耳の症状

猫が耳をかゆがるのなぜ?かゆい原因と病気について解説

投稿日:2017年5月17日 更新日:

 

「猫がやたらと耳をかゆがっているし、耳垢も多い。どんな病気が原因なの?」

「猫が耳を掻きすぎたせいか、耳からの出血が止まらない!やっぱり動物病院に連れて行った方がいい?」

このような経験や疑問はありませんか?

猫がいつもよりも頻繁に耳を掻いたり、頭を振っているような仕草が見られるなら、それは猫が「耳にかゆみや痛みといった違和感」を感じているサインと考えられます。
今回は、「猫が耳をかゆがる病気」をピックアップして、その原因や治療法ついて解説したいと思います。

猫が耳をかゆがるのはどんな時?

猫が耳をかゆがる原因には、①耳の中耳の中(耳道)に異常がある場合、②耳介(耳の一番外側)に異常がある場合の2つのパターンが考えられます。

耳道の異常

猫の耳道に起こる病気には、外耳炎(耳ダニ症、細菌性外耳炎、マラセチア性外耳炎)や良性もしくは悪性腫瘍(鼻咽頭ポリープ、耳垢腺癌)が挙げられます。
猫の耳の中をみて、耳垢が異常に多い、しこりができている、耳だれを起こしている、変な臭いがする、といった異常はないか確認してみましょう。
かゆみが強いと、耳介の後ろを掻き壊してしまい、ひっかき傷や出血、脱毛が出来ることもあります。

耳介の異常

猫の耳介に起こる病気には、皮膚炎(疥癬や粟粒性皮膚炎など)や腫瘍(扁平上皮癌)が挙げられます。
耳介の皮膚が赤い、出血している、かさぶたやフケで皮膚がガサガサしている、しこりのように腫れているなどの異常がないか観察してみましょう。

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外耳炎ってどんな病気?

外耳炎になると耳の中に痒みや違和感が出るため、耳をよく掻く、頭を振る、耳垢が多くなるといった症状が見られるようになります。
猫に見られる外耳炎には、耳ダニ症、細菌性外耳炎、マラセチア性外耳炎が挙げられます。

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耳ダニ症

“耳ダニ”とは正式には“ミミヒゼンダニ”という寄生虫のことをいい、このダニの寄生によって外耳炎が引き起こされる病気を“耳ダニ症”と言います。耳ダニ症は、猫の外耳炎で一番多い原因になります。
この病気は、子猫での発症が多い病気であるということ、茶褐色〜黒色のカサカサした耳垢が大量に発生するということが特徴です。
治療法としては、耳洗浄、耳ダニ用の駆虫薬の投与を行います。
また、同居動物にも感染する可能性があるため、駆虫が完了するまでは接触をさけたり、駆虫薬を投与して予防することも大切です。

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細菌性外耳炎

細菌感染によって起こる外耳炎を“細菌性外耳炎”といいます。
この病気になると、黄色〜黄緑色のドロッとした耳垢がでることが多く、腐ったような臭いがすることがあります。
猫では細菌性外耳炎が単独で起こるよりも、耳ダニ症や鼻咽頭ポリープなど他の耳道の病気から二次的に引き起こされることが多いとされています。
治療法としては、殺菌効果のある洗浄液を用いた耳洗浄、抗菌薬の入った点耳薬や内服薬の投与を行います。

マラセチア性外耳炎

猫の皮膚には“マラセチア”と呼ばれるカビの一種が、常在しています。
何らかの原因で外耳道の免疫力が低下して皮膚のバリア機能がうまく働かなくなると、マラセチアが異常に増殖してしまい外耳炎を引き起こします。
マラセチア性外耳炎になると、茶色~茶褐色でベタベタした耳垢が見られるようになります。
治療法としては、耳洗浄を行うこと、抗炎症薬や抗真菌薬の入った点耳薬の投与を行います。

耳垢腺癌ってどんな病気?

外耳道には“耳垢腺”とよばれる分泌腺が存在し、それが悪性化したものが耳垢腺癌になります。
耳垢腺癌ができると、始めは耳だれなどの症状がでるため外耳炎と勘違いされてしまうこともありますが、通常の外耳炎の治療を行っても改善することはありません。
進行すると外耳道全体にしこりが塞がってきたり、中耳や内耳を超えて脳まで広がってしまうこともあります。
治療法としては、全耳道切除術という外科手術になりますが、進行度合いによっては手術が行えない場合もあります。

鼻咽頭ポリープってどんな病気?

鼻咽頭ポリープとは、猫の耳の奥(中耳や耳管)から発生した炎症によるしこりで、外耳道や鼻、のどの奥にまでそのしこりが大きくなることによって様々な症状を引き起こします。
ポリープが外耳道に広がっている場合は、耳の中に液体や血液が溜まったり、耳垢が多い、耳を掻く、頭を振るなどの外耳炎と似た症状が出ます。
また、ポリープがのどの奥にある場合は鼻詰まりや物が飲み込みづらいなどの症状が出ます。
この病気は若齢の猫での発生が多く、高齢猫の発生は稀です。
ポリープを取り除く簡便な治療法としては、内視鏡等で見える範囲でのポリープの切除することになります。
それをおこなっても再発や症状の改善が得られない場合は、鼓室包切開という外科手術を行います。

疥癬(かいせん)ってどんな病気?

疥癬とは、“猫小穿孔ヒゼンダニ”というダニが寄生することによって起こる皮膚病で、非常に激しいかゆみを引き起こす病気です。
感染の初期には耳介や顔面の皮膚に脱毛や赤いぶつぶつとした発疹が見られたり、フケやカサブタが増えたりしますが、病状が進行してくるとまるで象のように皮膚が分厚くなってきます。
なお、猫だけでなく人間や犬にも感染することがあるため、接触には注意が必要です。
疥癬の治療には殺ダニ効果のある注射薬もしくは外用駆虫薬を使用します。
またシャンプーで堆積しているフケを洗い流すことも効果的ですが、洗浄している人にダニが感染しないような対策(ゴム手袋や使い捨てエプロンの装備など)も必要です

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粟粒性皮膚炎(ぞくりゅうせいひふえん)ってどんな病気?

猫に粟粒(あわつぶ)のような小さな赤い発疹を作る皮膚炎を“粟粒性皮膚炎”と総称しています。
耳介に粟粒性皮膚炎を起こす原因の代表的なものに、蚊の刺咬症や皮膚糸状菌症が挙げられます。
蚊の刺咬症とは、蚊の唾液に対するアレルギー性皮膚炎で夏に発病し、毛の薄い耳や鼻などに赤い発疹がみられるのが特徴です。
この病気の治療法としては、蚊に刺されないように室外に出ないようにすること、皮膚の炎症を抑えるためにステロイド剤を投与します。
皮膚糸状菌症とは、皮膚糸状菌とよばれるカビの感染によっておこる皮膚炎です。
典型な症状の例としては、円形の脱毛とその周囲にフケやカサブタが見られる“リングワーム”という病変があり、顔や耳、四肢によくできますが、重症例では全身に見られることもあります。
治療法は、抗真菌剤の全身投与や抗真菌剤の入ったシャンプー療法が必要ですが、治療には数ヵ月以上かかることも珍しくありません。
また、人や同居動物にも感染する病気なので、感染の拡大には注意が必要です。

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扁平上皮癌ってどんな病気?

扁平上皮癌とは、表皮にある角化細胞が腫瘍化した病気です。
猫の耳介には、扁平上皮癌の他にも肥満細胞腫や線維肉腫などの軟部組織肉腫といった悪性腫瘍ができることがありますが、中でも扁平上皮癌では発生頻度が高く、かつ猫が耳に違和感を感じることが多く、頭を振ったり掻いたりする仕草が見られやすい病気です。
猫の皮膚にできる扁平上皮癌は、長時間の紫外線を浴び続けることが発症原因と言われており、毛色が白いもしくは薄い猫では特にこの病気の発症リスクが高いことが知られています。
扁平上皮癌の初期は皮膚の赤みや脱毛といった皮膚炎に似たような症状で、やがて進行してくると皮膚の一部が出血したりカサブタができるようになります。
この病気の治療法としては、外科手術になります。

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さいごに

猫が耳をかゆがる病気の中には、耳ダニ症や皮膚糸状菌症など他の動物や人間に感染する可能性のある病気が含まれています。
明らかに耳垢が多い、フケや脱毛といった症状が見られるなら、早めに動物病院を受診して診断をつけてもらうように心がけて下さいね。

関連記事になります。合わせてご覧ください。

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愛猫のために知ってほしいこと


「動物病院に連れていきたいけど治療費はどのくらいかかるんだろう?」

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