消化器の症状

猫が胃液を吐く。透明、黄色、緑、ピンクの場合の原因は何?病気なの?

投稿日:2017年6月21日 更新日:

 

「猫がまた胃液を吐いているけど、病気なのかな?」

「猫が黄色いものを吐いたけど、胃液って何色なんだろう。」

猫が胃液を吐くのはよくあること…と様子を見ている方も多いかと思いますが、猫の吐いたものが黄色や緑、ピンクだった場合には驚いてしまいますよね?

確かに猫はよく吐く動物ではありますが、嘔吐は様々な病気のサインでもあります。

今回は、猫が吐いた物の色から考えられる原因や病気の可能性について、解説したいと思います。

胃液とは?

ご存知の方も多いと思いますが、胃液は胃の中で分泌される消化液です。
胃液の主成分は「塩酸」と酵素である「ペプシン」と呼ばれるもので、タンパク質の消化に重要な役割を果たしています。
強い酸性である胃液によって胃の組織が破壊されないように、胃の粘膜は胃の入り口と出口付近にある噴門腺と幽門腺から分泌される粘液で保護されています。

胃液そのものの色は透明

胃液そのものは無色透明ですが、吐き出す時には泡立って白い泡のように見えることもあります。
吐いた後に、元気や食欲があるようなら、少し様子を見てもいいでしょう。
では、なぜ猫は胃液を吐くのでしょうか。

毛玉

猫は起きている時間の半分以上を毛づくろい(グルーミング)に費やすとも言われていますが、長毛の猫や季節の変わり目にある換毛期では特に毛の抜ける量が多く、同時に毛を飲み込んでしまうことがよくあります。
飲み込んだ毛は胃の中でかたまりになり、胃腸炎などを引き起こす「毛球症」の原因となります。
胃に毛玉が溜まると猫はそれを吐き出そうと、細長い毛のかたまりと一緒に、あるいは胃液のみを吐き出すことがあります。

異物

猫が異物を飲み込んだ場合にも、吐き出そうとして透明の胃液を吐き出すことがあります。
この場合、繰り返し何度も吐いたり、吐く仕草を見せたりします。
すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
その際、獣医師に飲み込んだ可能性のあるものを伝えられると診断しやすくなります。
猫用のおもちゃなどを必死に追いかけて飲み込んでしまう事故も多いので、おもちゃのサイズに気を付けたり、猫の生活スペースに飲み込みそうなものを置かないなど気をつけてください。

空腹時

猫が胃液を吐くのは、食事前や朝起きた時によくみられます。
給与量が極端に少なかったり、前の食事から半日以上経っている時など空腹時間が長くなると、胃液が逆流し透明あるいは白い泡状の胃液を吐くことがあります。
すでに必要な給与量を十分与えている場合には、給与回数を一日3~4回に分けるなど、空腹時間が長くなりすぎないような工夫をしてみてください。

黄色の吐物

吐いたものが黄色い場合には、胆汁が混じっていることが考えられます。
胆汁は、肝臓で作られた消化酵素を含む黄褐色~緑色の液体で胆のうという袋に貯留して、十二指腸に流れ込み、主に脂肪分の消化を助けています。
透明の胃液を吐くのと同様に、空腹時間が長いと胆汁が逆流し、猫は黄色い液体を吐くことがあります。

緑色の吐物

猫が緑色のものを吐いている場合には、注意が必要です。

胆汁

前述のとおり、胆汁が混じった吐物は黄色っぽい色をしていることが多いのですが、胃腸炎、肝臓疾患、腎臓疾患、膵臓疾患などで胆管が閉塞したり、胆汁の流れがうまくいかなくなると、胆汁の濃度が濃くなり吐いたものが緑色になることがあります。

植物の色

食べた植物の色が吐いたものの中に混じっていることもあります。
猫は毛玉が溜まっている時や消化不良を起こしている時、あるいは食感を楽しむために草を食べたがることがあります。
市販されているイネ科の「ネコ草」であれば特に問題ありませんが、外に生えている草には除草剤などの薬品が付着していることもありますので、食べさせないように気を付けましょう。
また、観賞用の植物の中にも、猫にとって中毒を引き起こす危険性のあるものがあります。
好奇心旺盛で高い所も大好きな猫は、室内の観葉植物に興味を持って食べてしまうという事故も多いので、猫の生活する範囲には置かないようにしてください。
下記の植物は、猫にとって有害な植物の一例です。

ユリ科の植物

ユリ科の植物には、チューリップやスズラン、ヒヤシンス、アロエなどがあります。
猫にとっては猛毒で、猫が食べてしまうと呼吸困難や全身麻痺などの重篤な状態に陥り、死亡してしまいます。
花粉だけであっても危険性は変わりませんので、猫を飼育している家に飾るのは絶対にやめましょう。

ポインセチア

クリスマスの時期によく見かけるポインセチアの葉や茎から分泌される液体は、猫の嘔吐や下痢、皮膚炎などを引き起こします。

シクラメン

シクラメンは、花、葉、茎の部分全てが猫にとっては危険で、嘔吐や下痢を引き起こします。

ポトス、アイビー

猫の口に入ると、口の中が腫れあがったり、多量のよだれが出たりする他、嘔吐や下痢、腹痛、皮膚炎などを引き起こします。

ピンク色の吐物

猫が吐いたものがピンク色をしている場合には、胃液に血液が混じっている可能性があります。

口腔内の出血

口臭があったり、食事の際に痛がったり、食べづらそうにしている場合には、歯周病や口内炎によって出血していることがあります。
猫は口腔内のトラブルが多い動物で、3歳以上の猫の80%は歯周病であるとも言われています。
歯垢や歯石が溜まり歯周病になると、口臭や歯肉の腫れ、歯がグラグラする、歯が抜けるなどの症状がみられ、出血していることもあります。

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また、口内炎は口の中の傷や歯石の他、ウイルス感染などによっても起きます。
自然治癒はしにくく、麻酔をかけた治療が必要となることもありますので、定期的に猫の口の中をチェックしたり、デンタルケアをすることで早い段階で気付いてあげましょう。

食道炎、胃炎、胃腸炎

食道や胃、腸の粘膜が炎症を起こすと、傷ついて出血することがあります。
短期間に繰り返し胃液を吐くことで、胃酸によって二次的に食道が傷ついて食道炎になったり、胃の中に異物や毛玉が溜まっている場合などにも胃粘膜の炎症から出血することがあります。

寄生虫

猫回虫や猫鉤虫などの寄生虫が胃や腸に寄生していると、胃や腸の粘膜に食いついて、炎症を起こし出血することがあります。
血便がみられる場合もあります。

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動物病院を受診した方がいい?

猫が吐いたものが透明あるいは黄色であれば、空腹時間が長いことが原因である場合が多いため、食事回数を増やすなどごはんのあげ方を見直しをすることで治ることが多いですが、判断に迷う時や不安であればもちろん動物病院に相談してみましょう。
吐いたものが緑色あるいはピンク色である場合には、重篤な病気のサインであったり、どこかが出血している可能性があるため、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
ただし、以下のような様子が見られる場合には、吐いたものの色に関わらず動物病院を受診してください。

・一日に何回も繰り返し吐く

・一日一回の嘔吐が数日続く

・元気、食欲がなく、痩せてきた

・発熱や下痢など、嘔吐以外の症状がある

・なにも吐き出さないが、吐こうとする動作を繰り返す

・目がくぼんだり皮膚に張りがなく、脱水している

・吐いたものの中に血液が混じっている

・吐いたものの中に虫の様なものがある

・おもちゃや中毒植物を誤飲した可能性がある

・体力のない子猫や高齢猫

・腎臓病や糖尿病などの持病のある猫

さいごに

猫はよく吐く動物とわかっていても、猫が全身を使って吐いている姿は苦しそうで不安になりますよね。
病気でなくても吐く頻度が高くなれば、それだけ猫の体にも負担がかかりますし、慢性的に胃酸を吐いていると食道炎などの病気になってしまうこともあります。
毛を飲み込まないようにこまめにブラッシングをする、ごはんのあげ方を見直す、誤飲をしないように注意をするなど、できるだけ予防してあげられるよう心がけてくださいね。

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