腎臓など様々な臓器がダメージを受け、それぞれ症状をあらわします。

目の症状

猫の高血圧で最も多くみられる症状は目にあらわれる症状です。

眼底出血

収縮期血圧が160mmHgを超えると、眼底にある血管へ圧力が加わり、出血が民られることがあります。

失明

全身の高血圧によって網膜変性や、毛膜剥離が生じ、程度によっては軽度の視覚障害から完全な失明を引き起こすことがあります。

散瞳

片方の目だけが瞳孔が開いた状態となる散瞳(瞳孔散大)がみられることがあります。

緑内障

眼球の形を維持するために必要な圧力(眼圧)以上の眼圧となり、網膜や視神経を傷害し視覚障害を起こす病気です。
高血圧によって前房出血が引き起こされた場合は、緑内障につながることもあります。

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循環器系の症状

高血圧の状態で心臓を動かすことで心臓に大きな負担がかかり、心不全症状(努力性呼吸、元気消失、浅い呼吸、咳など)、左心室肥大、心雑音、不整脈などの症状があらわれます。

中枢神経系の症状

脳内で高血圧状態が続くと、高血圧性脳症を発症することがあります。

脳浮腫

脳が腫れる脳浮腫や脳出血を起こすこともあります。

痙攣発作

高血圧で細い血管が縮んだり出血することによって脳血管障害が生じ、痙攣や失神、麻痺などが引き起こされます。

腎臓への影響

慢性の高血圧によって血管が損傷すると、血管抵抗が増えるだけでなく、腎臓のろ過機能に関わる糸球体増殖、糸球体硬化症、尿細管壊死などの原因となり、結果として腎機能は低下します。

その他

各臓器への影響の他、食欲不振、多飲多尿、鼻血、行動の変化などがみられることもあります。

猫の高血圧症の診断

猫の高血圧はどのように診断するのでしょうか。

血圧の測定

高血圧症の診断には、血圧を測定することが最善かつ的確です。
人間でも毎朝の血圧測定が日課になっている方もいらっしゃいますが、ご家庭でこまめに猫の血圧測定をするのは非常に難しいため、動物病院で測定してもらうのが一般的かと思います。
特に、二次性高血圧症のリスクのある基礎疾患のある猫や血圧が上昇する薬の投薬を行っている猫では、数か月から半年に1回のペースで血圧の測定をすることが推奨されます。

網膜検査

眼底の網膜を確認し、網膜血管のねじれや出血、網膜委縮などの高血圧性網膜症がみられるかどうかを確認して、高血圧の診断を行うこともあります。
しかし、高血圧による症状が出る前に診断するには、定期的な血圧測定が必要となります。

猫の高血圧の治療

猫の高血圧は治療法とはどのようなものでしょうか。

治療開始の基準は?

収縮期血圧が150~159mmHgの場合、すぐに治療を開始する必要はありませんが、定期的にチェックを行い臓器へのダメージがないかどうかを観察します。
160~179mmHgの場合、臓器へのダメージが出るリスクが出てきますので、再度検査を行いダメージが認められた場合は治療を開始します。
180mmHg以上になると、目や神経への影響が出ていることが多く、すぐに治療を開始する必要があります。

二次性高血圧の場合には原因疾患の治療を主に行いますが、原因疾患の治療が難しい場合や本態性高血圧の場合には、定期的に血圧測定を行いながら降圧薬で管理します。
猫の高血圧の治療では、状態の確認や血圧の測定をしながら、下記の様な数種類の降圧薬から選択して使用します。

アンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)

アンギオテンシン変換酵素阻害薬は血圧調整機構の一つである「レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系」の中でアンギオテンシン変換酵素を阻害することで、レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系を抑制し、血圧低下、血管拡張などをもたらします。

カルシウム拮抗薬

動脈壁や心筋のカルシウムイオン濃度を減少させることで、血管の拡張と心拍出量の減少をもたらします。

利尿薬

利尿薬は循環血液量や塩分含量を減少させることで血圧低下をもたらします。

β遮断薬

β遮断薬は心拍数や心拍出量、腎臓からのレニン分泌を減少させることで血圧を下げる作用があります。
甲状腺機能亢進症による高血圧のケースで使用することがあります。

食事

高血圧は、肥満や高ナトリウム食(高塩分食)との関連があると考えられています。
適切な食事管理によって適正体重を維持することや、塩分の多い食品を与えないように気を付けることが重要です。

さいごに

人間と同じように猫も高血圧のリスクがありますが、なかなか発見しにくく、症状としてあらわれ高血圧と診断された時には、すでに手遅れになっていることも少なくありません。
前述のとおり、猫の高血圧は基礎疾患からの二次的なものが多いので、原因となる病気を予防すること、早期発見することで、高血圧の予防にもつながります。





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