口腔の病気

猫の歯石除去は自分でできるの?取り方のコツとは?

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歯石除去は、動物病院で全身麻酔をかけて行うイメージがありますが、高齢で麻酔がかけれなかったり、重度の歯石でご飯が食べれなくなるなどの緊急時は、自宅でも歯石を取る方法があります。

とはいっても、自宅での歯石取りにはコツや注意しなければいけない事がたくさんあります。

自宅での歯石取りにチャレンジする前にぜひ読んでくださいね。

それではどうぞ。

歯石はなぜ除去しなければならないのか

歯周病の原因になる

歯石をそのまま放置すると、さまざまな症状や病気を引き起こします。
歯石は、細菌の塊であるプラークが唾液中のカルシウムやリンなどと反応して石のように固くなったものです。
歯石がたまると、歯肉に炎症が起きます。
この歯肉炎が進行すると、「歯周病」になり、出血や化膿したり、歯がぐらぐらしたりして、痛みから食事がとりにくくなります。
さらに、口の中で細菌が繁殖し続けると、細菌が血液を通じて全身に巡り、脳や心臓、腎臓、肝臓などの大きな病気につながることもあります。

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口臭の原因になる

歯石がたまると、細菌が繁殖し、歯茎を傷つけます。
それによって歯肉から出血が起こると、口の中には血なまぐさい臭いが蔓延し、口臭の原因になります。
また、歯周病が悪化すると、口の中で膿が出て、異様な臭いを発します。
そのため、歯周病になる前に歯石を取り除いて口の中をきれいな状態に保つことは、口臭予防にもつながります。

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準備するもの

スケーラー

歯石の除去で一番有効な道具がスケーラーです。
先端がとがったタイプや平坦になったタイプなどがあります。
歯石を歯からそぎ落とすときに使います。

鉗子(かんし)

はさみのようになっている器具で、ピンセットのように使用できます。
歯石を割ったり歯石をつまんで歯から剥がしたりするときに使用します。
これらの道具はペット用品店やネット等で簡単に手に入れることができます。
猫の歯茎には目に見えない細かい傷が沢山ついています。
そのため、不潔な道具を使用したり、細菌が沢山付着した手で猫の歯茎を触ったりすると、歯茎に炎症が起こることがあります。
自宅で使用した後は、必ずアルコールや煮沸消毒をしておきましょう。
使用前にアルコールで消毒したら、必ず完全に乾いてから使用してください。

参考商品

☆猫口ケア プロ仕様スケーラー・ベータβ (猫用歯石除去具) abcompany

☆歯石取り 器具 スケーラー 犬用 猫 両頭タイプ (小)  healucifer

☆TJW 犬 猫 お手入れ用品 トリミングシザー 鉗子 ステンレス ペット用品 耳・毛抜き クリーニング (A)

歯石除去を行う際の注意点

自分で歯石を取る場合、もっとも気をつけなければいけないのは器具の取り扱いミスによって猫をケガさせてしまうことです。
使い慣れていない道具を使用して、歯と歯の間にこびりついた歯石を取り除くわけですから、ちょっとした手先のミスで歯や歯茎を傷つけたりする可能性があります。
歯茎に傷がつくと、炎症が起こったり、感染の原因になります。
もちろん、器具の先端は鋭利なので、しっかりコントロールいなければ、自分の手も傷つけてしまうこともあります。

歯石を取る方法

まずは、猫の頭が動かないように固定します。
慣れないうちは2人1組で行い、1人が頭を固定して、1人が歯石を取るようにすると行いやすいです。
口の端に親指を入れて口の奥まで開きましょう。
猫は「イー」の口をしています。
そして人指し指で上の唇を持ち上げて歯がしっかり見える状態にしましょう。
反対側の手でスケーラーを持ちます。
持ち方は、鉛筆を持つように3本の指で持ち、小指をかならず頬か唇あたりに固定します。
固定した部分は動かさず、スケーラーだけを動かすようにします。
歯茎と歯石の間にスケーラーを入れ、歯の先端にむかってカリカリと動かします。
繊細に指を動かす作業となるため、手がすべらないよう注意してください。
特に、猫の歯や歯茎、頬裏を傷つけないよう気をつけましょう。
歯石を除去する際には、あまり強くスケーラーで歯を削らないよう心がけましょう。
歯石自体をいじるようにして、歯の表面をガリガリと傷つけないようにします。
大きなものが取れたら、欲張らずに少し残っていても終わりにしておきましょう。
自宅での歯石除去はあくまでも優しく、無理のない範囲で行うことが大切です。

実際の歯石除去のやり方

スケーラーの使い方

歯石除去後のケア

歯石は細菌の塊です。
猫は口をすすいだりすることはできませんので、できる限り取り除いた歯石は飲み込まないようにしてあげてください。
濡れたガーゼなどで口から掻き出してあげてください。
もし、歯肉から出血した際は軽くガーゼで抑えてください。
ほとんどの出血はすぐに止まります。

自分で歯石除去をする難しさ

歯茎へのダメージ

慣れない手つきでスケーラーなどの専用器具を使うと、どうしても手先のミスなどで歯茎や歯を痛めてしまいやすいです。
むやみに歯茎を傷つけ、出血を起こせば、歯周病や口臭の原因にもなります。
自宅での歯石取りはこのようなリスクのある行為なので、あまりおすすめはできません。

効果があまりない

自分で歯石除去を試みても、おとなしく口を開けていてくれる猫はほとんどいませんので、きれいに取れないことがほとんどです。
そもそも、歯医者さんが行う歯石取りでも、超音波スケーラーとよばれる専用器具を用いなければ、きれいに取り除くことは難しいといわれています。
歯石を十分に取り除いて歯と歯茎を健全にするには、専門家による処置が適切と言えます。

またすぐに歯石がついてしまう

もしも歯石を上手に取れたとしても、それで歯の状態が完全にクリーンになったとは言えません。
スケーラーで歯石をガリガリととった表面は、でこぼこになっていて、歯石がよりつきやすい状態になります。
歯石を取った後は、歯の表面をきれいに磨き上げないと、すぐにもとの状態に戻ってしまいます。
病院でのスケーリングは超音波スケーラーで歯を傷つけないように歯石を除去したあと、専用の研磨剤でしっかり歯の表面を磨きあげます。
ツルツルになった歯の表面には歯石が付着しにくくなります。
自宅で研磨まですることは不可能です。

歯周ポケット内の汚れは取り切れない

歯石取りで重要なことは、歯の表面の歯石を除去することだけではありません。
病院で行うスケーリングでは、ルートプレーニングといって、スケーラーのとどかない歯周ポケットの歯石を取る作業を行います。
歯石は表面だけでなく歯肉の奥まで入りこんでいます。
いくら見える部分だけを除去しても、歯周ポケットに歯石が残っていれば、歯肉炎や歯周病を起こす原因はなくなりません。
歯医者さんで、歯石取りをされたことがある方はわかるかもしれませんが、この作業は少しピリピリとした痛みがあります。
ご自宅で、そこまで行うことは難しいでしょう。
無理にやろうとすると、歯茎を傷める原因になります。

無理をせずに動物病院で歯石除去もいいと思います。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。

猫の歯石除去を動物病院でしてもらうと費用はいくらかかる?保険は使えるの?

自宅で歯石をとるのはどんな時?

では、自宅で歯石を取った方がいいのはどのような時なのでしょうか?
歯石はつき方によって先端が鋭利になっており、頬の内側を傷つけてしまうことがあります。
また、犬歯などに大きな歯石がついていると、上下の歯石同士が当たって、口を閉じるときにギッギッというような音がして、うまく噛むことができずにご飯を食べれない時があります。
基本的には動物病院での処置をお勧めしますが、どうしてもという時にだけ、緊急的に行うようにしましょう。
歯石が軽度の時には取れやすいので自宅での処置がしやすくなりますが、やはり歯の表面を傷つけてしまうのでお勧めできません。

さいごに

歯石を放置すると、歯周病や虫歯の原因にもなりますので、定期的なクリーニングが必要です。
しかし、自分でその処置を行おうとすれば、さまざまなリスクがあります。
定期的なクリーニングは病院で行いましょう。
老猫などで、麻酔下での処置が難しかったり、歯科処置の予約まで時間があるのにごはんをたべれなくなってしまった時などに、自宅での歯石取りの方法を知っておくのはいいことかもしれません。
人間と違い、おとなしく口を開けてくれる猫は少ないので、無理に歯石を取ろうとして噛まれたり、逆に猫を傷つけてしまったりすることがないように、十分注意してくださいね。
また、指のつめで歯石を取る方もいますが、歯を傷つけてしまったり、衛生的にもよくない上に、噛まれる危険性もありますので、必ずスケーラーを使って歯石除去を行うようにしましょう。

関連記事になります。合わせてご覧ください。

獣医師解説。猫の歯磨きのやり方は?歯磨き粉は必要?





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