「猫が糖尿病になったけど、人間のように自宅で血糖値を測ることはできないの?」
「病院でインスリンの注射の仕方を習ったけど、ちゃんとできているか不安・・・」
このようなお悩みはありませんか?
飼い猫が糖尿病と診断された場合、獣医師が猫の糖尿病がどういう病気なのか、自宅ではどんな治療が必要なのかなど、時間をかけて詳しく説明をしてくれることと思います。
しかし、この時に飼い主の方が知っておかねばならない情報量は膨大です。
たった一度説明されただけでは、ほとんどの飼い主の方はすべてを理解し覚えることができず、いざ自宅でやろうとしたときに、どのように対処したらいいのか困ってしまうことも多いのです。
そこで今回は自宅での「猫の糖尿病の管理の仕方」について、多くの飼い主の方が困ってしまうポイントにしぼって、詳しく解説したいと思います。
目次
糖尿病の猫に飼い主が自宅でやれることとは?
猫が糖尿病と診断されたら、実際に飼い主の方はどんなことを自宅で行う必要があるのでしょうか?
インスリン注射
猫の糖尿病の場合、基本的に1日2回のインスリン注射が必要になります。
糖尿病管理で一番初めに大切なことは、「飼い主の方が自宅でのインスリン注射に慣れること!」
これに尽きます。
実際のやり方は後ほど動画を交えて詳しく解説したいと思います。
食事の管理
インスリン注射と栄養管理は、糖尿病の治療においてとても大切です。
食事についてのポイントは以下の通りです。
・獣医師に指示された療法食とその量を与える
・猫が食事を食べたことを確認した後、インスリンを注射する
・与えた食事をどのくらい食べたか、治療開始して食欲は上がっているのかどうか観察しておく
・猫が全く食事を食べない場合はどのくらいのインスリン量にすればよいのか、他の食事を与えてもいいのかなど、事前に獣医師に確認する
・余裕があれば、猫の体重の変化を記録しておく
血糖値を測定する
自宅で血糖値を測定することができると、かなりのメリットがあります。
具体的には、血糖値に応じてインスリン量を調節したり、体調不良が見られた場合に高血糖によるものか低血糖によるものかの判断ができます。
当然のことながら動物病院へ通院する頻度がグンと減ります。
また自宅でリラックスした状態で測定すると実際の血糖値を反映しやすくなります。
※実は動物病院で測定した猫の血糖値は、通院や入院などのストレスの影響で自宅での血糖値よりも高くなってしまうことがよくあります。
一方、デメリットとしては、飼い主の方が採血の仕方をマスターしなければならないということと、測定する機械を購入するため初期費用が高くなるということが挙げられます。
また、機械の購入や血糖値の測定チップなどを動物病院で購入する必要があるため、かかりつけの獣医師が自宅採血をサポートしてくれることが不可欠です。
飲水量を測る
飼い主の方がインスリン注射や栄養管理に慣れてきて余裕を感じたら、飲水量を測定してみるといいでしょう。
血糖値が十分に下がらないと飲水量も多いままになり、インスリン不足を疑う材料になります。
逆に異常に飲水量が少なくなっている場合、血糖値が下がりすぎているのかもしれないと気付くこともできます。
あくまで目安になりますが、体調不良が高血糖なのか低血糖なのか悩ましい場合の一つの判断材料になります。
尿糖をチェックする
猫で使用する尿糖の検査薬は人間用のものと同じで薬局で購入することができ、
尿を検査薬に浸すことで、おおまかな尿糖の量がわかります。
尿検査薬だけでは血糖値を推測することはできませんが、多飲多尿の原因が糖尿病であるのかないのか、インスリンを中止した後に糖尿病が再発していないかなどチェックすることができます。
動画で解説。インスリン注射の方法をマスターしよう
動物病院で指導を受けたものの、いざ自分一人でインスリンを注射するというときに「この方法でいいのかな?」と不安になる方も多いです。
ここでは用意するものとその扱い方のポイント、実際の注射の方法を、動画を交えて解説したいと思います。
用意するもの
インスリン
インスリンは冷蔵保存です。
混濁しているインスリンを用いる場合は、吸い上げる前にゆっくり転倒混和します。
ロードーズシリンジ
プロジンクというインスリンを使用している場合はロードーズシリンジではなく専用注射器になります。
未使用のロードーズシリンジは、針の反対側に白い保護キャップが付いていますので取り外します。
また中に1目盛り程度、注射筒内に空気が入っていますので、使用前にはこれを押し出してからインスリンを吸い上げます。
アルコール綿
毛をかき分け、注射する部位の皮膚をアルコール綿で消毒します。
アルコールのスーっとした感覚を嫌がる猫もいますので、その場合は別の消毒薬(クロルヘキシジン)の消毒綿の使用します。
皮下注射の仕方
百聞は一見にしかず、です。
実際に注射しているところをご覧下さい。
いざ自分で注射してみるという時に、「猫が動いたり痛がったりしないか」と不安になると思いますが、使用している針はとても細いため、猫は痛がりません。
逆に何度も刺しなおすと針のキレが悪くなり、痛みが出やすくなります。
ご自身の指に誤って刺すことのないよう注意し、ためらわずに注射することがポイントです。
動画で解説。自宅で血糖値を測定してみよう
「採血するときに猫が嫌がって暴れたらどうしよう」
「ちゃんと採血できるか心配」
誰もが初めこのように心配されると思いますが、インスリン注射をマスターできた方でしたら、採決は決して難しいものではありません。
余裕のある方はぜひトライしてみてはいかがでしょうか。
用意するもの
簡易血糖値測定器(アルファトラック2)とテストストリップ
以前は人間用の血糖測定器を代用していましたが、実際の血糖値よりも低く出てしまうなど不正確な結果が目立ちました。
2014年に“アルファトラック2”という犬猫用の簡易血糖値測定器が販売されて以降、猫の血糖値の測定が簡便になりました。
この商品は動物病院で購入する必要があります。
採血用穿刺器具と専用針
こちらはAmazonなどの通販サイトでも購入可能です。
筆者はテルモ製の穿刺器具を使用しています。
こちらの器具は針を刺す深さを設定できるのですが、猫の耳からの採血では一番浅く刺す目盛りから2番目で丁度良いです。
採血の仕方
まずは実際に採血をされている猫ちゃんをご覧下さい。
全然痛がっていないのがおわかりかと思います。
この動画に少し採血のポイントを補足します。
採血する場所は外側(耳の毛のある方)でも内側でもどちらでも大丈夫です。
耳の端から2mm程度のところに細かい血管が走っていますので、その周囲を狙うと血が出やすいです。
採血量の目安としては、直径1mm程度の「血液の玉」ができれば十分ですが、少なすぎるとエラーが出て測定できません。
穿刺器具を使用して得られる血液の量は少ないため毛に流れてしまわないように、予め穿刺する部位にワセリンを塗っておくと「血液の玉」ができます。
※手で塗るとベタベタになってしまいその後の作業がやりづらいので、筆者は綿棒で少しとって塗っています。
刺したのに血液が少ないなと思ったら、少し耳をもむと血が出てきます。
また寒い日は少し耳を温めたりして、血流をよくしておくとやりやすいです。
動画にあるように、耳をしっかりと裏から支えておかないと、針の圧力で耳が動いてしまい針が十分に刺さりません。
筆者の飼っている猫は元々耳が小さい猫ということもありますが、固めに丸めたコットンで支えるとやりやすかったです。
さいごに
糖尿病と診断されて、飼い主の方がいきなりすべてのことをマスターするのは難しいです。
ここに記載されたすべてを実施しようとせず、初めは「インスリン注射」と「食事管理」に重点をおくようにして、少しずつステップアップしていきましょう!
関連記事になります。合わせてご覧ください。
「動物病院に連れていきたいけど治療費はどのくらいかかるんだろう?」
「愛猫の病気を治してあげたいけど高額費用を支払う余裕がない…」
という飼い主さんはとても多いです。
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