「子猫が下痢をしてるけど、元気だから様子を見てもいいのかな?」
「子猫の便がやわらかいけど、これって下痢?病気?」
子猫が下痢をしたら心配になりますが、それでも元気はある場合は動物病院に連れて行くべきか判断を迷いますよね。
今回は、子猫が下痢をするけど元気がある場合に考えられる原因について解説します。
目次
下痢とは
下痢とは、水分の多い便を排泄することです。
正常な成猫の便は、やや硬めでかりんとうのような硬さをしていますが、これよりもやや柔らかい便(軟便)や便の量が増えること、便の回数が増えることも下痢と言われます。
急に下痢をするようになったものを急性の下痢、数週間続く下痢を慢性の下痢と言います。
子猫の便
子猫は成長のステージによって、食べるものが変わっていくため、糞便の形状も変化していきます。
ミルクや離乳食を与えている時期には、便は水分を多く含んだ軟らかい形状をしていますので、下痢便との鑑別が必要です。
しかし、水様便のように液体状の便をする場合には、下痢である可能性が非常に高くなります。
母乳、ミルクの時期の便
生後3週くらいまでの子猫には、母乳または子猫用のミルクを与えます。
母乳やミルクだけを与えている時期の子猫の便は、うすい茶色や黄色っぽい色をしています。
液体しか摂取していないので、便の硬さは水彩絵の具や歯磨き粉のような水分を多く含んだ柔らかさをしています。
生まれたばかりの子猫は自力で排便することができないため、通常では母猫が子猫のおしりを舐める刺激により尿や便を排泄します。
しっかり排泄できないと、お腹が膨れて食欲が落ちてしまいます。
人間が代わりに排便のお世話をする場合には、湿らせたコットンやガーゼなどで肛門や陰部をやさしくトントンと触れて刺激します。
離乳食の時期の便
生後3週を過ぎたころには乳歯が生え始め、固形物も徐々に食べられるようになります。
やわらかい離乳食を食べ始めると、便の色が茶色になり、少し硬くなってきます。
ミルクだけの時期に比べると、便のにおいも感じるようになります。
ドライフードを与え始めてからの便
生後6週を過ぎるころには乳歯が生えそろい、胃腸もドライフードなどの固形物を消化吸収する準備も整いはじめます。
ドライフードを食べ始めるようになると、便は硬くてコロコロしてきます。
水分をなるべく排出しないようにする猫の便は、水分が少なく、数個の短い便をします。
原因
では、子猫が元気があるのに下痢をしている時には、どのような原因が考えられるのでしょうか。
食べ物の問題
離乳食、ドライフードへの切り替え
ミルクから離乳食に切り替えたばかりの頃には、胃腸がまだ固形物に慣れていないために下痢をすることもあります。
いきなり切り替えたり、一度にたくさん与えたりせずに、少しずつ与えて慣らしていきましょう。
まずはミルクと一緒に少量の離乳食を与え、その後の便を確認して下痢をしていなければ、2週間ほどかけて徐々に離乳食の量を増やしていきましょう。
離乳食からドライフードに切り替える際にも、はじめは離乳食と一緒に少量のドライフードを与え、徐々にドライフードの量を増やしましょう。
ドライフードが食べづらそうな場合には、はじめはミルクやお湯でふやかしてあげたり、少し粒を砕いてあげてもいいでしょう。
人間の食べ物を与える
猫は牛乳に含まれる乳糖を体内で消化できず、下痢を起こしてしまう場合があります。
乳糖が含まれていない子猫用のミルクを与えましょう。
また、脂っこい食べ物や味の濃い食べ物でも下痢を引き起こすこともあります。
玉ねぎなど猫にとって中毒を起こす危険のある食材もありますので、人間の食べ物を与えるのはやめましょう。
食べ過ぎ
まだ小さな子猫の胃袋では、一度にたくさんの量を食べると消化不良を起こし下痢をしてしまうことがあります。
一日に3~5回程度、こまめに分けて与えるといいでしょう。
寄生虫
外で保護した猫には、寄生虫に感染している可能性がとても高く注意が必要です。
寄生虫がお腹にいると、十分にごはんを食べていても栄養を寄生虫に吸収されてしまうために、子猫は栄養不足となり成長期であるにもかかわらず、体重が増えず、成長不良を起こしていることもしばしばあります。
寄生虫は糞便検査によりその種類を確認し、駆虫薬を投薬することで治療できます。
子猫を飼い始めた時には、下痢の有無にかかわらず、動物病院で糞便検査をしてもらうといいでしょう。
子猫の便は、なるべく新鮮な便をビニールやラップにくるんで動物病院へ持って行きましょう。
コクシジウム
コクシジウムという原虫の一種が小腸に寄生・増殖し、感染した猫の便に排泄される「オーシスト」という原虫の卵のようなものを経口摂取することで感染します。
つまり、母猫が感染していると、子猫にも感染しやすい寄生虫です。
成猫では無症状のことが多いのですが、免疫力が弱い子猫では水様性の下痢を起こします。
⇒猫のコクシジウム症の症状や原因や治療薬は?費用はどのくらいかかる?
猫回虫
猫回虫は体長3~12cmほどの細長いひも状の白い虫で、猫回虫が寄生していた母猫の母乳を飲んだり、感染した鳥やネズミを食べることで感染します。
主に小腸に寄生し、成猫ではあまり症状はあらわれませんが、子猫が感染すると下痢や便秘になったり、嘔吐やお腹がふくらんだりすることもあります。
便の中に、細長い回虫が出てくることもありますので、確認してみましょう。
⇒猫の回虫症の症状や原因や治療方法は?駆除はどうしたらいいの?
条虫
条虫は、種類にもよりますが体長30㎝~2.5mほどにも達する片節が連なった平らな長い虫で、ノミが媒介するウリザネ条虫、ネズミが媒介するネコ条虫、カエルなどの小動物が媒介するマンソン裂頭条虫が日本ではよくみられます。
主に小腸に寄生し、無症状の場合もありますが、寄生数が多いと下痢を起こします。
条虫が寄生した猫は、肛門から糞便と一緒に片節を排泄し、肛門の周りでうごめくために猫がかゆみを感じ、おしりを床にこすりつけるなどの行動がみられます。
片節が乾燥すると、米粒やゴマ粒のように見えますので、子猫の寝床の周辺に落ちていることで飼い主の方が気が付くことがありますので、注意しましょう。
ストレス
ストレスは精神的なものだけではなく、体にも影響を及ぼします。
特に、下痢や嘔吐などの消化器症状としてあらわれやすいので、子猫にとってストレスがかかっていない環境かどうか確認しましょう。
季節の変わり目
季節の変わり目で温度や湿度が不安定な時には、子猫の体にもストレスがかかります。
子猫は体温調節がまだ上手にできないため、室温や湿度の管理は大切です。
環境の変化
初めてお家に連れてきた時や家族が増えた時、工事や雷などの大きな音がした時などの環境の変化は子猫にとってストレスを感じやすくなります。
子猫を迎えたばかりの頃はついスキンシップをとりたくなってしまいますが、好奇心旺盛な猫とはいえ、まだ慣れていない人にずっと触られているのはストレスになりますので、子猫が静かに過ごす時間も作ってあげてくださいね。
発情
オス猫は生後5~10か月、メス猫は生後4~9か月で初めての発情期を迎えます。
発情期には、興奮やそれに伴うストレスによって、まれに下痢をしたり食欲が低下する場合もあります。
発情期には、大きな声で鳴いたり、室内でマーキングのための排尿(スプレー行動)をしたり、外に出たがったりします。
こういった発情行動や生殖器の病気のリスクを抑えるために、去勢または避妊手術が推奨されることもあります。
手術のメリット、デメリットを考慮したうえで、獣医師と相談しながら検討しましょう。
⇒獣医師が猫の避妊手術を徹底解説。時期はいつするの?費用は?
⇒獣医師が猫の去勢手術を徹底解説。時期はいつするの?費用は?
さいごに
子猫はストレスに弱く、様々な原因ですぐに体調を崩してしまいます。
基礎体力がない子猫の下痢は、様子を見ているうちに脱水や栄養失調で衰弱し、命に関わることも多くあります。
下痢の症状が続く場合には、たとえ元気はあったとしても早めに動物病院を受診することをお勧めします。
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