消化器の病気

猫が胃の病気に?胃がんや胃潰瘍の原因や治療方法について解説

投稿日:2017年9月5日 更新日:

 

「猫にも人間と同じように胃がんになることってあるのかな?」

「猫が何度も嘔吐するけど、胃がんや胃潰瘍にでもなっているんじゃないかしら?」

このような疑問はありませんか?

私たち人間にとって、胃がんや胃潰瘍が珍しくない病気ですよね。
健康診断で胃のバリウム検査を受けている方、人間ドックで内視鏡検査を受けた経験のある方もいらっしゃるかと思います。
今回は、猫にもこのような胃の病気があるのかどうか?という疑問にお答えし、中でもよく見られる「胃のリンパ腫」という病気をピックアップして解説していきたいと思います。

猫の胃の病気について

人間に見られる胃の病気の代表的なものに、胃がんや胃潰瘍がありますが、まずはそれらが猫にもあるのかどうか?という疑問にお答えしたいと思います。

猫にも“胃がん”ってあるの?

猫の胃に悪性の腫瘍(がん)ができることがあります。
腫瘍の種類として最も発生頻度が高いものは、「血液のがん」の一つである“リンパ腫”です。
リンパ腫とは、白血球の中のリンパ球と呼ばれる細胞ががん化した病気です。
リンパ腫は、リンパ節と呼ばれる免疫組織に発生するタイプ以外にも、胃や腸などのリンパと無関係な臓器にも発生することがあります。
このようなリンパ腫を“節外型リンパ腫”と言い、猫は、胃以外にも腸や肝臓など様々な臓器に節外型リンパ腫が発生しやすい動物であることがわかっています。
ちなみに、人間でいう胃がんのタイプはほとんどが“腺癌”という種類の腫瘍ですが、猫で胃に腺癌が発生することは極めて稀と(ほとんどない)と言われています。

猫にも“胃潰瘍”ってあるの?

猫に見られる胃潰瘍の主な原因はふたつあり、ひとつは「悪性腫瘍に関連したもの」、もうひとつは「薬剤による副作用」になります。

悪性腫瘍に関連した胃潰瘍

猫が先ほど述べたような胃のリンパ腫に罹ると、胃の粘膜がもろくなりやすくそこから持続的に出血するようになることがあります。
胃のリンパ腫はよく見られる病気なので、ピックアップして詳しく後述しておきたいと思います。

薬剤に関連した胃潰瘍

非ステロイド性鎮痛剤やステロイド剤を空腹の状態で内服すると、薬剤が胃の粘膜に張り付き強い刺激になることが知られています。
そのためこのような薬剤を内服させる時は必ず食事と一緒に内服させること、胃の粘膜を保護するような薬剤と一緒に内服させることが推奨されています。
もし薬剤が原因で胃潰瘍になってしまったなら、投与後から嘔吐や下痢、下血(黒い便)が見られるようになることで気付きます。
このような症状がみられたらただちに薬剤の投与を中止し、胃酸分泌を抑制する薬や粘膜保護剤を積極的に投与していくことが必要になります。
このような副作用以外にも猫に人間用の非ステロイド性鎮痛剤を使用することで、肝障害や腎障害などの中毒症状を引き起こす危険があります。
絶対に自己判断で与えてはいけない薬であることを覚えておきましょう。

猫の胃のリンパ腫ってどんな病気?

猫の胃に発生するリンパ腫とはどのような病気なのか、症状や特徴、診断方法、分類、治療方法について詳しく解説していきたいと思います。

症状、特徴

2週間以上続く慢性的な嘔吐や下痢、食欲不振、体重減少が一般的な症状です。
中高齢の猫での発生が多いですが、若齢の猫での発生も認められます。
消化管の発生部位として一番多いのが小腸、続いて胃、大腸となっています。

診断方法

超音波検査は必須

全身的なスクリーニング検査として、血液検査やレントゲン検査、超音波検査は欠かせません。
特に超音波検査は胃や腸の厚みやお腹の中のリンパ節の腫れを評価するためには重要な検査で、もしこの検査で異常が認められた場合は続いて生検(針吸引検査もしくは組織検査)を行います。

針吸引検査での細胞診

針吸引検査とは、腫れている胃などの臓器やリンパ節に針を刺し細胞の一部を採取し、異常な細胞が見られないか診断する検査になります。
当然ながら検査には技術が必要ですが、全身麻酔の必要がなく大きな痛みも伴いません。
針吸引検査は安全性の高い検査ですし診断がつかないと治療法も提示できませんので、飼い主の方は必要以上にこの検査の実施に恐れず、検査を受けることが望ましいです。

内視鏡検査もしくは開腹下の組織生検

もし針吸引検査で明らかな細胞の異常が見られない場合は、組織生検を行う必要があり、内視鏡検査もしくは開腹手術によって病変の一部を採取します。
内視鏡検査も開腹下組織生検も全身麻酔が必要で、実施の費用も高額になります。
ただし内視鏡検査は検査を行った当日に帰宅が可能で、お腹を開けられる痛みもないため、猫へのダメージが少ないことがメリットになります。
一方開腹下の組織生検とは、外科手術によって臓器の一部を採取する方法で、内視鏡検査よりも猫への負担は当然重くなりますが、内視鏡では採取困難なリンパ節の一部を切除することができる、病変が臓器の一部に限局している場合は組織生検をかねてしこりを摘出することもできるというメリットがあります。

分類

細胞診や組織生検の結果から猫のリンパ腫は2つのパターンに分けられます。
一つは低分化型リンパ腫(悪性度、ハイグレードリンパ腫とも言う)、もう一つは高分化型リンパ腫(低悪性度、ローグレードリンパ腫とも言う)です。
両者は治療法も治療後の余命も異なるため、生検でしっかりと鑑別しなくてはいけません。
※注意:“低”分化型は悪性度が“高”く、“ハイ”グレードリンパ腫とも言うのですが、この高い低い、ハイとローという表現が間違いやすく、飼い主の方は非常に混乱しやすいので聞き間違いには注意が必要です。

治療方法

低分化型リンパ腫

こちらのタイプは悪性度が高く、積極的な抗癌剤治療が必要です。
抗癌剤も1種類ではなく何種類かを一定期間交互に投与していく方法(多剤併用化学療法)が選択されます。
治療後の余命は抗癌剤の効き方によって個体差があります。
ちなみに筆者の知る限りでは、猫の胃にできた低分化型リンパ腫の具体的な生存期間に関してまとめられた報告がいまのところありません。

高分化型リンパ腫

こちらのタイプは悪性度が低く、内服の抗癌剤とステロイド剤(プレドニゾロン)を併用して治療していきます。
猫のこのタイプのリンパ腫では、適切な初期治療を行えば、ほとんどの猫で症状の緩和をもたらすことができます。
生涯にわたって投薬による治療が必要ですが、平均生存期間は2年以上と長く低分化型リンパ腫よりも予後がいい病気と言われています。

さいごに

人間の胃がんでは腺癌と呼ばれるタイプの腫瘍であるため外科手術が第一の選択肢なのですが、猫の場合はリンパ腫であることが多いので初期治療の主体は抗癌剤になるというのが大きな違いになります。
抗癌剤というと当然副作用を心配される飼い主の方が多いと思いますが、はやり猫にも多かれ少なかれ副作用が見られることがあります。
使用される抗癌剤には様々な種類があり、それぞれ表れやすい副作用の内容が異なります。
低分化型リンパ腫であれば週に一回程度抗癌剤を投与することが多いですが、その都度どんな副作用が見られやすいのか、見られた場合どんな対応をしたらいいのかを、きちんと獣医師から説明を受けるようにしましょう。

関連記事になります。合わせてご覧ください。

猫の悪性リンパ腫の症状とは?ステージ別の余命、生存率はどのくらい?





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