泌尿器の症状

獣医師解説。猫の慢性腎不全の最期の延命治療や看取り方について

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「猫が慢性腎不全と診断されたけど、どんな風な症状が見られるといよいよ最期と判断したらいいのか知りたい」

「慢性腎不全の猫がすっかり弱ってきて、延命治療を続けるべきかどうか悩んでいる・・・」

このような悩みはありませんか?
猫の慢性腎不全は動物病院でも日常的に診察する機会の多い病気ですので、このような状況で苦悩する方は決して少なくありません。
今回はそのような飼い主の方のために、猫の慢性腎不全の中でも末期とはどういう状態なのか、また飼い猫が末期の慢性腎不全と診断された場合に、多くの飼い主の方が抱かれる疑問をピックアップして解説したいと思います。

末期の慢性腎不全ってどんな症状?

2015年より、血液検査で行われるCRE(クレアチニン)とSDMAという項目の値によって、猫の慢性腎不全はステージが1〜4に分類されるようになりました。
※SDMAとは、2016年から日本で測定することができるようになった新しい猫の腎機能マーカーのことです。
このステージ4の状態を「慢性腎不全の末期」というように表現されるのですが、簡単にステージ別の症状について解説していきたいと思います。

ステージ1〜2

「水をよく飲んで大量の尿をする」という多飲多尿以外の症状はほとんどないか軽度であることが多く、飼い主の方も猫に慢性腎不全が始まっているということに気付きにくい時期です。

ステージ3

慢性腎不全がステージ3になってくると、多飲多尿以外にも血液検査で貧血を指摘されたり、嘔吐や食欲不振といった症状が見られてきます。

ステージ4

いわゆる“尿毒症”という状態になり、元気食欲不振や頻回の嘔吐、むくみ、意識の低下、けいれんといった症状が出てくるようになります。
そしていよいよ腎臓が機能しなくなると尿が作られなくなり、“乏尿(ぼうにょう)”や“無尿(むにょう)”という状態になります。

参照:猫の慢性腎不全の末期症状とは?余命はどのくらいなの?

末期に行える延命治療ってどんなことがあるの?

一度失った腎臓の機能は元に戻らないため、残念ながら末期まで進行してしまった慢性腎不全で行える治療内容としては、検査結果や症状に応じた対症療法が主体となります。
具体的には、脱水や体のミネラルのバランスを整えるように点滴を行ったり、吐き気が強い場合は制吐剤や消化管の運動を助ける薬を投与したりします。
また食事を十分に採れない場合は、高カロリーの食事を強制的に与える必要が出てきます。
点滴や強制給餌の詳細については後述していますので、そちらを参考にしてくださいね。

猫の点滴の方法について教えて欲しい

点滴には静脈に直接行う“静脈点滴”と皮膚の下に行う“皮下点滴”とあり、どちらにもメリットデメリットがあります。
前者の場合はゆっくりと行う点滴のため入院での管理が必要になりますが、脱水は速やかに改善されますし、カリウムなどのミネラルの異常が見られる場合にも適しています。
一方後者の場合は、数分から10分程度と比較的短時間で済むため通院治療が可能で、操作も慣れれば簡単なので飼い主様にご自宅で行ってもらうことができますが、点滴液に制限があるためミネラルを補正したい場合には適していません。
どちらを選択するのかは血液検査の結果や猫の症状次第になりますが、「最初は入院下で静脈点滴を行って、調子がよくなったら在宅での皮下点滴に切り替える」という方法もありますので、飼い猫の治療としてどのパターンがベターなのかは獣医師と相談してみるようにしましょう。

治療を行ってもフードをほとんど食べてくれない場合はどうしたらいいの?

よく「点滴をしていればフードを食べなくてもよい」と勘違いされている方がいらっしゃいますが、点滴の中のカロリーはゼロか非常に少ないもので、1日に必要な摂取カロリーを補うことはできません。
では、積極的な対症療法を行ってもなかなか食欲が出てこない場合にどうしたらいいのか?というと、一つは食べるものならなんでもいいから療法食にこだわらず美味しそうなフードを与えてみるという方法があります。
体調が悪いと味に飽きやすいので、嗜好性の高い市販のパウチや缶詰をとっかえひっかえ与えてみるというのもいいでしょう。
また、電子レンジで少し温めてあげると匂いがたつので、食欲が増進することもあります。
それでも痩せてきてしまう場合というは“強制給餌”という方法があります。
強制給餌には口からシリンジと呼ばれる注射器で流動食を少しずつ与える方法と、“経鼻カテーテル”といって鼻にチューブを通してそこから喉の奥に食事を流しこむという方法があります。
食べたくないものを無理矢理口に入れることに抵抗のある飼い主の方は、経鼻カテーテルを選択してみてもいいと思いますが、経鼻カテーテルも鼻の中にチューブを入れるわけですから全く苦痛を伴わないわけではありません。
また経鼻カテーテルは猫がくしゃみをしたり、猫が自分の手で抜いてしまうことが多く、個人的には食事の度にチューブを入れなくてはいけないためご自宅で行うのは難しいかと思います。
なお、長期間設置できる強制給餌用のチューブには経鼻カテーテルよりも、“食道チューブ”や“胃チューブ”がありますが、全身麻酔が必要です。
現在の猫の状態が全身麻酔に耐えられるかどうか、判断しなくてはいけません。

参照:慢性腎不全の猫が食事を食べないけどどうしたらいいの?

猫も人間のように透析を行うことはできないの?

一般的な対症療法を行っても症状が改善されない、点滴を行ってもBUNやクレアチニンの値が下がらない場合に検討する一つの選択肢として“腹膜透析”が挙げられますが、いくつかデメリットがあります。
具体的には、腹膜透析を行うためにはお腹の中に専用のチューブを入れなくてはいけないのですが、痛みを伴うため麻酔が必要であるということ、そして設置したチューブを猫が気にして外してしまったり、もしくは曲がったり目詰まりして使用できなくなることがあること、人間では在宅治療として普及している方法ですが、猫では透析自体の操作がやや煩雑で透析液を回収するのに時間がかかるため多くの場合入院が必要であること、当然ながら治療費用は高額になること、などが挙げられます。
なお、人間の慢性腎臓病では末期になると上記の腹膜透析以外にも血液透析や腎移植がその選択肢として挙げられますが、猫の場合はごく限られた病院でのみ実施されています。
特に腎移植に関しては、手術の難易度だけでなくドナーとなる猫に重大な負担をかけるなど倫理的な面もあり、実施している病院は多くありません。
これらは一般的な動物病院で普及している治療の選択肢ではないので、もし興味がある方はかかりつけの動物病院の先生に相談してみて下さい。

いよいよ猫が弱ってきた。治療をやめて自宅で看取るべき?

飼い主の方がいろいろな手を尽くしてきても、それでも残念ながら最期の時は訪れてしまいます。
そして、どのタイミングですべての治療を打ち切るかは我々獣医師としても非常に悩ましい問題です。
あくまで筆者の個人的な考えですが、「猫がかなり弱っていて、あらゆる方法を試してみたけれど症状も検査数値も改善が見られない」のであれば、治療を中止して大好きな自宅でのんびり過ごさせてあげる、というのも一つの選択かと思います。
また、そのような状態になった猫であっても飼い主の方がどうしても治療をやめるという踏ん切りがつかないのであれば「今の私ができる限りの手を尽くしてやりきった」と感じるまで治療を続けられた方が、猫が亡くなった後に「あの時もっとこうすれば良かった」という後悔の念に駆られないように思います。
逆に獣医師がみて「この猫の状態ならもうちょっと治療すれば、もう少し元気になりそうだな」と感じていても、飼い主の方の死生観で治療を続けないこともあれば、経済的そして時間的事情で行う治療に限りがあるという方もいらっしゃいます。
そのような場合は当然のことながら飼い主の方の希望を尊重しながらの治療になるでしょう。

参照:慢性腎不全の猫の治療を継続する、しないの判断はどうしたらいい?

さいごに

「どんな看取り方をするのか」に絶対という正解はありませんので、遠慮せずに獣医師に相談しましょう。
筆者も飼い主として何匹も猫を看取ってきましたが、大好きな飼い主の方に寄り添ってもらい、居心地のいい寝床で天寿を全うできればその猫は幸せだったのでは、と思うようにしています。





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