中毒

猫に食べさせてはいけないものって何があるの?食べたらどうなるの?

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人間は食べても大丈夫なのに、猫には食べさせてはいけないものがあるのは知っていますか?

いくつかは知っていても全部は答えられない方が多いのではないでしょうか?

この機会にしっかりと確認して、猫に危険なものを与えないようにしましょう。

食べてはいけないものといっても、絶対に食べさせてはだめなものや、注意したほうが良い食べ物などにわけられます。

もし食べてしまったらどのような症状が出るのか、調理したら食べれるのか、どのように注意したらいいのかなども併せてご紹介します。

絶対にたべてはいけないもの

猫が絶対に食べてはいけないものを解説します。

ネギ類

ネギ科の植物全般。
タマネギ、長ネギ、ニラ、ワケギ、らっきょう、アサツキ、ニンニクなど。

原因物質

ネギ類に含まれる「アリルプロピルジスルファイド」という成分が、体内のヘモグロビン(全身に酸素を運ぶ赤血球中のタンパク質)を酸化させ、酸素を運ぶことができないメトヘモグロビンに変化させます。
メトヘモグロビンは増加すると、赤血球の内部の膜に近い部位に集まり、ハインツ小体と呼ばれる赤血球中に生じる球状の小体になります。
このハインツ小体が生じると、赤血球は破壊されて溶血し、ハインツ小体溶血性貧血が引き起こされます。
同時に、血液を産生している骨髄の働きも悪化します。

危険な摂取量

体重1kgあたり5gです。
目安としては6kgの猫が玉ねぎを1/5(30g)個食べると危険です。

症状

血色素尿(赤~褐色の尿)が出る、元気がなくなる、嘔吐、心拍数の上昇、 ふらつき、黄疸、下痢などの症状があらわれます。

予後

多くの場合、状態を悪化させなければ、対症療法のみで自然治癒しますが、子猫、高齢猫や、体調によっては重度の貧血になり死に至るケースもあります。

チョコレート・ココア(カカオ類)

原因物質

チョコレートの中に含まれるテオブロミンやカフェイン等の摂取により生じる中毒です。
猫はテオブロミンに対する感受性がとても強く、人間と違って成分を排除する機能を持っていないため、多量に摂取すると中毒症状を起こします。

症状

心臓や中枢神経系を刺激し、口の渇き、興奮、心拍数の増加、不整脈、下痢や吐き気、嘔吐などの症状を引き起こし、重症の場合は痙攣して死亡することもあります。

危険な摂取量

チョコレートに含まれるテオブロミンの量は、チョコレートの種類によって異なります
・ダークチョコレート…体重1kgあたり5g
・ミルクチョコレート…体重1kgあたり10g
・ホワイトチョコレート…体重1kgあたり500g

アボカド

原因物質

アボカドの果肉に含まれる殺菌作用のある「ペルシン」という成分を人間以外の動物が食べると、嘔吐や下痢、呼吸困難などの症状を引き起こします。
ペルシンは果実だけではなく、葉や種、樹皮にも含まれていて、場合によっては死に至る危険性もあります。

危険な摂取量

具体的な量はまだ解明されていないので、とにかく猫が食べないようにすることが大切です。

症状

呼吸器不全や嘔吐、下痢などの胃腸症状、痙攣などを引き起こします。

アワビ

トリガイ、 サザエ、トコブシなども含まれます。

原因物質

アワビの肝に含まれる「ピロフェオホルバイド」などの光励起物質(ひかりれいきぶっしつ)が猫の体内に吸収されると「光線過敏症」を引き起こす場合があります。
特に3~5月頃は貝の毒素が強いため危険です。

症状

普通の猫では何でもないような太陽の光で、皮膚炎を起こしてしまいます。
特に猫の耳は毛や色素が薄いため日光に反応しやすく、腫れやかゆみなどの症状を引き起こします。
悪化すると、耳(耳介)が壊死して取れてしまうこともあります。

コーヒー・紅茶・お茶・コーラなど

原因物質

「カフェイン」は、アデノシンという鎮静作用を持つ化合物に似た構造を持っているため、細胞のアデノシン受容体に取りつき、アデノシンの結合を阻害します。
これにより本来アデノシンが担っていた鎮静作用が阻害され、結果的に覚醒が起こります。

症状

直接的に心筋と中枢神経系を刺激し、強い興奮作用がおこります。
主な症状としては、頻脈、呼吸促迫、過度の興奮、振戦(ふるえ)、痙攣、不整脈(心室性期外収縮)などが起こり、重症の場合は死に至ります。

ぶどう・レーズン・マスカット

原因物質

ぶどうのどの成分が中毒につながるのかはまだはっきりわかっていません。
ぶどうの皮は果肉よりもより危険です。

危険な摂取量

はっきりとわかっていません。

症状

嘔吐、食欲不振、腹痛、急性腎不全などを起こします。
実際にぶどう中毒で命を落とす猫がいるのは事実です。
猫は犬より一般に解毒機能が弱いので、避けるほうが無難です。

アルコール類

当然ですが、猫にアルコール類を飲ませてはいけません。

主な症状

ほんの少量でも、体の小さなネコにとっては、ヒトにとっての一升瓶を一気呑みするくらいの量となるかもしれません。
肝臓の働きも、ネコとヒトでは違いますので分解できない可能性もあります。
嘔吐、下痢、ふるえ、中枢神経系の抑制、意識障害、血圧低下、痙攣、呼吸障害などを起こして死に至ることもあります。

生のパン

生のイーストは、発酵でアルコールを形成するのでアルコール中毒になる危険があります。
また、胃内で膨張して胃腸障害を起こすこともあるので危険です。

ナッツ類

クルミ、アーモンド、ピーナッツ、マカデミアナッツなど。

原因物質

「ペニトリウムA」

症状

多量のナッツ摂取により、パンティング(呼吸促拍)や痙攣、運動失調あるいは後肢の不全麻痺が生じると言われています。
症状は普通、治療なしでも12〜24時間で回復すると言われていますが、よくわかっていません。
また、ナッツは基本的に脂肪やマグネシウムが豊富で、肥満につながったり、結石や膵臓の疾患を伴う可能性があるため、与えない方が良いでしょう。

香辛料

わさび、からし、胡椒、唐辛子など。
刺激の強い食品は、胃腸炎や内臓障害の原因になる可能性があります。

古いドライフード

ほとんどのドライフードにはビタミンB1が添加されていますが、古くなるとビタミンB1は壊れることがあります。
そのようなフードを食べ続けると、猫がビタミンB1欠乏症におちいる危険があります。
できれば小分けになっているフードを買うか、大袋を購入した場合はすぐに小分けの密封袋に入れかえ、可能であれば冷蔵庫、もしくは冷暗所で保管してください。

ドッグフード

犬と猫とでは、必要とする栄養素も、体内で合成できる栄養素も違います。
ドッグフードは、猫にとって十分な良質タンパク質も、必須アミノ酸であるタウリンもまったく不足しています。
タウリン不足が続くと、進行性網膜萎縮をおこし、最後には失明してしまいます。
網膜に障害が生じると、一生完治はしません。
視力に異常が出てからあわててタウリンを与えても、もとの視力には戻りません。
またタウリン不足は心筋症、神経の異常、生殖能力の低下なども引き起こしますので、猫には必ずキャットフードを与えてください。

人間用の薬

人間用の薬を安易に猫に与えることは厳禁です。
猫は小さいので、人間の量では多すぎますし、脂溶性のビタミンA,D,Eは、体内に蓄積されてしまい過剰症を引き起こします。
アセトアミノフェンという成分が含まれる鎮痛剤は、強い中毒性の物質が含まれていて、1錠でも死に至ります。
肉食の猫は、雑食である人や犬と違い、薬を代謝し排出するために必要な酵素がありません。
そのため、猫は中毒を引き起こす危険が高いのです。
動物病院で人間の薬を処方されることもありますが、安全性が確認されているもののみを適切な量で処方しています。
漢方やサプリメントであっても自己判断で与えるのは絶対にやめて下さい。

キシリトール

低血糖をおこし、最悪死亡するケースもあります。
歯磨き粉の成分にキリシトールが含まれている場合がありますので注意してください。

量を食べ過ぎると危険な食べ物

一度、少量を口にしただけでは問題ない食材でも、長期間大量に摂取し続けることによって、病気を引き起こすような食べ物もあります。
定期的な食事として与えるのは避けましょう。

イカ・エビ・タコ・貝・淡水魚など

原因物質

生のイカに含まれる「チアミナーゼ」という酵素が、ビタミンB1(チアミン)を分解し、急性ビタミンB1欠乏症を引き起こします。
とにかくイカだけに注目されがちですが、チアミナーゼはイカだけでなく、生の魚介類の多くに含まれています。
チアミナーゼは加熱すれば効力を失います。
猫の必須栄養素であるタウリンを多く含んでいるという長所もありますので、与えるときは加熱して、人間が量をコントロールしながら与えるようにしましょう 。
また、イカやタコは消化が悪く、嘔吐や下痢・便秘の原因となる場合もありますので量を調整したり、あげ方を工夫してください。

症状

ビタミンB1欠乏症の初期段階では、食欲低下、嘔吐、瞳孔が開き、歩き方がフラフラになります。
「猫がイカを食べると腰を抜かす」と言われるのはこのためです。
重症になると、痙攣をおこしたり、異常な姿勢をとり大声で鳴き続けるなどが見られ、ついには昏睡状態に陥り死亡します。

青身の魚

アジ、イワシ、サバなど。

原因物質

「不飽和脂肪酸」という成分により、青身の魚を食べすぎると、猫の腹部や胸部、腹腔内などの皮下脂肪や内臓脂肪が酸化、変性して炎症をおこし、黄色脂肪症(イエローファット)になります。
急性で発症するものではなく、長期に摂取し続けるなど食生活の偏りが原因です。
しかし、DHAなど、不飽和脂肪酸は少量であれば猫にとって有益な成分です。
猫は魚が好きというイメージから魚ばかり与えたり、逆に一切あげないようにするのではなく、バランスの良い食事を心がけましょう。

症状

お腹から胸にかけて、痛みと発熱をともなう硬いしこりができるので、普通に歩けなくなったり、さわられるのをいやがったりします。

大量のレバー

原因物質

ビタミンAやB群が豊富で、猫にとって良い食材のひとつです。
しかし、レバーを長期にわたり大量に摂り続けると、レバーに豊富に含まれるビタミンAが原因の「ビタミンA過剰症」を引き起こしてしまいます。

症状

過剰に摂取すると、筋肉や骨に悪影響を与える危険があります。
脊髄や骨の変形を起こし、重症では、起立不能になります。

消化が悪いといわれる食品

ナッツ類、キノコ、タケノコ、トウモロコシ、こんにゃく、ワラビやゼンマイなどの山菜類。
肉食が主体の猫には、穀物類などは消化が悪く、体内への吸収もしにくいです。
あげすぎると、消化不良をおこし、下痢を起こします。

注意が必要な食べ物

絶対食べてはいけない食べ物ではないですが、注意が必要な食べ物になります。

牛乳

拾った子猫を保護して牛乳をあげるというのは、わりとよくある光景かもしれません。
しかし、母乳と牛乳ではその成分が全く違います。
猫の母乳は牛乳にくらべてタンパク含有量や脂肪の含有量が多いので、子猫に牛乳だけを与えていては、栄養不足になります。
また、牛乳に含まれる乳糖を分解するためには、ラクターゼという酵素が必要ですが、猫によってはこの酵素が十分にないため、乳糖を消化できず、下痢や軟便をおこす場合があります。
猫にミルクを与える場合は、必ず猫用のミルクを選びましょう。

生卵の白身

生卵の白身には、ビタミンの一種であるビオチンを分解する成分「アビジン」が含まれ、大量に食べると皮膚炎や結膜炎などを引き起こす可能性があります。
これは、加熱すれば問題ありません。
卵は良質なタンパク源ですし、猫の尿を酸性化するメチオニンも含まれていますので加熱調理して上手に与えてください。

野菜全般

猫は元々肉食ですので、野菜に含まれる「セルロース」という物質を分解することはできません。
人間が食べるサイズ、状態のまま与えすぎると、下痢や便秘、嘔吐など、消化不良を起こす可能性が高いです。
与える際は、材料を細かく刻み、猫の消化器に負担をかけないような状態にしましょう。

塩分の強いもの

塩鮭、ラーメン、ひもの、味噌汁など人間の食事全般。
塩分(ナトリウム)の過剰摂取は、心臓や腎臓に負担がかかります。
食パンにバターを塗っただけでも、猫には塩分過剰です。
ただし、猫には塩分が全く不要というわけではなく、ごく少量で良いということです。
人間用の味付けでは塩分過剰になってしまいます。
試しに猫のごはんを食べてみるとほとんど味がしないのがわかります。
昔のようにご飯に味噌汁をかけて食べるなんて言語道断です。

豚肉

人畜共通感染症のひとつに、トキソプラズマ症という病気があります。
健康な大人や成猫が感染しても、ほとんど症状が出ない場合が多いのですが、それだけに、感染に気づかない人が多く、日本でも、成人の30%が感染しているといわれるほど、ありふれた病気です。
しかし、妊娠中の女性が初感染すると、流産したり、胎児に重篤な症状がでる場合があります。
また免疫機能が弱っている人や、子猫が感染しても症状が出て、最悪は死に至ります。
トキソプラズマ原虫の卵が含まれた生肉を猫が食べると感染する可能性があります。
また、感染した猫の排泄物を人間がなんらかの理由で口にすると、人間も感染する可能性があります。
ただし、シストは熱に弱く、加熱すれば死滅しますので、妊娠する可能性のある女性のいるご家庭で、猫に手作り食を与える場合は、必ずよく加熱してから与えましょう。

お菓子、甘いもの

糖分や脂肪分の過剰摂取となり、肥満の原因となります。
また、お菓子には、甘さを引き立たせるため、塩分も相当量ふくまれているものです。
塩分の過剰摂取にも注意が必要となります。

マグネシウムの多い食品

かつお節、海苔、煮干し、ミネラルウォーターは、マグネシウムが多く含まれています。
マグネシウムの多い食材を猫に与えると、尿結石(ストラバイト結石)ができやすくなります。
特に高齢の猫は、たくさんの量や毎日続けて与えない方が無難です。
また、海苔は味付けとして調味料が多く使われている事もあるため、体には良くありません。
猫のおやつに煮干しをあげているというのはよく聞きますが、やめておきましょう。
どうしても与えたい場合は猫専用のものを購入してください。

ほうれん草

ほうれん草に含まれる「シュウ酸」という物質は、膀胱炎や下部尿路疾患の原因となる結石を作り出してしまいます。
日常的に生のほうれん草を食べ続けると、結石ができやすくなります。
シュウ酸は茹でると「アク」として外に出ますので与える時はかならず茹でて与えてください。
シュウ酸は水に溶けやすいので、茹でた後で水にさらすとある程度は取り除くことができます。

さいごに

このようにみてみると、猫に与えてはいけない食材はとても多いことがわかります。
知らなかった食材もあるのではないでしょうか?
良かれと思ってあげたものが、結果的に猫を苦しめてしまうなんてことがないように事前に知っておくことが大切です。
猫が毒物となるような食べ物を食べた場合に、一番気をつけなければならないのは、絶対に自分の判断で対処しようとしてはいけないということです。
速やかに動物病院に連絡をしましょう。
深夜などでかかりつけの病院と連絡が取れない場合でも、夜間病院などにまず電話をして緊急対応が必要かどうか指示を仰ぎましょう。





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