内分泌の病気

猫の甲状腺機能亢進症の症状や原因や治療法は?寿命や末期症状も解説

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「猫に多い甲状腺機能亢進症って、どんな病気?」

「うちの猫、よく食べるのに痩せている。甲状腺に問題があるのかな?」

「甲状腺機能亢進症になったら、どんな治療をするのかな?寿命は?」

猫の甲状腺機能亢進症は意外と多い病気ですが、甲状腺ってどこなのか、何をしている部位なのかご存知でしょうか。

今回は、猫の甲状腺機能亢進症の原因や症状、治療について解説していきたいと思います。

猫の甲状腺機能亢進症

甲状腺機能亢進症は猫で多くみられる内分泌疾患で、持続的かつ過剰な甲状腺ホルモンの分泌により、全身性の障害が引き起こされる病気です。
8歳以上の高齢猫での発症が多く、甲状腺機能亢進症と初めて診断される猫の平均年齢は13歳と言われています。
1980年代から増加傾向にあり、現在では10歳以上の猫の10%以上がこの病気にかかっているという報告もあります。

甲状腺とは?

甲状腺はのどの辺り、気管の左右両側に一つずつある内分泌器官で甲状腺ホルモンを分泌しています。
甲状腺ホルモンにはトリヨードチロニン(T3)、サイロキシン(T4)、カルシトニンの3種類あり、猫の全身の新陳代謝を促進し、体温の調節、心拍数上昇、脂肪の代謝などに作用しています。

猫の甲状腺機能亢進症の原因

なんらかの刺激を受け甲状腺が大きくなる“過形成”または甲状腺の腫瘍によって、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることが原因です。
多くは良性の過形成または腺腫で、悪性腫瘍(ガン)の確率は低く2%程度であるとされています。
どのような要因によって甲状腺の過形成が生じるのかまだはっきりとわかっていませんが、免疫系、感染性、代謝性、環境または遺伝的要因などが考えられています。
また、猫の室内飼育が増えたことにより、猫の長寿化や缶詰や猫砂、環境中に含まれる化学物質などの影響を受けることが多くなったことなども要因として考えられています。

猫の甲状腺機能亢進症の症状

甲状腺機能亢進症の典型的な症状は、甲状腺ホルモンの過剰に起因し、各組織の代謝亢進によるものです。
全身にあらわれる臨床症状は様々で、他の疾患に類似しているものも多いため、高齢猫で疑わしい症状がみられた場合には、甲状腺機能亢進症でないかどうかを確認する必要があります。
最も特徴的な症状は「食欲が旺盛である(多食)にもかかわらず、痩せていく」というものです。
その他には、多飲多尿、嘔吐や下痢などの消化器症状、脱毛などの被毛の変化がみられます。
性格が攻撃的になることもあります。

末期の症状は?

甲状腺機能亢進症の治療を行わない、または治療が適切に行われていない場合には、病気が進行して全身状態に異変があらわれます。
つまり、過剰な甲状腺ホルモンによって全身の代謝が活発になり、あらゆる組織をフル稼働させて婦さんがかかるため、体が疲れ切って燃え尽きたような状態に陥り、死んでしまうこともあります。
食欲の低下、無気力、多尿、嘔吐、下痢、筋肉の衰弱、被毛の光沢がなくなる、呼吸数、心拍数が増えるなどの症状がみられます。

猫の寿命と余命

平成28年度の日本ペットフード協会の調査では、日本において猫の平均寿命は、室内飼育で15.81歳、外出する猫の場合13.26歳と言われています。
甲状腺機能亢進症の猫が8歳以上の高齢の猫での発症が多いことを考えると、病気が見つかったときから長くても5~7年で寿命を迎えることになります。
原因が良性のものであれば、適切な治療によりコントロールすることでほぼ通常の生活を送ることができるので、十分に天寿を全うできるでしょう。
ただし、原因が甲状腺のガンであったり、合併症として心臓や腎臓への負担が大きい場合には、残念ながら余命は半年から数年と長くない例がほとんどです。

猫の甲状腺機能亢進症の全身への影響

甲状腺機能亢進症は、心臓や腎臓など全身へ影響を及ぼします。

心臓への影響

心臓への負担が大きくなるため、心筋障害などの異常がしばしば認められることがあります。
頻脈や強い心拍動、不整脈、心雑音、聴診でギャロップリズム(馬の駆け足のようなリズム)などが認められます。

腎臓への影響

甲状腺機能亢進症と腎不全はどちらも高齢の猫に多い病気なので、併発していることもよくあります。
甲状腺機能亢進症の場合、腎臓の糸球体ろ過量や腎臓の血流量が増加するため、腎不全が隠れているケースも多く、治療を行う際には、相互の影響を考えたうえで慎重に検討されます。

血圧への影響

甲状腺機能亢進症の猫では、甲状腺ホルモンの過剰によって心拍数や心筋収縮性が増加したり、血圧調節機構であるレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系が活性化するため、全身性高血圧症を続発することがあります。
高血圧により網膜出血や網膜剥離、失明が生じることもあるため、注意が必要です。

甲状腺機能亢進症の診断

猫ののどの辺りに甲状腺の腫大を触知できた場合、甲状腺機能亢進症の疑いが強まりますが、触知できない例も多いので油断はできません。

血液検査

ほかの病気がない限り、一般的な血液検査(CBC)では異常は認められません。
多くの症例でALPの上昇がみられ、肝酵素(AST)の上昇、高窒素血症を示すことがあります。

甲状腺ホルモン値

確定診断には、血液中の総サイロキシン(T4)濃度を測定します。
総T4濃度が高値(5.0㎍/dl以上)であれば甲状腺機能亢進症と確定診断されます。

X線検査、超音波検査

拡張型心筋症と同様の心臓の肥大がみられることがあります。

甲状腺機能亢進症の治療

甲状腺機能亢進症の治療は、原因となっている側の甲状腺を摘出することが第一選択ですが、全身症状を改善するためにまずは1~2か月間の内科療法を行うケースが多いでしょう。
また、猫の甲状腺の大きさや症状、年齢、一般健康状態や腎機能などの合併症の進行度など、様々なことを考慮したうえで治療法を決定します。

甲状腺摘出術

腫大した甲状腺を外科的に切除、または両側の甲状腺を切除する根治治療です。
一度の手術によって病気の管理をすることができ、毎日の抗甲状腺薬の内服の必要がなくなるという利点がありますが、両側の甲状腺を取り除いた場合には、その後甲状腺ホルモンを与え続ける必要があります。
また、甲状腺に付いている上皮小体(じょうひしょうたい)という内分泌腺を同時に取り除いたり、傷つけたりすると、血液中のカルシウム濃度が低下し、命に関わる状態に陥ることがあるため、カルシウムやビタミンDの投与が必要となります。
ちなみに、上皮小体は組織が残っていれば1ヶ月ほどで修復します。

薬による治療

甲状腺ホルモンの合成を妨げる「抗甲状腺薬」を投与します。
第一選択薬としては、チアマゾール(メチマゾール)がよく用いられます。
治療効果があらわれるまでに数週間かかるものの内服によって症状を管理できるという利点がありますが、長期間にわたり投与することになるため、経口投与を嫌がる猫では難しいかもしれません。
また、副作用として嘔吐や下痢などの消化器症状がみられるほか、顔面を中心としたかゆみがみられる例もあるため、副作用があらわれた場合には、投与量の減量や投薬中止を検討します。

放射線による治療

現在のところ日本国内では法の問題によって実施できない治療ですが、欧米など海外では放射性ヨードによる放射線療法も行われています。
ヨードは甲状腺の異常組織に集まる性質があり、異常部分を破壊します。
この治療法は外科手術などに比べ体への負担も少なく安全性が高いものの、特殊な施設が必要であったり一定期間の入院が必要という短所もあります。

食事療法

2012年に日本で初めて甲状腺機能亢進症に対する療法食が販売され、食事療法による管理も選択肢に加わりました。
甲状腺ホルモンの合成に重要なヨードを適切に制限することによって、甲状腺ホルモン濃度が低下し、甲状腺機能亢進症の症状が緩和されると言われています。
内科療法で副作用が強く生じたり、外科手術ができないようなケースにおいて、新たな選択肢として期待されます。

さいごに

猫の甲状腺機能亢進症は初期症状では食欲旺盛で活発であるために、「うちの猫は年齢のわりにすごく元気!」と思われて、発見が遅れがちな病気でもあります。
初期症状のうちに早めに治療が開始できれば、しっかりと薬や食事で管理できることが多い病気ですので「高齢の猫がよく食べるのに痩せている」と気になったときには、まずは動物病院を受診し、診断してもらいましょう。





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