「子猫が下痢だけじゃなく嘔吐もしている!原因はなんだろう」
「保護した子猫が下痢と嘔吐をして、ぐったりしている…どんな病気なのかな」
子猫が下痢や嘔吐をしていたら、どんどん弱ってしまうのではないかと不安になりますよね。
今回は、子猫が下痢、嘔吐をしている時に考えられる原因や病気について解説します。
子猫の下痢と嘔吐
子猫は下痢をすることはよくありますが、同時に嘔吐をする時には注意が必要です。
しかし、下痢も嘔吐も様々な病気や要因の一つの症状としてあらわれるため、原因を特定するのは非常に難しいものです。
下痢や嘔吐以外の症状や子猫の様子なども必ず確認しましょう。
子猫の下痢と嘔吐がみられるときに最も心配されるのは、猫パルボウイルス感染症などの感染症です。
また、子猫で感染している可能性の高い寄生虫症の影響も考えられます。
食欲不振、ぐったりしている場合に考えられる原因
子猫が食欲がなく、ぐったりとしている場合には、感染症により全身状態が悪化している可能性があります。
猫パルボウイルス感染症(猫汎白血球減少症 )
原因
猫パルボウイルスが鼻や口から入ることで感染します。
感染した猫と触れ合ったり、唾液、排泄物にしたりすることで感染します。
猫パルボウイルスは感染性がとても強く、潜伏期間も数日から2週間程度で、腸管や骨髄細胞で増殖するため、消化器症状や極端な白血球の減少を引き起こします。
症状
成猫では免疫力が落ちた時に発症する不顕性感染(ふけんせいかんせん)または軽い症状に留まりますが、免疫力の弱い子猫が感染すると、急性に経過し発熱や貧血、血が混じった下痢や激しい嘔吐によって、脱水症状がみられ命を落とすこともあります。
子猫では、感染から4~9日目で突然死するケースが多いとされています。
また、妊娠している猫に感染すると、流産や出産後の子猫が突然死する場合もあります。
予防、治療
ワクチン接種による予防が有効ですが、発症してしまうと有効な治療法はありません。
感染力の強いウイルスのため、飼い主さんが外からウイルスを持ち込んでしまうこともあるので、子猫と触れ合う前は必ず手洗いをしましょう。
⇒猫のパルボウイルス感染症(汎白血球減少症)とは?症状や治療法を解説
猫コロナウイルス感染症(猫伝染性腹膜炎、FIP)
原因
感染した猫の唾液や鼻水、排泄物などに含まれる猫コロナウイルスが原因となるため、感染猫と触れ合ったり、ケンカをすることで感染します。
症状
発症すると、発熱、嘔吐、下痢などを起こし、重症の場合には数日から数か月で死んでしまう病気で、特に免疫力の弱い子猫では注意が必要です。
また、ウイルスを保持していても発症しない猫もいます。
予防、治療
ワクチンはありませんので、感染した猫との接触を避けるために室内飼育を徹底することが予防になります。
一度感染するとウイルスは一生体内に残るため、完治することはなく、症状が出た際に対症療法を行います。
⇒猫伝染性腹膜炎ってどんな病気?症状や治療法、余命について解説
サルモネラ感染症
原因
動物の排泄物や汚染された水などに含まれる細菌の一種であるサルモネラ・チフィリウムが口に入ることで感染します。
潜伏期間は24時間以内で、回復しても長期間保菌すると言われています。
サルモネラ菌は人にも感染し、同様の症状を引き起こしますので、注意が必要です。
症状
40℃以上の発熱、腹痛、嘔吐を起こし、その数時間後に下痢がみられます。
1日に数回から十数回くらい何度も排便する様子が見られ、1週間程度下痢が続くこともあります。
予防、治療
ワクチンはなく、汚染源となる排泄物などから猫を隔離するしかありません。
感染していても発症していない人や動物からの感染も問題となります。
飼育環境やこまめな手洗いなどの衛生状態を良好に保つよう心がけましょう。
治療は抗菌剤を投与し、サルモネラ菌の抑制を行います。
元気、食欲がある場合に考えられる原因
子猫に下痢や嘔吐がみられるものの、食欲や元気がある場合には、寄生虫症や食べ物の影響が考えられます。
猫回虫
原因
猫回虫は、長さ3~12㎝程度の白く細長いミミズの様な虫です。
主に小腸に寄生するため、感染した猫の糞便中に排泄されたり、時には胃に寄生して吐物に混じることもあります。
糞便中に排泄された虫卵は土の中で何年も生存して成熟卵となり、猫が毛づくろいをした時などに口に入ることで感染します。
また、妊娠中の母猫が感染していると、出産後に乳汁を介して子猫に感染することがあります。
症状
成猫ではあまり症状は現れませんが、下痢や血便などの消化器症状がみられることがあります。
子猫が感染すると症状は重く、発育不良、下痢や便秘、お腹が膨らむ、嘔吐、貧血気味になって毛づやが悪くなるなどの症状が出ることがあります。
予防、治療
駆虫薬の投与を行うことで、寄生した回虫が排出されます。
完全室内飼育であっても、他の猫と触れ合った飼い主が虫卵を持ち込んで感染することもありますので、定期的な糞便検査や駆虫を行うことで予防しましょう。
⇒猫の回虫症の症状や原因や治療方法は?駆除はどうしたらいいの?
食べ物の問題
キャットフードの切り替え
ミルクから離乳食に切り替えたばかりの頃には、胃腸がまだ固形物に慣れていないために下痢や食べたものを吐き出すことがあります。
急に切り替えたり、一度にたくさん与えたりせずに、少しずつ慣らしていきましょう。
まずはミルクと一緒に少量の離乳食を与え、その後の便の様子や嘔吐しないかを確認しながら、2週間ほどかけて徐々に離乳食の量を増やしましょう。
また、離乳食からドライフードに切り替える際にも、はじめは離乳食と一緒に少量のドライフードを与え、少しずつドライフードの量を増やしましょう。
はじめはドライフードをミルクやお湯でふやかしてあげたり、粒を砕いてあげてもいいでしょう。
人間の食べ物
人間の食べ物は、猫の体に合わずに下痢や嘔吐を起こすほか、中毒を起こすこともありますので、与えるのはやめましょう。
たとえば、猫は牛乳に含まれる乳糖を体内で消化できずに下痢を起こしてしまう場合がありますので、乳糖が含まれていない子猫用のミルクを与えましょう。
ネギ類や生魚、生肉、チョコレートなども猫にとっては毒になりますので、注意してください。
食べ過ぎ
成長が著しい子猫はたくさんのエネルギーを必要としますので食欲旺盛ですが、一度にたくさんの量を食べると吐き出したり、消化不良を起こし下痢をしてしまうことがあります。
一日に3~5回程度に分けて、少しずつ与えるといいでしょう。
どのように対処すればいい?
子猫に下痢や嘔吐の症状がみられた時には、どのような対処をすればいいのでしょうか。
まずは動物病院!
子猫のうちはまだかかりつけの動物病院も決まっていないことが多く、子猫の様子がおかしい時にどのように対処したらいいのか不安になりますよね。
子猫の時期には、ワクチン接種や避妊去勢手術の相談などで動物病院を訪れることも多くくなりますので、子猫を飼い始める時には早めに近所の動物病院の情報を調べておくといいでしょう。
大きな症状がなくても、保護された子猫の健康チェックのために初めて来院される方も多くいらっしゃいますので、あまり怖がらずに行ってみてくださいね。
ちなみに、大学付属の動物病院や大きな総合動物病院などの二次診療施設では、ほとんどの場合、紹介状がないと受診できませんので、まずはお近くの動物病院を探しましょう。
食欲不振、ぐったりしている場合
なんらかの感染症や下痢、嘔吐により衰弱、脱水が考えられますので、すぐに動物病院に連れて行きましょう。
元気、食欲がある場合
ごはんのあげ方を見直したりして半日ほど様子を見てもいいですが、寄生虫がお腹にいないかどうか確認するためにも早めに動物病院に連れて行きましょう。
便、吐物を持参
動物病院を受診する際には、子猫の下痢便や吐物を持って行くと診断の助けになります。
糞便があれば病院内での糞便検査で寄生虫感染の有無がわかりますし、便や吐物に寄生虫や異物の混入がないかどうかなど、様々な情報を得ることができます。
水分を吸い取らないように、できればラップやビニール袋などに包んで持って行くといいでしょう。
さいごに
子猫はまだ免疫力も体力も未熟なため、下痢や嘔吐が命取りになることも多くあります。
特に外で保護した生後間もない子猫は、母猫から十分な母乳をもらえていないこともあり、免疫力が低くなんらかの感染症にかかっている可能性が高くなります。
下痢や嘔吐などの症状が出ていなくても、一度動物病院に連れて行って感染症の検査を含めて健康診断をしてもらいましょう。
先住猫がいる場合には、病気や寄生虫がうつってしまうのを防ぐために、検査結果が出るまでは隔離するのが鉄則です。
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「動物病院に連れていきたいけど治療費はどのくらいかかるんだろう?」
「愛猫の病気を治してあげたいけど高額費用を支払う余裕がない…」
という飼い主さんはとても多いです。
動物病院で治療する場合、病気によっては10万円以上かかってしまう場合もあります。
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