全身の症状

猫の元気がない。動かない。原因は何?病気のサイン?

投稿日:2018年4月24日 更新日:

 

「猫の元気がない」というのは実は診察するうえで非常に難しい症状です。

猫の元気がなくなる原因は数えきれないほどあり、元気がないだけでは猫になにが起こっているのか推測することは困難です。

猫という動物は、自分が弱っていることを隠そうとする生き物で、症状として明らかに分かるようになったタイミングでは病気も相当に進んでいる場合があります

そのため、元気がないという時は、何か異常がないか見つけるために一通りの検査をすることが多いです。

今回は、見ておくと診察の際の手助けになる症状や、病院に行くタイミングなどをお話をしたいと思います。

元気がないとは?

「元気がない」というのはとても主観的な症状で、人によってとらえ方は様々です。
1回吐いてしょんぼりしているだけでも元気がないからと診察に来てくれる飼い主さんもいますし、食欲が2.3日無くなって初めて元気がないことに気付く飼い主さんもいます。
まず、元気がないと判断して病院につれていくタイミングですが、動いていないからといって食欲や排泄などの様子がいつもと変わらなければ、それほど心配はいらないでしょう。
もともと猫はとても長い時間眠る動物ですので、たまにずっと寝ていて、心配になる事がありますが、ただ単に静かな所で寝ていたかっただけ、寒かったから動きたくなかっただけという場合がほとんどです。
あまり神経質になり過ぎる必要はないかと思います。
注意したほうがいい具体的な症状としては、どこかに隠れて呼んでも出てこない、食欲がない、トイレの仕方や回数の変化、睡眠のとり方、動くときの様子がいつもと違う、吐いている、下痢しているなど他の症状が伴った場合です。
このような場合は病気の可能性があります。

元気がなくなる原因

ケガをしている

猫は普段から狭いところに入ったり、高いところに上ったりするのが大好きな生き物です。
そのため、飼い主が留守の間に高い場所からの着地に失敗してしまったり、落下物にぶつかったりしてケガをしてしまうこともあります。
人間と同じように猫もけがをすれば痛みを感じますし、動くことができなくなります。
骨や関節などの整形的な痛みの場合は、血が出ることはほとんどないので外から見てもなかなかわかりにくいかもしれません。
また、外に行く猫の場合は、猫は毛でおおわれているので、猫同士のケンカなどでできてしまったケガも悪化してからでないと気が付けないこともあります。
ケガをしている場合、動くと痛いですし、猫自身も自然治癒を早めるために体力を温存しようとするので、寝てばかりになったり、体を動かすのを嫌がります。
猫は習性で、体の調子が悪いと自然界では敵に捕まりやすくなってしまう為、自己防衛本能が働き、例え家の中でも見つかりにくい場所に隠れるようになります。

精神的な問題

猫は気分屋で自分の好きな時にしか飼い主と遊んでくれなかったり、自分勝手なイメージがありますが、実は犬と同じくらい甘えん坊な性格です。
しかも、犬よりももっと繊細です。
疲れているからと猫と遊んであげなかったり撫でてあげなかったり、時にはまとわりつく猫を邪険に扱ってしまったり、怒ってしまったりすると、猫は大好きな飼い主に嫌われてしまったと感じます。
繊細な猫は精神的に落ち込んでしまい、元気がなくなってしまうことがあります。
猫が感じる精神的なストレスの原因は沢山ありますが、いくつか挙げてみましょう。

新しい家族や猫が増えた

猫は犬よりはるかにテリトリー意識の強い動物ですので、赤ちゃんなど新しい家族ができたり、新入りの猫が来たりすると大きなストレスを感じることがあります。
家族が増えることによる環境の変化は短期間に解決するわけではないため、猫のストレスも重症化する可能性があります。
いままで可愛がっていてくれた飼い主さんがいなくなったり、飼い主が変わることも同じように強いストレスに繋がります。
犬は比較的友好的で、ある程度の時間がたてば受け入れてくれることも多いですが、猫の場合はずっと許容できないという猫もいます。

家の中の様子が変わった

大きいところでは引っ越し、小さいところでは新しい家具の購入やレイアウトの変更がこれに当たります。
引っ越しがストレスであると知っている飼い主さんは多いようですが、家具の購入やレイアウトの変更が猫にとってストレスであることを認識している飼い主さんは意外に少ないようです。
特に目や耳が悪くなった高齢の猫の場合、部屋の位置関係が変わると生活に支障をきたすこともあります。
人間にとっては楽しいリフォームや家具の購入ですが、猫にとってはストレスになることを忘れないでください。

刺激が多すぎる、少なすぎる

飼い主さんの不在が多く遊んであげていない、狭い場所で上下運動する場所もないなどの環境は猫に日常的なストレスを与えます。
猫は寝ている時間も長いので放置していてもいいかなと思う飼い主さんもいますが、コミュニケーションをとって遊ぶ時間は非常に大切です。
逆に飼い主が過保護で猫を構い過ぎるケースも猫にとってストレスになります。
寝ている猫を起こしてまで遊ぼうとすることも猫にとってはストレスです。
人間の都合だけでなく、猫の生活ペースに併せて遊びも適度にすることが大切です。

大きな音や匂い

自宅や近所の工事などによる騒音が猫のストレスになります。
家の中のテレビの音や音楽などもボリュームが大きいと猫のストレスになります。
また、人間がいいにおいだと思うアロマや、香料の強い洗剤や蚊取り線香、殺虫剤などは嗅覚の鋭い猫にとって非常にストレスです。
体調に直接影響が起こる場合もありますので注意が必要です。

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病院に行った後

外に出ない猫は特に慣れていないので、外出するだけでもストレスです。
さらに、診察を受ければ猫のショックは計り知れません。
病院に行ったというだけで帰ってからも数日食欲不振に陥ることがあります。
ワクチン接種などなんらかの処置をした場合はとくにその影響で少しの間何も食べないことがあります。
猫が嫌がるので、できる限り病院に行きたくないと思うかもしれませんが、猫の健康を維持するためには定期的に病院で健康診断を受けることをお勧めしますので、少しずつ病院にも慣らしてあげるようにしましょう。

暑さや寒さ

猫は暑すぎる場所や寒すぎる場所は好みません。
よく、「猫が一番心地良い場所を知っている」と言われるように、猫は自分の縄張りの中で一番涼しい場所・暖かい場所を探して過ごしています。
しかし、密室などで空気の通り道がなく、逃げ場のない暑い場所や、暖房のついていない寒い部屋などにいると元気をなくしてしまいます。
暑いと熱中症や脱水症状になることもありますし、寒いと体温を温存するために動かずにじっとします。
特に、老猫になってくると自分で体温調節が上手くできなくなるため、夏に冷やしすぎてお腹を壊してしまったり、冬に熱いこたつで熱中症のようになってしまったりしてぐったりしてしまうこともあります。
猫は自分で室温を調節できないので、飼い主が部屋の環境に気を付けるようにしてあげましょう。

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病気

猫に多いと言われている尿管結石や腎臓病だけでなく、感染症や糖尿病など様々な病気が考えられます。
病気はケガよりもわかりにくい上に、猫が野生で生活していたときの名残りから、具合が悪いこと悟られまいと隅に隠れてしまうため、異常の発見が遅れます。
猫に少しでも元気がないと感じたら様子を見ずに病院に連れて行き、病気の早期発見・早期治療を心がけましょう。

自宅で見るポイント

なんとなく元気がないなと思ったらまずは注意深く観察します。
意識的に観察することで、何か他の症状に気付くことができるかもしれません。
体を良く触ることも大切です。
猫も撫でられるとうれしいので、コミュニケーションを兼ねて、全身をチェックして、痛がる場所はないか?いつもと違って嫌がる場所はないかなどチェックしてあげてください。
他には、トイレのチェックも重要です。
便や尿には体内の機能の健康情報が詰まっています。
下痢をしていないか、便に血が混じっていないか、尿の回数や量、色や臭いが変わっていないか、トイレにいる時間が長くないか、トイレの際に痛がって鳴いていないか、粗相をしていないかなどを確認してください。
他に何も異常が見つからなかったとしても、3日経ってまだ元気がないと感じるようであれば病院に連れていきましょう。
食欲がない場合には、丸1日食べなければ病気の可能性が高いので早めに病院に行きましょう。

健康診断を受けましょう

猫は不調を隠す動物なので、元気がないなどの症状が表れた時には病気がかなり進行しているという事もあります。
病気を早期発見するためには定期的な健康診断を受ける事が重要です。
健康診断の頻度としては、8歳未満であれば年に1回、8歳以上は半年に1回が目安です。
何度も病院に連れて行くのがかわいそうと思うかもしれませんが、ワクチンの際に一緒に検査をしてもらうなど工夫をしてみてください。
もし、病気の発見が遅れて病気が進行してしまうと猫にとってはよりつらい状況になってしまいます。

さいごに

猫は些細な事で元気をなくすとても繊細な動物です。
元気がなくなる原因は病気だけに関わらず、沢山あります。
中でも病気の場合は原因を突き止めるために詳しい検査が必要になります。
飼い主が見た目だけで原因を判断するのは難しいと思いますので、元気がないなと気づいたときはまず、猫をよく観察し、遅くても3日以内には診察を受けることをお勧めします。

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