消化器の症状

猫が毎日の様に吐くけど原因は何?病気のサイン?

投稿日:2017年6月11日 更新日:

 

「元気や食欲もあるけど、毎日のようにフードを吐いてしまうけど動物病院に行った方がいい?」

「毎日ではないけど、最近猫が吐く回数が増えてきた気がする」

このような症状でお困りではありませんか?
猫が頻繁に嘔吐していたら、飼い主の方は何かの病気じゃないか?どのタイミングで動物病院に連れて行ったらいいのかと不安になりますよね。
今回は、「毎日のように吐く猫」について飼い主の方が知りたい情報を盛り込んで解説したいと思います。

猫の生理的な嘔吐について

我々人間は滅多なことでは嘔吐しないため、猫が嘔吐している=すぐに病院へと思う方も多いと思いますが、実は健康な猫でも嘔吐することがあります。
まずは、健康な猫に見られる「生理的な嘔吐」について解説していきます。

猫が嘔吐しやすい動物である理由とは?

元々肉食動物である猫は臼歯を持たないため、人間のように咀嚼しながら時間をかけて食べるということをしません。
獲物を捕まえたらある程度飲み込める大きさに噛みちぎって、他の動物に取られないうちに丸呑みしてしまいます。
そして丸呑みした結果、獲物の骨や被毛などの不要物が胃に留まってしまうため、猫は消化しきれないものが胃に溜まると自然に吐き出すことができるような体になったというわけです。

健康な猫が吐くのはどんな時?

猫に見られる生理的な嘔吐で最もよく見られる原因が、「餌の一気食い、水のガブ飲み」によるものです。
このケースの特徴は食直後に見られる嘔吐で、吐物は粒の形が残ったままのドライフードや水である、という点です。
病的な嘔吐ではなく元気食欲はあるので、吐いた直後から「お腹すいたー」と催促することも珍しくありません。
なお、この嘔吐は必ずしも全ての猫に見られるというわけではありません。
ガツガツと犬のように食べても全く吐かない猫もいれば、ちょっとでも勢いあまって食べるとすぐに吐き出してしまう猫もいて、猫によって個人差があります。
このような嘔吐に悩まされているなら、フードを少しずつわけて頻回与えることで嘔吐の回数を減らすことができることが多いですので試してみて下さい。

次に生理的な嘔吐の原因としてよく見られるのが、「毛玉がたまっているとき」です。
この嘔吐が見られる猫のほとんどが長毛の猫と言われています。
この場合の特徴は、吐物に必ずまとまった毛玉が含まれる、毎日のように吐くことはない、という点です。
毛玉が排泄されるまで数回程度立て続けに吐くことはありますが、最後には便のような形をした被毛の固まりが出て、それ以降毛玉が形成されるまで嘔吐に悩まされることはありません。
嘔吐の回数を減らすには、日頃のブラッシングが大切です。

また、「猫草など消化しにくいものを食べた時」に嘔吐が見られる猫もいます。
この嘔吐の特徴は、吐物の主体が猫草である、吐いたあとも元気食欲が変わらないという点です。
もちろん、猫草も食べると吐いてしまう猫もいれば、吐かずにそのまま便に出てしまう猫もいます。
猫草は絶対にあげなければならないものでもありませんので、嘔吐が誘発されて困っているのであれば、中止してみるとよいでしょう。

猫の病気な嘔吐の見分け方とは?

ここまでで猫の生理的な嘔吐についてお分かりいただけたかと思います。
それではどんな嘔吐の時が病的なのか、どんなケースでは動物病院に連れて行ったらいいのか、判断のポイントについて解説していきましょう。

嘔吐の回数が多い

1日に数回以上嘔吐するなど、いつもよりも回数が頻回であれば病的な嘔吐と考えられます。

嘔吐のタイミングが異常

食後何時間も経ってから粒が残ったままの消化されていないドライフードを吐いたり、だいぶ前に飲んだ水を大量に吐いている場合は、胃や腸の運動が低下していると考えられ病的な嘔吐を疑います。

見たことのない吐物

猫に見られる生理的な嘔吐は、餌以外の未消化物(毛玉や猫草)を吐くか、食事直後の嘔吐です。
胃液だけを何度も吐いていたり、便臭のする吐物や虫や異物などが混入している吐物、真っ赤な血が混ざった吐物など普段見たことのないようなものであれば病的な嘔吐と考えられます。

下痢がある

嘔吐だけでなく下痢や軟便が見られるということは、胃腸に何らかの病気が起きていると考えられます。

元気や食欲がない

元気食欲がないというのは、一番分かりやすい病的な嘔吐の症状ですが、高齢の猫では意外と見落とされがちです。
その理由としては、高齢猫は元々寝ている時間がながいため、元気があるかないかの判断が難しいことが多いということがあります。
また食事は採れているけれど、食事の催促が少なくなった、食べる量が昔よりは減ってきたなど、徐々に変化してきた場合も飼い主の方が食欲の低下に気付きにくいことが多いので注意が必要です。

よだれを垂らしている

突然よだれを垂らすということは、相当酷い悪心があると考えられます。
留守中に誤って薬物や観葉植物などを食べてはいないか、チェックする必要があります。

猫の嘔吐に関してよくある疑問

猫の嘔吐に関して、多くの飼い主の方が抱かれる疑問を4つピックアップして解説します。

毎日のように胃液を吐くのは異常?

前述の通り生理的な嘔吐は、餌以外の未消化物(毛玉や猫草)を吐くか、食事直後の嘔吐です。
胃液だけを毎日のように吐いているのは異常なことと考えましょう。

老猫が毎日のように嘔吐する場合、どんな病気が考えられる?

猫が高齢で毎日のように嘔吐しているとなれば、何らかの病気を発症している可能性がありますが、嘔吐は実に様々な病気から引き起こされる症状なので嘔吐以外の症状がないかの観察が重要になります。
慢性腎不全は高齢猫によくみられる一般的な病気なのですが、腎不全になると老廃物が上手く排泄されず、体の中に留まってしまう状態(尿毒症)となり、嘔吐しやすくなります。

獣医師解説。猫の慢性腎不全の原因や症状や治療とは?回復はするの?

尿毒症になると脳の嘔吐中枢を刺激し嘔吐したり、口臭が強くなったり、悪心を引き起してよだれが出る、食欲不振、水をよく飲む、尿の色がうすいなどの症状が出ます。
他にも2週間以上続くような慢性的な嘔吐で、さらに軟便や下痢も伴うのであれば、炎症性腸疾患、リンパ腫などの消化管の病気の可能性があります。

猫の尿毒症の症状や原因、治療法とは?末期症状や余命も解説

猫の悪性リンパ腫の症状とは?ステージ別の余命、生存率はどのくらい?

悪性リンパ腫の猫にステロイドや抗がん剤治療の効果は?費用はどのくらいかかる?

また、胆管肝炎などの肝臓の病気でも嘔吐が引き起こされることがあります。この場合、尿が黄色い、粘膜の色が黄色いなどの黄疸の徴候がでることがあります。

血を吐いている場合はどんな病気が考えられる?

吐物に真っ赤な血が混ざっているなら、胃や小腸(特に十二指腸)に出血が起きている可能性があります。
もし便の色が黒いのであれば、その可能性が強くなります。
猫で見られる消化管出血の原因として考えられるのは、鎮痛剤やステロイド剤による消化管粘膜の障害や消化管の腫瘍などです。
病院でこのような薬を処方されているのであれば、かかりつけの動物病院に相談するようにしましょう。

毛玉を吐くので困っているけど、何かいい方法はない?

前述の通り長毛の猫の場合、ブラッシングを行わないと胃の中で毛玉ができやすくなります。
ブラッシングによりできるだけ抜け毛を取り除くようにしましょう。
また食餌中の食物繊維が増えると、胃腸の動きが促進され毛が便に排泄されやすくなり、吐きもどしの回数を減らすことが解っています。
フードに「ヘアボールコントロール」、「ヘアボールケア」や「毛玉ケア」と記載されているものを選ぶと良いでしょう。

さいごに

どこの教科書にも書いていませんが、長年猫の多頭飼育をしている筆者の個人的な感想としては、生理的な嘔吐については猫によってかなり個人差があるように感じます。
毎日のように勢いよく食べても全く吐かない猫、一気食いすればほぼ毎食のように嘔吐する猫、猫草に興味のない猫、猫草を食べると必ず嘔吐する猫など、いろんな猫がいます。
「うちの猫はこういう時に吐きやすい」「滅多なことでは吐かない猫」といったように、猫の体質的な特徴を把握しておくことが病気の早期発見につながりますので、健康なうちからよく観察しておくようにしましょう。

関連記事になります。合わせてご覧ください。

猫が吐く(嘔吐)原因は何?病気のサイン?病院に行くべき嘔吐とは

猫が泡状のものを吐くけど原因は何?病気のサイン?

猫が黄色い液体の様なものを吐く原因は何?病気のサイン?

猫が茶色い液体の様なものを吐く。原因は何?病気のサイン?

猫の毛玉ケア対策。吐く、吐けない、吐かないなどケース別に徹底解説





愛猫のために知ってほしいこと


「動物病院に連れていきたいけど治療費はどのくらいかかるんだろう?」

「愛猫の病気を治してあげたいけど高額費用を支払う余裕がない…」

という飼い主さんはとても多いです。

動物病院で治療する場合、病気によっては10万円以上かかってしまう場合もあります。

動物病院で治療すれば助かった命は実に多いです。

経済的な問題で愛猫の寿命を縮めないためにも愛猫が元気なうちにペット保険に加入することが大事になります。

でも「ペット保険っていうけど、どういう保険があるの?」という疑問も出てくるかと思います。

ペット保険の加入に迷った場合には、ペット保険の一括資料請求がおすすめです。

複数のペット保険の資料を比較することで「あなたと愛猫にとって一番ベストの保険が分かる」というメリットもあります。

利用は無料です。詳しくはこちらをご覧ください。

>>>ペット保険の一括資料請求を試しに見てみる(無料)<<<






-消化器の症状
-, , , ,

Copyright© 猫の病気対策マニュアル , 2024 AllRights Reserved Powered by AFFINGER4.