寄生虫症

獣医師解説。猫のフィラリア症の原因や症状や治療方法とは?

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フィラリア症とは「犬糸状虫(いぬしじょうちゅう)症」のことで、寄生虫である犬糸状虫(=フィラリア)が心臓や肺動脈に寄生して起こる病気です。
この犬糸状虫(フィラリア)は犬という名前がついていながら猫にも寄生します。

「猫でも犬のように予防が必要なのかな?」

「室内飼いだから蚊に刺されないから必要ないかしら?」

「もし寄生されたら犬と同じような症状が出るのかな?」

「治療法はどうしたらいいの?」

とあなたは悩んだりしていませんか?

犬の飼い主さんはみなさん、春のイベントとして狂犬病予防注射とフィラリアの検査、予防は当たり前のように行っているのですが、猫の飼い主さんはあまり知らないかもしれません。
実は猫のフィラリア症は突然死を引き起こす怖い病気です。
予防が非常に重要だという事をみなさんに知っていただきたいと思いますので、解説していきますね。

フィラリアの感染の原因は何?

犬糸状虫(=フィラリア)という寄生虫の感染が原因で発症します。
このフィラリアは、感染した犬の血液を吸血した蚊が猫を刺すことで感染します。

フィラリアの症状はどのようなもの?

蚊に刺されることによって猫の体内に入ったフィラリアの幼虫は、皮下組織や筋肉の中で2~3ヶ月かけて成長しながら心臓の右心室にたどり着き、最終的には心臓や肺動脈に寄生し、3~4ヵ月後に成虫となります。
症状は「体内に侵入したフィラリアが肺動脈に達する時期」と「フィラリアの成虫が死滅する時期」とで異なります。

フィラリアの肺動脈到達時期

(感染してから3~4ヵ月後):
2週間くらい続く軽い咳や呼吸困難などの慢性の呼吸器症状が現れるほか、吐いたり下痢したりすることもあります。
慢性化してくると食欲低下や嗜眠(眠っていることが多くなる)、体重の減少といった症状が現れる猫もいます。
フィラリアの成虫は、本来の寄生場所ではない中枢神経系などにも寄生し、神経症状を起こすこともあります。

フィラリアの死滅時期:

死滅したフィラリア虫体が多数肺動脈に詰まって血行不良をおこしたり、肺動脈で死滅したフィラリアの虫体を異物と認識し、排除しようとするときにアレルギー反応をおこす、いわゆるアナフィラキシーショックが起こり、突然の呼吸困難や虚脱により突然死に至る場合があります。
アナフィラキシー反応はたった1匹のフィラリアでも発生します。

フィラリア症の治療はどうしたらいいの?

フィラリアの治療には、症状に対する治療とフィラリア成虫を駆虫する治療があります。

フィラリア自体の駆除を行う方法

成虫駆虫薬の投与

成虫駆虫薬の投与は、フィラリア寄生数や猫の状態によっては、一気に寄生虫が死滅すると診断虫を異物と認識し、アレルギー症状をおこす、アナフィラキシーショックなどの合併症が出る可能性があり、現在ではほとんど行われません。

外科的治療

外科的治療法は首の頚静脈から専用の器具を挿入し、フィラリア成虫を直接摘み取るというものです。
しかし、専用の器具が必要な事や、手術の難易度が高いため、どこの病院でもすぐにできる手術ではありません。

対症療法

フィラリア寄生による炎症や咳を抑えるため、ステロイド剤や気管支拡張剤の投与といった治療が中心に行われます。
症状が重い場合は入院治療が必要となります。
治療がうまくいきフィラリアの成虫が寿命を迎え死滅しても一度傷ついた肺や血管のダメージは残る場合が多く、投薬などの治療を続けなければならない場合もあります。

一番行われているフィラリア症の治療法は?

猫の場合、フィラリア成虫が体内で繁殖し子孫を残すことがほとんどありません。
爆発的に数が増えることはありませんので、アナフィラキシーなどの危険性のある成虫駆除は行わず、対症療法を行いながら、フィラリアが2~4年で寿命を迎えて自ら死滅するのを待つ治療が一般的です。
治療中に、また感染した蚊に刺されればまた再感染してしまいますので、治療を行いながら予防も同時に行います。

フィラリア症の予防はどうすればいいの?

猫の飼い主さんの一番知りたいことは予防方法かと思います。
どんな予防方法があるのでしょうか?

フィラリア症の予防薬の投与

フィラリア症を予防するには、幼虫の駆除効果があるフィラリアの駆虫薬を、毎月、定期的に投与します。
寄生を予防する薬というのは存在していませんので、体内に侵入したフィラリアを小さなうちに駆除するという方法が取られています。

予防薬の投与期間

フィラリアの薬は「体内に入って1ヵ月後の幼虫を駆除」する薬ですから、感染する可能性がある期間より1ヵ月遅れて薬を使う必要があります。
大体、蚊の活動が始まる春~初夏から、蚊が見られなくなる時期の1ヵ月後までフィラリア予防薬の投与を続けます。
沖縄や九州の一部などは1年中蚊が見られる地域では、1年通して予防を行います。
また、ノミ・ダニ・お腹の虫の予防もかねている薬が多いため、1年を通して投与する方も増えています。

予防薬の種類

首の後ろに薬を垂らす「スポットオン」タイプが販売されています。
以前はおいしく味付けされた飲み薬がありましたが、今は販売が終了し、スポットオンタイプが主流となっています。

予防薬の投与方法

猫の舌が届かない肩甲骨の間や首の後ろあたりに薬剤を全て滴下します。
このとき毛につけても意味がありませんので、毛をしっかりかき分けて皮膚に垂らすようにしてください。
ある程度乾燥するまで目を離さないようにします。
1か所に垂らすと吸収しきれず、垂れてしまうことがあるので、数か所に分けて垂らすのが良いでしょう。
使用方法が間違っていたり、垂れたり、なめたりして適量が投与されないと十分な予防効果が期待できませんので注意してください。
その後は皮膚のかゆみや炎症が出ないかなど様子を見てあげてください。
すぐにシャンプーをしてしまうと予防効果が薄れますので数時間~数日シャンプーは控えましょう。

参照:猫のフィラリア症の予防や検査って必要?予防薬の費用や時期も解説

室内飼育

室内猫に比べて屋外にいる猫のほうが、蚊に刺される可能性が高くなり、それだけフィラリアに感染する危険性も高くなりますので、室内飼いの徹底も有効な予防法になります。
しかし、室内だからといって蚊に刺される可能性がないとは言い切れません。
室内飼いの場合でも予防薬を定期的に投与することをお勧めします。

蚊の駆除

蚊が活発に吸血する4月下旬~11月中旬にかけ、生活環境の中から蚊を駆除するよう努めます。
卵、幼虫、さなぎの状態にある蚊は、すべて水を必要としますので、家の周囲やベランダに水たまりを作らないことが予防になるでしょう。
また成虫の蚊に対しては殺虫剤で対処するようにします。
一般的にピレスロイド系の殺虫剤は安全だとされていますが、猫の体に直接吹きかけたり、エサのある場所での使用は控えます。

蚊よけ

最近では、動物にも安全なハーブやアロマ成分で虫を寄せ付けない虫よけスプレーや動物にも安全な蚊取り線香があります。
猫は精油の成分を分解する酵素を持っておらず、精油が体内に入って蓄積していくと最悪の場合は命にかかわります。
最近のブームで、自分で虫よけスプレーを手作りをする方も増えていますが、精油を使用しないように注意してください。
ハーブ類を使用していても精油でない場合は、危険性はないとされています。

本当に予防する必要ってあるの?

猫のフィラリアは犬と異なり体内で増殖するという事はありません。
また、体内に入ったフィラリアは皮下組織にいる間に大部分が死滅してしまいます。
これだけを聞くと予防の必要はないかなと思われるかもしれません。
しかし、猫の場合は寄生数に関係なく、1匹の寄生であっても突然死を起こすことがある非常に怖い感染症です。
2010年の研究報告では猫の10頭に1頭が感染しているという全国的なデータも発表されています。
猫のフィラリア症はこれといった特徴的な症状を出すこともなく、突然死もあることから、治療に重きをおくのではなく、事前の予防が一番大切であるといえます。
猫の飼い主さんは猫に薬を飲ませることを苦手としている方が多くいらっしゃいますが、スポットオンタイプの薬はお互いストレスなく投与することができます。
毎月の予防を面倒だと感じたり、高いと思うかもしれません。
しかし、人間は虫歯にならないように毎日2回も3回も歯を磨きますよね?定期的に歯医者にも通いますよね?
猫のフィラリア予防も同じではないでしょうか?
大切な家族の一員の命を守ることができるならばその手間や費用をかけてあげたいと思いませんか?
フィラリア予防に悩んでいるみなさんの参考にしていただければ嬉しいです。





愛猫のために知ってほしいこと


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