腫瘍

猫の悪性リンパ腫の症状とは?ステージ別の余命、生存率はどのくらい?

投稿日:2018年1月1日 更新日:

 

愛猫がリンパ腫と診断されたら・・・。

リンパ腫って何?癌なの?治療で治るの?必ず再発すると言われたけど…。
どのくらい生きられるの?お金はどれくらいかかるの?治療方法ってあるの?

そんな不安、心配で頭がいっぱいになってしまうと思います。

リンパ腫がどんな病気なのか、治療法や費用、どれくらい生きることができるのかなど解説していきます。

愛猫に何ができるのか一緒に考えてみましょう。

リンパ腫とは?

リンパ腫とは、リンパ組織を構成する細胞がガン化した状態のことを指します。
リンパ組織とは、リンパ節や骨髄、扁桃腺、胸腺、腸内のパイエル板などが挙げられ、免疫機能を担っています。
リンパ腫はリンパ肉腫とも呼ばれています。
猫の全ての癌の1/3を造血系腫瘍(リンパ系と骨髄系)が占め、さらに、そのうちの50‐90%をリンパ腫が占めているほど、リンパ腫は猫に最もよくみられる腫瘍のひとつです。

リンパ腫の原因

高齢化による免疫力の低下、種々のウイルスや細菌の感染、ストレス、発がん性物質の摂取、腸管の炎症などが複雑にからまって、リンパ球のがん化を促進するのでは、と考えられています。

ウイルス感染

猫の悪性リンパ腫の発生には免疫の異常が関わっていると考えられており、猫白血病ウイルス(FeLV)の感染が発症率を上げていると言われています。
しかし、猫白血病ウイルス(FeLV)に感染していなくてもリンパ腫を発症することがあり、その原因はよくわかっていません。
猫白血病ウイルス(FeLV)が陽性の場合では陰性と比べ約60倍、猫免疫不全ウイルス(FIV)が陽性の場合では約6倍、両方陽性の場合では約80倍発症する危険性が高まるといわれています。

参照:猫白血病ウイルス感染症とは?症状や治療法は?寿命はどのくらいなの?

受動喫煙

受動喫煙に暴露されている猫のリンパ腫発症の危険度は2.4倍で、5年以上の暴露では3.2倍といわれています。
一般的に、マズルの長さが犬よりも短い猫においては、鼻腔による空気の清浄化作用が弱まるため、リスクが高いとされています。

遺伝

シャムネコは好発品種とされています。

病型

リンパ組織は全身のいたるところに存在していますので、癌化した部位によって症状は異なります。
発生部位によって縦隔(じゅうかく)型、消化器型、多中心型、節外(せつがい)型(中枢神経系、腎臓、皮膚、鼻腔、眼)に分類されます。

縦隔型リンパ腫

縦隔と呼ばれる左右の肺と胸椎、胸骨に囲まれた空間にある前縦隔リンパ節や胸腺に腫瘤ができ、胸水がたまります。
発生頻度は20~50%で、FeLV陽性の若齢の猫に発症することが多いです。
胸水のため、咳や呼吸困難、チアノーゼ(皮膚や粘膜が青紫色になること)といった呼吸器症状が見られるほか、元気の消失や食欲・体重の低下が見られ、嘔吐や下痢が起こることもあります。

消化器型リンパ腫

腸管や腸間膜のリンパ節に腫瘤ができます。
発生頻度は15~45%です。
高齢猫に多く見られ、慢性で難治性の嘔吐や下痢といった消化器症状のほか、食欲・体重の低下などが見られます。
また、リンパ腫が大きくなると腸閉塞の原因となったり、腫瘍がある部分の腸管がもろくなって破れ、腹膜炎を起こすこともあります。
高悪性度のタイプは、化学療法(抗がん剤)に対する反応性はあまり良くなく、予後は不良と
されています。
低悪性度の場合は飲み薬のみで長期生存可能です。(平均20ヶ月)

多中心型

犬では80%以上を占めますが猫では発生頻度は20~40%です。
FeLV陽性の若齢の猫に発症することが多く、体の表面のリンパ節が腫れます。

節外型(その他)

節外型とは、上記以外全てのリンパ腫を指します。
リンパ腫のできる部位によって、中枢神経系、腎臓、皮膚、鼻腔、眼などに分類されています。

中枢神経型リンパ腫

発生頻度は1~3%です。
脊髄や脳といった中枢神経系に腫瘤ができます。
脊髄にできるリンパ腫は通常FeLV陽性の猫に多く見られますが、脳にできるリンパ腫はFeLV陰性の猫でも見られます。
中枢神経型リンパ腫では、不全麻痺や完全麻痺、運動失調のほか、てんかん発作や性格の変化、知覚過敏といった中枢神経系の症状が見られます。

腎型

腎臓の腫大と慢性腎不全を伴います。

参照:獣医師解説。猫の慢性腎不全の原因や症状や治療とは?回復はするの?

眼型

ブドウ膜炎、前房出血、角膜炎、緑内障、網膜剥離といった眼科系の多様な症状を示し、ときに眼球突出のようなわかりやすい症状となって現れることもあります。

皮膚型

皮膚に病変を生じるもので、「表皮向性(ひょうひこうせい)リンパ肉腫」と呼ぶこともあります。
発症年齢は平均11歳で、粘膜を含めたすべての皮膚に発症の可能性があります。
全身の発疹(数mm~数cm)、かゆみ、発熱、リンパ節の腫れを特徴とする「セザリー症候群」を併発しますが、他の皮膚病と外観が似ているため、鑑別は困難です。
特に脂漏症、アトピー性皮膚炎、膿皮症などと間違われやすく、抗生物質を始めとする皮膚病薬に反応しないことで初めて、この疾患が疑われることもしばしばです。

鼻型

FeLV陽性率は約20~30%です。
鼻腔内に発生するため、鼻出血や顔面が変形したようになります。
化学療法(抗がん剤)に対する反応性は比較的良いとされますが平均4ヶ月程度です。
また放射線治療が最適だとされ、平均15ヶ月の生存期間中央値とされます。

リンパ腫になった猫の生存期間中央値とは

半分(50%)の患者(猫)が亡くなるまでの期間で、いわゆる一般的に「余命」として伝えられる期間のことです。

リンパ腫のステージ分類

進行度合いを把握するための分類の一つとして用いられています。
WHOによって分類基準が提唱されており、以下のように分類されます。

臨床ステージ

ステージ
基準
ステージⅠ
単一のリンパ節または骨髄を除く単一臓器に局在
ステージⅡ
単一部位の複数リンパ節に病変が存在
ステージⅢ
全身のリンパ節に病変が存在
ステージⅣ
肝臓および/または脾臓に病変が存在
(ステージ3までの所見あり/なし)
ステージⅤ
末消血液中、骨髄中に腫瘍細胞が存在

サブステージ

サブステージ
基準
サブステージa
臨床症状なし
サブステージb
臨床症状あり

以上のようにステージ分類され、例えば「ステージ1サブステージa」の状態などと診断されます。

リンパ腫の診断方法

・触診

病変の有無や、リンパ節の大きさ、かたさ、形を確認します。

・血液検査、生化学検査

血液中の異常なリンパ球の出現や全身状態の把握ために行います。

・骨髄検査

ステージ分類のために行うことがあります。

・ウイルス検査

FeLV、FIVに感染していないかどうかの確認を行います。

・レントゲン検査

胸部レントゲンにより縦隔の腫瘤や胸水、リンパ腫の肺浸潤の有無を確認、腹部レントゲンにより腹腔臓器の大きさや位置、リンパ節の大きさを確認します。

・超音波検査

リンパ節の状態やレントゲン検査ではわからない各臓器の内部構造や血管構造等を確認します。

・細胞診/病理組織学的検査

リンパ腫であることの確認するために行います。

針生検により診断がつくことがありますが、診断がつかない場合一部組織を採取して病理組織検査を行います。

犬での場合と同様の手順・検査で行われますが、犬と異なる点は、体表のリンパ節が腫大し、多中心型を疑う場合に、犬では針生検等による細胞診により確定診断が可能ですが、猫では腫瘍性ではなく反応性のリンパ節の腫大が多く認められるため、この方法では確定診断できません。
そのため、麻酔下(全身または局所)にてリンパ節を丸ごと切除し、それを病理組織検査で調べることによって診断を下すことがあります。

リンパ腫の治療方法

残念ながら猫のリンパ腫のほとんどは完治することは困難です。
若年の猫のリンパ腫であればさらに厳しくなります。
治療の目的はQOL(生活の質)を保ちながら癌と共存し、延命することになります。

化学療法・薬物治療

リンパ腫治療の中心となるものです。
治療計画は様々ありますが、リンパ腫のステージ、動物の状態、年齢、飼い主の通院可能回数やコストなどによって異なってきます。
犬に関しては、およそ8割の確率でリンパ節の腫れが引いて寛解(化学療法に反応して症状がなくなる状態)し、2年後生存率は約25%といわれますが、猫に関してはあまり治療成績がよくありません。
猫のリンパ腫の抗がん剤での寛解率は65%~75%。
化学療法に反応して症状が寛解した猫の平均生存期間は7ヶ月、やや寛解した猫は2.5ヶ月、無反応の猫は1.5ヶ月。1年生存率は約30%とされています。
生存期間中央値は、6ヶ月~8ヶ月。
FeLVが陽性の場合には、生存期間中央値は下がり、4.2ヶ月となります。
猫は犬と比べ化学療法によく耐え、胃腸障害は多くないといわれていますが、副作用のコントロールが重要になってきます。

ステロイド

ステロイドは抗がん剤とは異なる作用の薬で、炎症を止めたり、免疫を抑えたりする薬ですが、リンパ腫の細胞はステロイドに反応するため他の抗がん剤との併用や単独でも良く使われます。
リンパ腫の症状が大幅に改善することが多いです。
状態によっては、ステロイドの単独治療でも寛解にまで持ち込めることもあるほどの効果を期待できる場合もあります。
ただし、効果はあまり長続きせず長期の連用では、徐々に効果が落ちてきますし、副作用も出やすくなってきます。
また、ステロイドの利点として費用の安さも挙げられます。
抗がん剤は一般的に高価なものが多く、そのため抗がん剤治療には莫大なお金がかかります。
しかし、抗がん剤に比べるとステロイド剤(内服薬、注射)は数十分の一程度です。
ステロイドは飲み薬があるので自宅での治療も可能ですので病院通いのストレスも回避することができますので、化学療法が効果のでない末期の症状の時などに使用することが多いです。

参照:悪性リンパ腫の猫にステロイドや抗がん剤治療の効果は?費用はどのくらいかかる?

外科療法

通常は第一選択にはなりません。
しかし皮膚型リンパ腫が孤立性にある場合は第一選択になることがあります。

放射線療法

硬膜外、縦隔、鼻腔などの局所性リンパ腫が治療対象になります。
特に鼻腔リンパ腫は化学療法と比較してもより良好な反応率、治療期間が得られています。

リンパ腫を治療する場合の費用

使用する薬剤や治療の種類によって大きく値段が異なります。
抗がん剤の投与時は全身状態把握の為に必ず血液検査を行いますし、場合によっては点滴などの処置も行う場合があり、一般的にも高額な治療になります。
動物病院によって金額は異なりますが、低分化型リンパ腫では週に1回の抗がん剤投与で1〜3万円程度、月に7~8万くらい、高分化型リンパ腫では月に1〜5万円程度かかると思っておいた方が良いでしょう。
また、副作用が出た際にはそれに対する治療の必要もありますので通院回数もとても多くなります。

予後

一般に猫のリンパ腫は犬と比べ治療に対する反応率と寛解率が低く、生存期間が短いといわれています。
治療の中心となる化学療法に対する完全寛解率(リンパ腫の徴候が完全に消失したもの。治癒とは異なる)は50~70%と多様です。

予後と関連する要因

・ステージ1、2はステージ3、4、5と比べ良好(中央生存期間7.6ヶ月 vs 2.5ヶ月)

・サブステージaはステージbと比べ良好

・FeLV陰性の場合、陽性と比べて良好(中央生存期間7.0ヶ月 vs 3.5ヶ月)

・多中心型、消化器型は腎臓型と比べて良好(中央生存期間 多中心型18ヶ月、消化器型9.6ヶ月 vs 腎臓型5ヶ月)

さいごに

猫の悪性リンパ腫の発生原因はまだ解明されていないことが多くあります。
しかし、発症にウイルスが大きく関与しているだろうということは明らかになっています。
発症リスクをすこしでも減らすために猫白血病ウイルスや猫免疫不全ウイルスなどに感染しないようにすることは、大きな予防策になるといえます。
室内飼いの徹底が一番お勧めしますが、どうしても外に出てしまう場合はワクチン接種などで感染リスクを減らしてあげましょう。
悪性リンパ腫は一度発症してしまうと完治が非常に難しく、治療の選択を迷うことが沢山あるでしょう。
しかし、猫のリンパ腫は無治療での生存期間は平均で4~8週間と非常に短いとされています。
治療を行うことでこの余命を大幅に延ばせる可能性は十分にあり、また治療効果が上がり、
寛解に持ち込めれば、再発するまでは生活の質を保ったまま生活することもできます。
もちろん副作用の問題や費用の問題などもありますので、猫にとって何をしてあげる事が一番いいのか、自分にできることは何があるのか?
病院任せではなく、自分自身が勉強し、後悔のない選択をしていただく手助けになれば幸いです。





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