「猫も肺がんになったりするの?」
「猫の肺がんの治療方法って何があるの?」
何て疑問はありませんか?
人間では男性の死因の第一位の肺がんですが、猫でも肺がんになることがあります。
肺がんは早期には気付きにくく、症状が出た際には相当進行していることが多く、治療に非常に悩むことが多いと思います。
猫が肺がんと診断されたらどうしたらいいのか?
原因や症状などと併せて解説していきます。
目次
肺がんとは
肺にできる悪性の腫瘍の事を肺がんまたは悪性肺腫瘍(あくせいはいしゅよう)と言います。
犬や猫の原発性の肺がんはそれほど多くありません。
特に猫では、肺がんの発症率はがん全体の1%に満たない非常に珍しいがんです。
肺がんは初期の段階では目立った症状がないため発見された時には進行していることも珍しくありません。
「呼吸が早くなった」「咳き込むようになった」「血の混じった痰を吐いた」「食欲がなくなってきた」「体重が減少してきた」など症状が現れた時には既に肺がんが末期まで進行しているケースが多いです。
肺がんの種類
肺そのものにがんができるのが「原発性肺がん」、他の部位に発生した癌が肺に転移した場合は「転移性肺がん」といいます。
原発性肺がん
猫の原発性の肺がんは、腺癌、扁平上皮癌、腺扁平上皮癌、気管支肺胞癌などに分類されます。
原発性の肺がんはまれです。
転移性肺がん
肺は血液が集まる臓器なので、他の部位に発生した癌が肺に転移する転移性の肺がんは、原発性の肺がんに比べてはるかに多く発生します。
胃や腸、胆嚢、胆管、膵臓などの内臓に発生したがんや、乳腺腫瘍(乳がん)や口腔内、皮膚に発生したがんが転移することもあります。
その他にも、血管肉腫やリンパ腫、骨髄腫、骨肉腫、肥満細胞腫、メラノーマ、甲状腺がん、線維肉腫、脂肪肉腫など、あらゆるがんは肺に転移する可能性があります。
猫の肺がんの原因
原発性肺がんの原因
人間の場合、喫煙(タバコ)が肺がんの原因と言われますが、猫でもやはりタバコの煙、喫煙者との同居が肺がんの大きな原因になります。
鼻の長い犬とくらべ、猫は鼻腔が短く、煙草の煙などの発がん性物質が肺に届きやすいと言われています。
猫の場合、体をきれいにするためにグルーミングをしますので、被毛についたたばこの煙を舐めとることで、がんの発生率が上がります。
転移性肺がんの原因
転移性肺がんの原因は、原発のがんがどこにできているかによって異なります。
血流が滞っていたり、体温が低いと転移しやすいので、身体を冷やさない事が大切になってきます。
猫の肺がんの症状とは
肺に腫瘍があっても、初期の段階では症状として現れにくいです。
しかし、ある程度癌が進行すると、良く咳をするようになった、安静時でも呼吸が荒い、食欲がなくなってきた、体重が減少してきたなどの症状が現れます。
また、痰に少量の血液が混じっていて異変に気が付く事があるかもしれません。
末期になると胸水が溜まり、呼吸困難から口を開けて、ゼーゼーと呼吸するようになります。
猫の肺がんの診断方法の種類
・血液検査
・レントゲン検査
・CT検査
肺がんは通常のレントゲンでは詳細な部位の把握が困難であり、正確な評価にはCT撮影が必要です。
費用も高額ですし、検査を受ける際には鎮静剤などの投与が必要になる事があるので、本当に検査が必要なのか獣医師とよく相談してください。
・針生検
猫の肺がんの治療方法とは
外科手術
手術には根治手術と緩和手術の2種類あります。
根治手術
肺がんが根治する可能性があるのは、外科手術でがんを取りきることができた時です。
手術の適応としては、がんが塊を作っていて浸潤していない(周りに広がっていない)、単発で原発性の肺がん、リンパ節転移や他の臓器への転移がない、手術や全身麻酔に耐えられる体力があるなどの場合は、手術後に長期生存できる可能性がありますので手術を受ける価値はあります。
一方で、リンパ節や他の臓器に転移していたり、肺の中で多発しているようなケースでは、手術で癌を取りきることが困難ですし、身体への負担も非常に大きくなるため、手術適応とはなりません。
根治手術とは、あくまでも根治の「可能性」がある場合に行う手術ですので、必ず「根治」するというわけではありません。
緩和手術
広範囲な切除ができない、完全切除ができない場合に、腫瘍が引き起こしている問題を一時的に解消することで、少しでもQOL(生活の質)を維持するために、がんを部分的に切除する方法です。
がんを治すための手術ではなく、症状緩和を狙った手術です。
それでも体に大きな負担がかかりますのであまり行われません。
抗がん剤治療
抗癌剤はがんを治すための治療ではなく、一時的にがんを縮小させることを目的に行う治療です。
その後に手術を検討している場合などに投与することがあります。
ただし、抗癌剤治療を受ければ必ずがんが縮小するという事ではありません。
そもそも、肺がんは抗癌剤が非常に効きにくいがんです。
抗癌剤治療を勧められたら、期待できる治療効果と副作用をしっかりと確認し、治療を受けるかどうか判断する必要があります。
放射線治療
手術との併用や、放射線治療単独での治療で用いられることがあります。
放射線に対しての反応は個々によって様々ですし、全身麻酔を必要とする治療のため、体への負担は否めません。
老犬や肺に疾患のある犬の場合、麻酔のリスクは高まりますので慎重な判断が求められます。
また放射線治療は被爆の問題もあり何度も治療を繰り返すことはできません。
対症療法
積極的な治療を行わないと決断しても、できることはあります。
酸素吸入
呼吸が苦しいのは猫にとっても非常に辛い状況です。
酸素室で過ごすことができるだけで猫はだいぶ楽になります。
自宅にレンタルできる酸素もありますので、十分検討する余地はあるでしょう。
胸水抜去
肺の外側の胸腔に水が溜まると、肺が広がることができずに呼吸が苦しくなりますので、胸水を抜く処置を行います。
簡単な処置で行え、治療後は一時的ではありますが、劇的に呼吸が楽になります。
肺がんになった場合の自宅でのケア
食事管理
食事療法の目的は、がんの増殖スピードを低下させ、体力をつけ、貧血やアルブミン値などを改善させることです。
がんが成長するためには糖質(ブドウ糖)が必要です。
そのため糖質をできる限り制限していくことは直ぐに始められ、体への負担もなく、副作用などのリスクもありません。
魚やお肉、豆腐や納豆などのタンパク質をたっぷりと与えて、その分炭水化物・糖質が多く含まれているフードの量を減らしていってください。
食事を変えるだけではがんは治りませんが、肺がんの成長に不可欠な糖質を制限することで進行速度を抑えることはできます。
サプリメント
サプリメントのみでがんが完治することはありません。
しかし、サプリメントを併用する事により、猫本来が持つ自己治癒力や免疫力をカバーし、治療による体力の消耗を軽減してくれることがありますので、検討の余地はあります。
がんに効果的な成分は以下の通りです。
アラビノキシラン
米ぬかのヘミセルロースBにシイタケの酵素を作用させて作られたもので、免疫力の強化や活性化を促します。
この成分は体に吸収されるとNK細胞やマクロファージ、Bリンパ球などの免疫に関わりのある細胞に強く働きかけ活性化してくれます。
米ぬかの成分をシイタケの酵素の力が腸管から吸収できるサイズまで分解してくれており、吸収しやすいのも特徴です。
プロポリス
ミツバチが採取した食物由来の成分で、植物が傷を自分で治そうと出す抗菌物質を含んでいます。
ミツバチの巣は無菌状態のため、抗菌物質の効果が死滅することなくプロポリスの中に配合されます。
センダン葉抽出物
センダンの葉から抽出された成分で、がん細胞を誘導し最終的に殺す効果があると研究により発見されました。副作用もなく治療効果のある成分として期待されています。
猫が肺がんになった場合の余命について
どの段階で肺がんと診断されたかが重要になってきます。
症状が出てから肺がんと診断された場合は、2週間適度で亡くなってしまうこともあります。
さいごに
肺がんに限らず、肺の病気は進行しないと症状が現れないことが多く、発見時にはすでに手遅れの状態で見つかることも多いです。
症状がでる前の段階でがんの存在に気付くことができれば、十分完治することも可能ですので、レントゲンや血液検査を含めた定期検診が重要です。
肺がんの治療では、猫の体力やがんの状態によって、治療を積極的に受けた方が良い時もありますが、逆に治療を受けたためにQOL(生活の質)が低下してしまう可能性もあります。
積極的な治療を受けたら体調がかえって悪化してしまった、苦しみが多くなってしまった。という事もあり得ますので、かかりつけの獣医師とよく相談し、猫のためにどのような治療ができるか判断してあげてください。
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