全身の症状

猫の食欲はあるのに痩せる。原因は何?病気のサイン?

投稿日:2016年12月7日 更新日:

猫

「最近よくご飯を食べるなぁ」「お皿がすぐ空っぽになるな」と思っていたら、「あれ?元気はあるのに痩せてきてる?」と気づいた時、それは病気なのでしょうか?
考えられる原因や病気についてお話ししていきます。

運動量が増えた場合

食べても体重が減ってしまうという場合、運動量が増えたという可能性があります。
摂取カロリーよりも消費カロリーが上回れば当然、体重は減っていきます。
この場合、病気など体に異常があるのではなく、運動で体重が減っているだけなので特に問題はありません。
運動量が増え、適正な体重よりも痩せてしまった場合は、食事の量を増やしたり、少し高カロリーな食事にするなどして対処しましょう。

年齢や体質に合っていない食事

年齢や体質に合っていない食事を与えている可能性があります。
例えば、若い猫に高齢猫用の食事を与え続けたり、間違った手作り食を与え続けると、摂取カロリーが足りず痩せてしまうことがあります。
高齢猫は運動量が減るので、食事のカロリーを少なくしている商品も少なくありません。
また、ダイエットの必要の無い適正体重の猫に、ダイエット用のフードを与えても、やはりカロリーが不足し食べても痩せる事があります。

糖尿病

猫

原因

膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの異常でおこります。
インスリンは血液の中の糖を細胞内に取り込む働きをしているので、インスリンが働かなくなると糖が血液の中に残ったままになり、「高血糖」と言われる状態になります。
これを「糖尿病」と言います。
アミロイドーシス、慢性膵炎、遺伝などにより膵臓の機能が破壊されて、インスリン自体の分泌ができなくなる「Ⅰ型糖尿病、インスリン依存性糖尿病」と肥満やストレス、運動不足といった環境要因や慢性的な炎症により、インスリン自体は正常に分泌されているのにも関わらず、正常に作用できない「Ⅱ型糖尿病、インスリン非依存性糖尿病」の2つの種類があります
猫では「Ⅱ型糖尿病」の割合が多いとされています。

症状

糖は水分を引き込む性質を持っているため、高血糖になると体の水分が血管内に引き込まれ尿として排泄されてしまうため体は脱水し、それを補うためにたくさん水を飲む、多飲多尿(たいんたにょう)という状態がおこります。
糖は体のエネルギー源ですので、糖を取り込めなくなることで体は栄養を取れていないと勘違いし、異常に食べるようになりますが、いくら食べても栄養として吸収できないので、痩せていきます。
進行すると、かかとを地面につけて歩くようになるなど、神経系に異常が起きたり、代謝異常から体内にケトン体という酸性物質が蓄積し、体液が酸性に傾くケトアシドーシスという状態になります。
次第に、嘔吐、下痢、呼吸がはやくなる、口を開けて呼吸をする、意識障害を起こしてふらつくなどの症状も見られるようになります。
治療に十分反応しない場合などでは、最終的に昏睡状態に陥り、死に至ることもあります。

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治療

インスリンの注射で血糖値をコントロールします。
また、血糖値が急激に上昇しないよう、食事療法も併用します。
インスリン非依存型糖尿病の場合、原因となっている病気や肥満、ストレスなどの改善によっては、インスリン注射が必要でなくなる場合もあります。
猫の糖尿病では、必要なインスリンの量が変わってくることがあるため、定期的な検査によってインスリン量の再決定を繰り返す必要があります。
長期の治療が必要な病気のため、獣医師とよく相談しながら食事量や運動量、検査時期などを決めていくようにしましょう。

予防

糖尿病は、日頃からストレスや肥満を防ぐことが一番の予防になります。
猫にとってストレスにならないような環境を整え、適度な運動と適切な飼育・管理を行います。また、動物病院で定期的な健康診断を受けて、早期発見・早期治療を心がけましょう。

甲状腺機能亢進症

猫

原因

8歳以上の中~高年齢の猫に発症することが多く、甲状腺の腫れ、良性腫瘍などにより、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されておこります。
この過形成の発症原因はわかっていません。
ごくまれに甲状腺がんによって発症する場合もあります。

症状

甲状腺ホルモンは全身の代謝を司っているホルモンで、過剰に分泌されると代謝が異常に亢進して様々な症状を起こします。
食欲旺盛なのにやせたり、多飲多尿になったり、動きが活発になるなど、病気というよりむしろ元気と錯覚するような様子が見られるほか、落ち着きがなくなったり、ときに攻撃的な性格になることもあります。
嘔吐や下痢をすることもよくあります。
そして病態が進行してくると、今度は逆に食欲や活動性が低下してきます。
甲状腺ホルモンは全身の代謝に関わっているため、心臓や、肝臓など様々な臓器にも影響を及ぼします。

治療

甲状腺ホルモンの数値を測りながら、抗甲状腺薬剤を投与する治療方法が一般的です。
内服が困難な場合は、食事療法を行うこともあります。
外科療法では、腫大した甲状腺を切除します。

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猫回虫

寄生虫に感染してしまうと、寄生虫が栄養素を吸収してしまったり、吐いたり、下痢による吸収不良で食べているのにも関わらず、栄養素・カロリー不足となり体重は減っていってしまいます。
7~10㎝程度の白く長い寄生虫で、便に混ざって排出された回虫の卵がグルーミングなどで口に入ることで感染します。
また回虫の卵が入った糞便を食べたネズミや小鳥を捕って食べることで感染することもあります。
回虫の虫卵が人の体内に入った場合、ふ化しても人の体の中では成虫になれないので、幼虫のまま体の中を移動します。
通常は肝臓や肺にたどりつくことが多いのですが、幼児ではまれに目の組織の中に入り込み、視覚障害を起こす危険性もあります。

膵外分泌不全症

猫

原因

慢性膵炎や、膵臓の萎縮、寄生虫の感染などが原因で、膵臓から分泌される消化酵素(アミラーゼやリパーゼ)が十分に分泌できなくなった状態です。

症状

膵臓の消化酵素は炭水化物、脂質、タンパク質という三大栄養素全ての分解に関わっているため、分泌が行われなくなると、消化不良が症状の中心となります。
食欲が旺盛でたくさん食べているのに痩せてしまい、大量の便が出ます。
便の色は白っぽく、脂を多く含む脂肪便になったり、下痢が起き、脂が腐ったようなすっぱい異臭がします。
自分の糞を食べてしまう「食糞」行動が見られることもあります。

治療

一度失われた膵臓の機能が回復することはないため、一生涯の継続が必要です。
不足している消化酵素を食事に混ぜ、補給を行います。
また、消化酵素を働きやすくするために胃酸の分泌を抑える胃酸分泌阻害薬を併用します。
脂肪がうまく消化できないので、低脂肪の食事を与えます。
消化しやすいように1回の食事量を減らして回数を増やしたり、食物繊維を少なめにするのも有効です。
必要に応じてビタミンB12や抗生物質の投与も行います。

さいごに

猫が異常な食欲にもかかわらず痩せてくる場合は、食べている食事がきちんと吸収されていないことを表しています。
ごはんの食べ具合だけを見て「よく食べてるな」と満足していると、猫は毛がフサフサしていることもあり、痩せてきたことに気付かないことがあります。
定期的に体重を測って変化をみておくことも重要です。
水をよく飲んだり、便に変化が現れたり、他の症状が起こっていることも多いので、体が発する信号を注意してみてみましょう。

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