皮膚の病気

獣医師解説。猫の皮膚炎とは?原因や症状や治療法を解説

投稿日:2017年9月10日 更新日:

 

「猫が皮膚炎になったみたい。原因は何だろう」

「猫の皮膚炎ってどうやって治すの?市販薬は使っていいの?」

あなたはそのようなことで悩んでいませんか?

猫の皮膚炎は猫に脱毛やかゆみをもたらし、皮膚の問題だけでなく精神的にもつらい病気です。

今回は、猫の皮膚炎の様々な原因、症状、治療について解説します。

皮膚炎とは

皮膚炎とは皮膚の表面に炎症が生じた状態で、人間では湿疹とも言われます。
外からの刺激や体質などの影響によって、体内の免疫システムが働き炎症反応が起こります。
猫の皮膚炎の原因はウイルスや細菌、ノミやダニなど多岐にわたります。
今回は、代表的な猫の皮膚炎の原因を6つに分類してご紹介します。

皮膚炎の原因①:ウイルスによるもの

ヘルペスウイルス性皮膚炎

ヘルペスウイルスに感染すると、くしゃみ、鼻水、結膜炎のような風邪に似た症状があらわれますが、まれに皮膚炎を起こすこともあります。

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症状

目や鼻、口唇の周りの皮膚が赤くただれ、ひどくなるとびらん・潰瘍になることもあります。

治療

細菌の二次感染を防ぐために、抗生物質を投与します。
インターフェロン治療が有効なケースもあります。

皮膚炎の原因②:細菌によるもの

細菌性皮膚炎

皮膚に細菌が侵入して起こる皮膚炎で、ブラッシングやひっかき傷から感染したり、アトピー性皮膚炎や外部寄生虫感染に続いて起きることがあります。

症状

皮膚が赤く腫れて、水ぶくれや膿疱(のうほう)、かさぶた、びらん、潰瘍などがみられます。
悪化すると、発熱や元気、食欲の低下などの全身症状があらわれることもあります。

治療

消毒剤を添加した抗菌シャンプーでの洗浄、抗生物質の内服などを行います。

皮膚炎の原因③:真菌(カビ)によるもの

皮膚糸状菌症

カビの一種である白癬菌(はくせんきん)が皮膚や爪に感染して炎症を起こす病気です。

症状

皮膚が赤く円形に腫れ、その表面に水ぶくれやフケがみられます。
また、毛が抜けやすくなり、円形に脱毛することもあります。
爪に感染した場合には、爪の周りの皮膚が腫れたり、爪の変色、抜け落ちるたりすることもあります。

治療

抗真菌薬の内服を行います。
また、抗真菌薬を添加しているシャンプーでの洗浄を補助的に行う場合もあります。

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マラセチア症

マラセチアとは、皮脂を栄養分としている皮膚表面に常在する酵母菌です。
なんらかの原因によってこの菌が異常に増殖することで、皮膚に炎症を引き起こします。

症状

顔面や首、わき、お腹の皮膚や耳があぶらっぽくなります。
ひどくなるとバターの様な垢がこびりついて赤く腫れることがあり、脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)またはマラセチア性外耳炎と呼ばれます。
アトピー性皮膚炎と併発していることも多く、その場合はかゆみが強く生じます。

治療

皮膚を清潔にすることが重要です。
あぶらっぽい垢がこびりついているような場合には、普通のシャンプーでは落ちにくいため、脂漏性皮膚炎用のシャンプーなどで定期的に洗浄します。
ただし、アトピー性皮膚炎など他の病気を併発している場合もあるので、獣医師に処方されたシャンプーを適切に使いましょう。

皮膚炎の原因④:外部寄生虫によるもの

ノミ刺咬性皮膚炎

ノミに刺されることによる物理的な刺激による皮膚炎です。

症状

耳の周囲や首、背中、尾の付け根にかゆみを生じ、掻きむしることがあります。

治療

ノミの駆除剤による駆虫を行います。

疥癬(かいせん)

皮膚に寄生するセンコウヒゼンダニによる皮膚炎です。

症状

皮膚が赤く腫れ、フケ、脱毛、びらん、潰瘍などがみられます。

治療

病変部の皮膚やフケ、かさぶたを顕微鏡で観察し、ダニが確認されると、ダニの駆虫薬を投与します。

皮膚炎の原因⑤:アレルギーによるもの

食物アレルギー性皮膚炎

食物中のタンパク質に対して体がアレルギー反応を示す病気です。
牛肉、魚、鶏卵、小麦、トウモロコシ、大豆など様々な食物が原因物質となります。

症状

かゆみを伴う皮膚炎が目や口の周り、耳、背中、お腹、四肢にみられます。
症状が似ているため、アトピー性皮膚炎との鑑別が難しいとされています。

治療

アレルギー試験により原因となる食物を特定し、与えないことが根本治療となります。
普段食べていないタンパク質で作られた「除去食」やタンパク質を加水分解し、体に抗原と認識されないようにした療法食による食事療法も行われます。

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ノミアレルギー性皮膚炎

ノミに刺された時に皮膚へ分泌される物質に対してアレルギー反応を起こす病気です。
前述の「ノミ刺咬性皮膚炎」は物理的刺激によるものであるため、区別されます。

症状

ノミに刺されやすい部位である耳の周囲や首、背中、尾の付け根などにかゆみを伴う皮膚炎がみられます。

治療

ノミの駆除を行います。
ひどい場合には、かゆみや炎症を抑える抗ヒスタミン薬やステロイド薬を投与することもあります。

接触性過敏症

環境中の何らかの物質が皮膚に接触、浸透し、皮膚の免疫細胞を刺激することによる皮膚炎です。

症状

原因物質に触れた皮膚が赤く腫れます。
特にお腹と指の間で認められます。

治療

確定診断は難しい病気ですが、飼育状況や病歴などから原因となる物質を推察し、避けるようにします。
重症の場合には、抗ヒスタミン薬やステロイド薬を投与することもあります。

皮膚炎の原因⑥:その他

舐性皮膚炎(しせいひふえん)

皮膚の異常によるかゆみやストレス、脳の疾患などによって猫が同じ部分を繰り返し舐め続けることによる皮膚炎です。

症状

猫が舐めやすい部位である前足やお腹、後ろ足などがザラザラした猫の舌による刺激で脱毛し、その後皮膚が赤く腫れます。
さらに舐め続けると深部まで皮膚が損傷し、出血したり骨が見えてしまうこともあります。
細菌などの二次感染を起こすリスクも高まります。

治療

原因となる疾患やストレスを取り除くための治療、対策を行います。
皮膚炎がひどい場合には、抗生物質の投与を行う場合もあります。
それでも舐め続けてしまう場合には、エリザベスカラーを装着して物理的に舐められないようにすることもあります。

皮膚の腫瘍

猫の皮膚に発生する腫瘍には、扁平上皮ガン、皮膚組織球腫、皮膚リンパ肉腫、肥満細胞腫、悪性黒色腫などがありますが、このような腫瘍の病変部に併発して皮膚炎が生じることもあります。

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症状

腫瘍の種類によって異なりますが、皮膚にびらん、潰瘍、かさぶた、しこりができることが多いでしょう。

治療

進行度や健康状態によって様々ですが、病変部の外科的な切除、抗がん剤療法を行います。

よくある質問

猫の皮膚炎について、よくいただく質問をご紹介します。

人間の皮膚用の市販薬は使ってもいい?

人間と同じような赤く腫れた皮膚を見つけた時には、ご家庭にあるような市販の薬を塗りたくなる気持ちはわかりますが、自己判断で猫に市販薬を使うのはやめましょう。
前述のとおり皮膚炎には様々な原因が考えられるため、効果がないだけでなく、ステロイドが含まれている薬によって症状が隠されて、原因の特定が困難になるケースもよくあります。

猫の皮膚炎は人間にうつる?

皮膚糸状菌症や疥癬と診断された場合には、人間にもうつる可能性がありますので、猫に触れた後にはしっかり洗浄することを心がけてください。
猫と接触しやすい腕や首筋などに円形の赤い腫れがみられた場合には、皮膚糸状菌症がうつった可能性がありますので、人間の皮膚科を受診しましょう。

かさぶたははがしてもいい?

出血した後にできる「かさぶた」は医学用語で「痂疲(かひ)」と呼ばれ、皮膚の損傷部分を一時的に補てんする重要なものです。
無理やりはがしてしまうと、修復過程が一からやり直しになることもあるだけでなく、そこから細菌感染などを起こして悪化してしまうこともあります。
無理にかさぶたをはがすのはやめましょう。

治療費用はどのくらい?

猫の皮膚炎の治療費用は原因によって大きく異なります。
まず原因の特定をするための検査費用として、1000~3000円程かかります。
少し踏み込んだ検査として、皮膚の組織の一部を採取して診断する皮膚生検は5000円前後でしょう。
内服薬は種類によりますが、1週間分で1500~3000円程度でしょう。
動物病院によって、診察費用や処方薬の値段は異なりますので、必ずかかりつけの動物病院に確認してください。

さいごに

軽い皮膚炎と判断しても、かゆみや違和感から猫が掻いたり舐めたりすることでどんどん悪化してしまうこともよくあります。
また、ただの皮膚炎だと思っていたものが、実は皮膚の腫瘍であったというケースもありますので、軽度のうちに動物病院を受診することが非常に重要になります。
定期的なブラッシングなどで愛猫の皮膚の状態をこまめに確認するよう心がけてくださいね。





愛猫のために知ってほしいこと


「動物病院に連れていきたいけど治療費はどのくらいかかるんだろう?」

「愛猫の病気を治してあげたいけど高額費用を支払う余裕がない…」

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