「猫の肉球が赤くなって痛そうにしているけど、なんの病気?」
「猫の肉球が白っぽくなっている気がするけど、動物病院に行った方がいい?」
こんな症状が見られたら、飼い主の方は心配になりますよね。
結論から言うと、肉球が赤い場合は外傷や形質細胞性足底皮膚炎の可能性があります。
また白い場合は気温の低下や貧血が考えられます。
紫の場合はチアノーゼの可能性があり深刻度は高くなります。
そのことについて今回は猫の肉球の色からどんなことがわかるのか、解説したいと思います。
目次
猫の肉球について
まずはプニプニと柔らかく猫のチャームポイントともいえる肉球とは、一体どんな機能をしている部位なのか、見ていきましょう。
肉球の役割とは?
肉球には、ジャンプしたり高いところから飛び降りたりする時の衝撃を緩和するクッション材としての役割があります。
また肉球を持っている動物の多くが肉食動物であることから、獲物に近づく際に気付かれないように足の裏が柔らかい肉球によって足音を消す効果があると考えられています。
もし肉球が無くなってしまうと、骨が直接地面に触れてしまったり、皮膚がすれてしまうため非常に強い痛みを伴いますので、正常な歩行のためには肉球は非常に重要な部位と言えます。
肉球の構造とは?
肉球は歩行時に常に地面に触れている部位ですので、人間のかかとと同様に通常の皮膚に比べ非常に厚い角質層で覆われてます。
室内飼いの猫に比べ室外で生活している猫は肉球が硬くなる傾向にあり、また表面にはザラザラとした細かな突起があることで、滑り止めとしての効果があります。
そして角質層の下には、プニプニとした柔らかいクッションのような弾力を作る脂肪やコラーゲン、弾性繊維といった構造があり、外部の刺激から血管や神経を保護しています。
また肉球の周りには汗腺が発達しているため、動物病院に連れて行くなどの極度の緊張状態になると、肉球の周りの毛がびっしょりと濡れるほどに汗をかくことがあります。
肉球の正式名称や色
肉球には正式名称があるのをご存じでしょうか?
前肢の真ん中にある一番大きな肉球を「掌球(しょうきゅう)」と言い、それぞれの指についている小さい肉球を「指球(しきゅう)」、手首のところにある細長く飛び出た固い肉球を「手根球」と言います。
後肢の場合は、一番大きな肉球を「足底球」、指についている小さな肉球を「趾球(しきゅう)」と言います。
肉球の色や模様には毛色と同様に個体差があり、成長に従い変化してくることもよくあります。
猫の肉球が赤い!どんな病気が考えられる?
では、肉球の色が赤くなってしまう病気にはどんなものがあるでしょうか?
外傷
肉球が赤くなった場合、一番に疑われるのは外傷です。
様々な原因で肉球に傷がつきますが、高いところから降りる際にすりむいたり、落ちていたガラスの破片やケンカなどで傷を負うこともあります。
・軽い傷の場合
軽い擦り傷程度であれば、よく水道水で患部を洗い流し、ワセリンを塗ってあげて保護するとよいでしょう。
・深い傷の場合
肉球に深い傷を負った場合は少し厄介な状態になりやすいですので、早めに動物病院を受診しましょう。
というのも、肉球はドーム状をしているため、深い傷になると傷口が開きやすく、歩行時にはどうしても体重がかかってしまうため傷がふさがりにくいことがよくあります。
またバンテージをしても歩行時に取れやすかったり、猫が気にして囓り取ったりすることがあるため、肉球の大きな傷は完治までに時間がかかることがあります。
形質細胞性足底皮膚炎
形質細胞性足底皮膚炎とは、肉球の一部が赤く腫れてむくんだり、出血したり潰瘍(皮膚がめくれてしまう状態のこと)を起こす病気で、肉球に白血球の一種である形質細胞が多く見られることから、その名前が付きました。
この病気は一つの肉球にのみ起こることもありますが、複数の足の肉球に同時にみられることもあります。
なぜ形質細胞性足底皮膚炎になってしまうのか、はっきりとした原因はわかっていません。
中には自然に治癒してしまうこともあるのですが、一般的な治療法としては、免疫を調整する作用のある抗生物質や副腎皮質ホルモン剤(いわゆるステロイド剤)の投与などが行われます。
薬を飲んでいてもなかなか治らない場合は、腫れている肉球の一部を切除する手術の実施を検討します。
猫の肉球が白い!どんな病気が考えられる?
肉球の色が白くなってしまう病気にはどんなものがあるのか、解説します。
気温が低いとき
気温が低いと手足が冷えてしまい末梢血管が収縮するため、肉球が全体的に白っぽく見えることがあります。
後述の貧血と区別するためには、口の中の歯茎や舌などの粘膜の色を確認すると良いでしょう。
貧血
元々ピンク色をしている肉球の色が全体に白っぽく変化してきた場合に、考えられる病気が貧血になります。
肉球だけでなく、歯茎や舌なども飼い主の方が気づかれるくらい明らかな白さなら、重度の貧血になっている可能性があります。
貧血はいろいろな原因で引き起こされますが、若い猫ならば猫白血病ウイルスが関連した骨髄の病気や、高齢の猫なら腫瘍などの重大な病気が潜んでいることがあります。
肉球の色の変化以外にも元気食欲がない、下痢や吐き気がある、痩せてきたなどの症状はないでしょうか?
貧血の原因を特定するためには動物病院で詳しい検査が必要です。
疑わしいと思われたら早めに動物病院に連れて行きましょう。
⇒猫の貧血の症状や原因、治療方法や費用は?食事や改善方法も解説
猫の肉球が紫!どんな病気が考えられる?
猫の肉球が紫色になってしまう病気にはどんなものがあるのか、解説します。
大動脈血栓塞栓症
猫では中高齢になると肥大型心筋症という心臓病を発症することがあり、特にアメリカンショートヘアー、メインクーン、ラグドール等の猫種の肥大型心筋症には遺伝的な要素が関連していると言われています。
肥大型心筋症になると心臓がうまく収縮することができず、心臓の中に血液が停滞しやすくなるため、大きな血栓が作られるようになります。
この血栓が血流に乗って大動脈内に入ると、足の付け根の血管が細くなってくる場所に詰まり、足に行く血流が遮断されます。
その結果、肉球の色が青紫色になったり(末梢性チアノーゼ)、後ろ足が立たなくなって前足だけで動いたりするという典型的な症状が表れます。
稀に前足にも血栓がつまって体を動かすことができなくなったり、その他にも非常に強い痛みを伴うため激しく鳴いたり、呼吸が速くなったり、体を触るのを嫌ったりします。
この病気を放っておくとどんどん足の壊死が進んでいくため、命を落としてしまいます。
発症が疑わしいときは一刻も早く動物病院を受診しましょう。
血液検査や超音波検査を行って診断して、発症から6時間以内であれば血栓を溶解する薬や血栓の再発を予防する薬を使い、血流の回復を試みます。
⇒猫の肥大型心筋症とは?原因や症状や治療法は?寿命(余命)はどのくらい?
さいごに
肉球の色の変化で一番注意しなければならないのは、大動脈血栓症です。
猫の腰が突然立たなくなってグッタリしている場合、まず見て欲しいのが肉球が紫色になっていないかどうかです。
もし肉球が元々黒っぽい猫ちゃんなら、触ってみて前足よりも冷たいかを比較したり、ちょっと可哀想ですが深爪をして爪から赤い血が出るかどうかを確認するのも一つの方法です。
できれば猫が健康な時からこのような緊急事態が起こった時を想定して、かかりつけの病院が休みのときや夜間にはどの動物病院にかかるべきなのかをリサーチしておくと良いでしょう。
関連記事になります。合わせてご覧ください。
「動物病院に連れていきたいけど治療費はどのくらいかかるんだろう?」
「愛猫の病気を治してあげたいけど高額費用を支払う余裕がない…」
という飼い主さんはとても多いです。
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