消化器の症状

猫が嘔吐を繰り返すけどどうしたらいいの?対処法は?

投稿日:2017年8月14日 更新日:

 

「猫が頻繁に嘔吐をして困っているけど、何かいい方法はないの?」

「猫が何度も嘔吐していて、食欲もない。こんな時はどうしたらいい?」

このような症状でお悩みではありませんか?

猫は比較的吐くことの多い動物で、吐くこと自体が必ずしも病的なものとは限りません。

一方で、中にはできるだけ早く動物病院を受診するべき状態と言える嘔吐もありあります。
そこで今回は、嘔吐の原因とその対処法を、嘔吐以外の症状(元気や食欲がない、下痢をしているかどうか)で場合別にして解説したいと思います。

元気や食欲がある場合の嘔吐

まずは元気や食欲がある場合の猫の嘔吐について解説します。

嘔吐の原因は?

このような場合の嘔吐は、「生理的な嘔吐」である可能性が考えられます。
元々肉食動物である猫は臼歯を持たないため、人間のように咀嚼しながら時間をかけて食べるということをしません。
獲物を捕まえたら飲み込める大きさに噛みちぎり、あとは他の動物に取られないように丸呑みしてしまいます。
そして丸呑みを続けると獲物の骨や被毛などの不要物が胃に留まるようになるため、猫は消化しきれないものが胃に溜まると生理的な反応として嘔吐するようにできている、というわけです。

対処法は?

生理的な嘔吐の具体例とその対処法を挙げてみましょう。

餌の一気食いが原因の場合

餌を一気食いしたり食後に水を沢山飲むと、胃の中でドライフードがふやけて胃の許容量を超えてしまい、嘔吐してしまうことがあります。
この場合の嘔吐は、食直後に見られるという点が特徴で、吐物は粒の形が残ったままのドライフードや飲んだばかりの水になります。
生理的な嘔吐の中でも繰り返しおこしやすく、食欲の旺盛な猫では毎日のように見られることもあります。
このような嘔吐を起こさせないようにするには、フードを少量頻回与えることが必要です。

毛玉が原因の場合

長毛の猫毛では毛玉ができやすい傾向にあり、生理的な嘔吐の原因になります。
この場合の嘔吐は、吐物に必ずまとまった毛玉が含まれるというのが特徴で、毛玉を吐いた後に餌をあげると普通に食べ、それ以降吐きづつけることはありません。
このような嘔吐を起こさせないようにするためには、飲み込む毛の量を減らすためにこまめなブラッシングを行うことと、便の中に毛が排泄しやすくなるように繊維量の多いフードに切り替えることをおすすめします。

猫草が原因の場合

猫によっては、猫草など消化しにくいものが胃の中に多量に入ることが原因で嘔吐する場合があります。
もし猫草を食べるとどうしても吐いてしまうのであれば、無理に食べさせる必要はありませんので、与えるのを止めましょう。

元気や食欲がなく、下痢は見られない場合

猫の元気や食欲が低下しているけれど、下痢はない場合の猫の嘔吐について解説します。

嘔吐の原因は?

元気食欲がないというのは何らかの病気のサインと考えます。
具体的な病気を挙げて解説していきましょう。

腎不全

腎不全になると老廃物が上手く排泄されず、体の中に留まってしまう状態になります(尿毒症)。
尿毒症になると脳の嘔吐中枢を刺激し嘔吐したり、口臭が強くなったり、悪心を引き起してよだれが出る、食欲不振、水をよく飲む、尿の色がうすいなどの症状が出ます。
腎不全は急性腎不全と慢性腎不全に分けられますが、後者は高齢猫に非常によくみられる病気です。

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肝不全

肝臓の機能が低下した状態を肝不全と言い、猫に肝不全を起こす代表的な病気として、肝リピドーシスや胆管肝炎が挙げられます。
肝不全になると老廃物が上手く代謝されず、血液中のアンモニアの数値が高くなることがあり(高アンモニア血症)、この状態になると嘔吐の他、食欲不振などの症状が見られるようになります。
また尿が黄色い、粘膜の色が黄色いなどの黄疸の症状が出ることがあります。

脳の病気

脳炎や脳腫瘍などの病気になると脳の中の嘔吐中枢を刺激し、嘔吐を引き起こすことがあります。
猫で脳炎を起こす病気の原因として、コロナウイルスによる「猫伝染性腹膜炎のドライタイプ」という感染症があります。
また髄膜腫と呼ばれる脳腫瘍は、猫の脳腫瘍の中で一番発生頻度が高いと言われています。

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対処法は?

猫が、元気や食欲がなく嘔吐をしているなら、上記のような病気が原因である可能性が考えられます。
特に嘔吐の回数が多い場合は、放っておくと脱水症状を起こしてしまうので、できるだけ早く動物病院を受診するようにしましょう。
もし嘔吐の回数が少ない、かつ動物病院へ連れて行くのがなかなか難しい状態なら、市販の缶詰やパウチなどを利用して、できるだけ何か栄養や水分をとれるようにして脱水を防ぐようにしましょう。

元気や食欲が低下し、下痢をしている場合

猫の元気や食欲が低下し、下痢も見られている場合の猫の嘔吐について解説します。

嘔吐の原因は?

このような症状が見られる場合は、消化管に大きな病気が引き起こされている状態と言えます。
以下に具体的な病気を挙げていきましょう。

急性胃腸炎

突然の嘔吐、下痢、食欲不振で一般的なものにウイルスなどの感染症による急性胃腸炎が挙げられます。
症状に応じて通院もしくは入院下で制吐剤(吐き気止め)や点滴、抗生物質などの対症療法を行っていきます。

中毒

猫に嘔吐、下痢、食欲不振を引き起こす病気の中でも、一番緊急性が高い状況、つまり処置が遅れると命を失う可能性がある状況というものは「中毒」です。
家庭にある殺虫剤や洗剤、観葉植物、人間用の医薬品などの誤飲によって中毒を引き起こすと、肝不全や腎不全に陥り嘔吐や下痢が見られることがあります。
中毒症状は原因となる薬物にもよりますが、嘔吐した物に薬物臭があったり、痙攣が見られた、ぐったりして元気がないといった症状が見られます。
また、食べた有害物質の種類やその量にもよっては死に至ることもあるため、注意が必要です。

炎症性腸疾患(IBD)

炎症性腸疾患とは、「原因不明で慢性的に消化管粘膜に炎症が起こる病気」の総称で、2週間以上続く慢性的な嘔吐や下痢、食欲不振、体重減少が主な症状です。この病気と診断されたなら、炎症を抑えるためにステロイド剤を主体とした投薬、食事療法が必要となり、症状が落ち着くまでは根気強い通院治療が必要になります。

消化管の悪性腫瘍

猫の消化管にできる悪性腫瘍で最も一般的なのが、“リンパ腫”で、リンパ腫には“高分化型”と“低分化”と2つのタイプがあります。
高分化型リンパ腫は内服による抗癌剤やステロイド剤等によって治療をしますが、低分化型リンパ腫は悪性度が高く、より積極的な抗癌治療が必要になります。

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急性膵炎

膵臓に炎症が起こる病気を“膵炎”といいます。
膵炎には急性膵炎と慢性膵炎に分かれますが、中でも急性膵炎では突然の激しい嘔吐や食欲不振、元気低下、腹痛を引き起します。
重度の場合は炎症が総胆管まで広がり、黄疸の症状(尿が濃い、皮膚や粘膜が黄色い等)を表すこともあります。
急性膵炎と診断されたら、制吐剤や点滴、抗生物質などの対症療法、抗血栓薬、鎮痛剤の投与を行います。

対処法は?

このような重篤な症状が見られている場合は、飼い主の方がご自宅でできることはほとんどありません。
症状が急性かつ重症であるなら、できるだけ早く動物病院を受診して適切な治療を受けることが大切です。

さいごに

ここまで読んで頂いて、「元気はあるが食欲はない場合はどうしたらいいのか?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかと思います。
元気の低下が顕著でなくても、食欲がないというのはやはり病気のサインとして考えた方がいいでしょう。
特に高齢の猫は元々寝ていることが多くそんなに活動的ではないので「元気があるのかないのか分からない」ということはよくありますし、また同じ病気でも軽度であったり、初期であれば明らかな元気低下が見られないこともあります。
いよいよ元気がなくなってから病院に連れて行ったらかなり病状が進行してしまっているということもありますので、猫に食欲がないのは異常と考えるようにしましょう。





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