「猫の耳にかさぶたができているけど原因は何?」
「猫の耳にかさぶたができるような病気ってある?」
なんてあなたは思ってはいませんか?
猫の耳に急にかさぶたができたらきになりますよね。
猫の耳にかさぶたができてる場合どのようなことが考えられるのでしょうか?
この場合の耳とは、ぴょこんと立っている部分、スコティッシュ・ホールドやアメリカンカールではくるんとしている部分のことですね。
ここを耳介(じかい)と呼びます。
外側には毛は生えていますが、他の部位よりは薄く、長さも短いため、かさぶたやぶつぶつがあるなど異変に気付きやすい部分と言えます。
今回は耳介にできるかさぶたの原因についてお話していきたいと思います。
目次
粟粒性皮膚炎(ぞうりゅうせいひふえん)
症状
両耳の耳介の外側に硬いボツボツとした粟粒くらいの大きさの丘疹が多発するのが特徴です。
激しいかゆみとともに、掻いたりなめたりすることで、脱毛や皮膚のただれが起こります。
原因
アレルギーが原因となっていることが多く、耳や鼻の頭にできるものは蚊などの虫刺されによるアレルギーでおこることが多いとされています。
蚊が原因の場合は夏場の発生が多くなりますので、症状に季節性があります。
治療
アレルギーの治療としてステロイドの投与を行います。
二次的に掻きこわしによる細菌性皮膚炎が起こっている場合は抗菌薬の投与も行います。
日光皮膚炎
原因
日光に含まれる強い紫外線を繰り返し浴びることによって発症します。
このため、紫外線の強い地域に住み、外出や日光浴を好む猫で、さらに、白色や色素の薄い被毛を持つ猫に起こりやすい皮膚病です。
症状
耳の先端、鼻先といった毛の少ない部位や皮膚の薄い目や口の周り、色素の薄い部位に、赤みや脱毛、フケなどが見られます。
かゆみをともなうため、自分でかいて傷つけて出血することがあります。
皮膚炎が悪化すると、潰瘍ができたり、逆に皮膚が硬く分厚くなることもあります。
耳の先端や辺縁の症状がひどいときには、そこが黒いかさぶたで覆われたり、耳がギザギザに変形することがあります。
また、長期間に渡って紫外線を浴びることで、扁平上皮がんという皮膚がんに進行することがあります。
治療
皮膚の炎症がひどい場合は、抗炎症剤の投与を行います。
かゆみが強く、自分でひっかいて傷を負ってしまっている場合や、出血や潰瘍がある場合には、細菌感染を抑えるために抗生物質を投与します。
日光皮膚炎の予防では、紫外線対策が重要となります。
日光浴の時間を制限したり、窓ガラスにUVカットフィルムをつける、室内飼いを徹底するといった方法があります。
扁平上皮癌
原因
日光皮膚炎が長期間続いたときに、扁平上皮がんに移行することが多いとされています。
発生部位
鼻筋や耳介、皮膚の薄い眼瞼や、外からは見えない口の中、鼻の中にも発生します。
白猫や色素の薄い部位で発症しやすい傾向にあります。
症状
初期には自覚症状がなく、外見的には皮膚の赤み、脱毛、フケなど軽度の皮膚炎や擦過傷のようにみえます。
やがて進行すると脱毛、炎症、出血、潰瘍をおこし、かさぶたが何度も取れてもまた出血する等なかなか治らない重度の皮膚炎のように見え、次第に患部がえぐれて脱落することもあります。
予防
室内で飼育することを徹底することで紫外線の影響を受けにくくします。
猫は家の中でも日当たりが良い場所を好みますので、窓にはUVカットフィルムやカーテンで直射日光を避けてあげるとよいでしょう。
日光皮膚炎の時点でしっかり治療することが重要です。
治療
扁平上皮癌は転移が少ない癌ですが、広がりの速い癌ですので、早期に外科手術で患部を摘出することが最善です。
初期には凍結療法や電気焼却で取り除くこともできます。
ツメダニ症
原因
体長0.3~0.5mm程度の非常に小さい、ツメダニが寄生することによって発症します。
肉眼で見つけることはやや困難ですが、ツメダニが猫の体表を移動する際に寄生部位でフケが動いているように見えることがあります。
体の前方についた鋭いつめが最大の特徴で、このつめで宿主の皮膚に取りつき、傷をつけて体液やリンパ液を摂取しながら生きています。
人にも感染する人獣共通感染症ですが、ツメダニは人の皮膚の上では繁殖できないため、一過性の症状を引き起こしたのち、自然に消滅していきます。
ただし猫では継続して症状を引き起こしますので、早期の治療が必要です。
感染経路
感染した猫との直接的な接触や、感染猫を触った人間との間接的な接触によって起こります。
症状
寄生部位に大量のフケ、湿疹やかさぶた、脱毛するといった症状が見られます。
症状はおもに頭部や耳介、背中に多く、しっぽの付け根やお腹に出ることもあります。
なお、ツメダニ症になった猫自身にはあまり強いかゆみは見られませんが、人がツメダニに感染すると、強いかゆみや痛みを生じます。
治療
薬浴やフィプロニルのスポットオンやスプレー、セラメクチンを含んだスポットオンの投与、イベルメクチンの投与を行います。
多頭飼育の場合は集団感染していることが多いので、全頭を治療しつつ、飼育環境の徹底的な清掃・消毒が必要になります。
疥癬(かいせん)
原因
猫ショウセンコウヒゼンダニというダニが寄生することで発症します。
感染している猫と直接触れ合ったりすることで感染が起こると考えられています。
また、飼い主が外で疥癬に感染した猫を抱っこしたりなでたりした際に、衣服にダニを付着させて持ち帰り、飼い猫に感染する場合もあります。
人間にも移り、激しいかゆみを引き起こしますので注意が必要です。
症状
初期には顔面や耳介の皮膚に脱毛や赤い発疹(ブツブツ)ができ、フケやカサブタが目立つようになります。
これにともない、皮膚が肥厚してくるため、顔や耳の皮膚にシワシワができ、まるで年をとった猫のように見えます。
時間がたつにつれ、猫ヒゼンダニは体の他の場所にも寄生し、背中や四肢、腹部にまで病変部が広がることがあります。
かゆみの程度は様々で、あまり気にせず時々かくくらいの猫もいれば、かゆみのあまり血が出るくらいかきむしる猫もいます。
治療
おもにダニ駆除剤の投与を行います。
フィプロニルのスポットオンやスプレー、セラメクチンを含んだスポットオンの投与が有用です。
続発性の細菌感染を予防するため、抗生物質の投与が行われることもあります。
多頭飼いの場合は、ほかの動物も一緒に治療します。
治療期間中は猫がよく使用する猫用ベッドなどの布類や室内を掃除して猫の生活環境からダニを駆除し、再発を防ぐようにします。
⇒猫の疥癬とは?原因や症状、治療方法は?どんな薬やシャンプーが有効?
皮膚糸状菌症(ひふしじょうきん)(白癬:はくせん)
原因
皮膚糸状菌といわれる真菌(カビ)の感染が原因で発症します。
皮膚糸状菌は接触感染するため、すでに感染している犬や猫、人などと接触したり、菌に侵された環境下に行って体に皮膚糸状菌をくっつけてきたりすると感染してしまうことがあります。また、子猫や免疫の低下している成猫は感染しやすい傾向があります。
このため、猫白血病ウイルス(FeLV)や猫免疫不全ウイルス(猫エイズ)といったウイルスに感染していたり、ほかの病気を患っていたり、栄養不良になっている成猫などでは、発症が多く見られます。
症状
顔や耳、四肢などに円形に近い形の脱毛(リングワーム)ができ、その周りにフケやかさぶたが見られます。
分厚いかさぶたをともなうブツブツが見られることもあります。
一般的にあまりかゆみはありません。
治療
病変が局所的な場合は、抗真菌薬の配合されているローションや軟膏を塗布します。
薬を塗りやすくするために被毛を剃ることもあります。
病変部が広範囲に広がっているような場合は、殺菌効果のある内服薬を投与します。
また、抗真菌薬の入ったシャンプーで薬浴を行うこともあります。
環境からの再感染が起きないよう、猫が使用しているものは洗濯したり消毒したりし、かつ、屋内の床や壁などもできるだけ清掃するように心がける必要もあります。
皮膚糸状菌症を誘発するようなほかの病気がある場合には、その病気の治療も行います。
⇒猫がカビに感染?!皮膚糸状菌症の症状や原因、治療法、シャンプーについて解説
さいごに
耳にかさぶたができるといっても、寄生虫の感染から癌まで様々な原因が考えられます。
しかし、症状だけで何の病気かを判断することはできません。
痒みの有りなしにかかわらず、かさぶたを発見した時点で病院で原因を調べてもらうのが良いでしょう。
今回は耳介の病気についてお話ししましたが、耳の中が痒くて掻いたときに二次的に耳介を傷つけて出血し、かさぶたができることも多くあります。
耳の皮膚だけでなく、耳の中に異常がないかどうかも見てあげるようにしましょう。
「動物病院に連れていきたいけど治療費はどのくらいかかるんだろう?」
「愛猫の病気を治してあげたいけど高額費用を支払う余裕がない…」
という飼い主さんはとても多いです。
動物病院で治療する場合、病気によっては10万円以上かかってしまう場合もあります。
動物病院で治療すれば助かった命は実に多いです。
経済的な問題で愛猫の寿命を縮めないためにも愛猫が元気なうちにペット保険に加入することが大事になります。
でも「ペット保険っていうけど、どういう保険があるの?」という疑問も出てくるかと思います。
ペット保険の加入に迷った場合には、ペット保険の一括資料請求がおすすめです。
複数のペット保険の資料を比較することで「あなたと愛猫にとって一番ベストの保険が分かる」というメリットもあります。
利用は無料です。詳しくはこちらをご覧ください。
>>>ペット保険の一括資料請求を試しに見てみる(無料)<<<