「猫がくしゃみをしているけど風邪ひいたのかな?」
「猫が鼻水を垂らしているけど風邪かな?」
「猫って風邪をひいたりするの?」
「猫の風邪って自然治癒する?人や他の猫にうつったりするの?」
なんて疑問に思ったりはしませんか?
猫も風邪にかかるの?と思う方もいらっしゃると思いますが人間と同じように猫も風邪にかかりますよ。
症状もくしゃみや鼻水、発熱など似ています。
「風邪」と言うのは病気の名前ではなく、症状をあらわした言葉です。
では、「風邪」をおこす病気にはどのようなものがあるのか、どのように治療していくのかみていきましょう。
また、一緒に住んでいると人間にも移るのかな?と心配になると思いますのでそのあたりもお話ししていきたいと思います。
目次
風邪に共通する症状とは?
風邪に共通する症状について解説します。
くしゃみ
左右に頭を回転しながらします。
鼻のあたりでくしゅくしゅと小さく鼻を鳴らすようにしているのもくしゃみです。
頭を回転させながらくしゃみをするので驚くほどの距離まで鼻水を飛ばします。
鼻水
サラサラで透明の鼻水~ネバネバで黄色、黄緑色の鼻水まで様々です。
時間がたつと鼻の下にこびりつき、場合によっては鼻の穴をふさいでしまいます。
鼻水が鼻の中で固まると塊になってくしゃみとともに排出されます。
鼻血が出ることもあります。
目やに、涙
涙目になり目を細めてまぶしそうな表情をします。
黄色い目やにが目の周りにこびりつきます。
時間がたった目やには黒くなり、常に濡れてしまっている目の周りは赤く腫れあがります。
⇒猫の目やにが茶色、黒い、赤い、白い、黄色、緑色。色別の原因と病気を解説
前肢の手~手首の汚れ
鼻水や目やにを手で撫でとろうとするためこびりついて毛がパリパリになります。
発熱
猫の平熱は38度前後です。
風邪をひくと39~40℃の発熱をおこします。
耳は毛も少なく体温を感じやすい場所ですので手で触って確認するとよいでしょう。
食欲不振
発熱によりぐったりしておこります。
また、猫は食事を食べる時に多くを嗅覚に頼っていますので、鼻水で鼻がつまってしまうと、においを感じることができなくなるため食事をとることができなくなってしまいます。
どうやって感染するの?
感染猫との接触によるもので、病原体が口、鼻、目より侵入し感染します。
くしゃみや鼻水が飛んで感染する飛沫(ひまつ)感染も起こします。
多頭飼育の場合は、一匹が感染すると、全員にかかる可能性があります。
原因となる病原体には何があるの?
風邪をひく原因について解説します。
猫ウイルス性鼻気管炎
原因
ヘルペスウイルスによる感染です
症状
一般的な風邪症状を呈します。
カリシウイルス感染症
原因
カリシウイルスによる感染症です。
症状
ヘルペスウイルス感染より重症化します。
風邪症状に加えて、口内炎や舌炎がひどくなります。
また咽喉頭炎がひどくなると唾液すら飲み込めなくなり、口からダラダラとよだれがでて、飲食は到底できなくなります。
クラミドフィラ・フェリス感染症(通称クラミジア感染症)
原因
クラミドフィラ・フェリスという細菌感染が原因でおこります。
通常単独で感染するよりも、ほかの風邪の原因となるウイルスと複合感染を起こしています。
症状
片方の眼の結膜炎から始まり、発赤や腫れ、多量の粘液性の目ヤニがみられます。
その後、症状は両眼に及び重症化します。
鼻水やくしゃみ、咳などの風邪症状も現れます。
風邪の治療法は?
猫の風邪は重症化しやすく、子猫や高齢の猫の場合は命に関わる場合もありますので適切な治療をすることが重要です。
猫風邪は様々な病原体に複数同時に感染していることも多く、治療法は同じため、病原体の種類を特定することはほとんど行いません。
治療の目的は自己免疫力、自力回復能力を高め、ウイルスを自分で排泄できるように手助けをすることです。
二次的な感染や肺炎などを予防することも重要になります。
インターフェロン注射
「インターフェロン」というのは、動物の体がウイルス感染を受けた時などに体内で作られるタンパク質の一種です。
抗ウイルス作用、抗腫瘍作用(坑ガン作用)、免疫増強作用の3つの働きがあります。
ウイルスに対するインターフェロンの投与は初期、あるいは予防的に投与されることが有効であるとされています。
内服薬の投与
クラミジア感染症や二次的な細菌感染の合併、肺炎を予防するため抗生物質の投与を行います。
ヘルペスウイルスに関しては抗ウイルス薬が処方されることもあります。
ネブライジング
くしゃみや咳に、消炎酵素剤や気管支拡張剤を霧化した薬液を吸入させるネブライジングを行います。
点眼薬、点鼻薬
抗生物質や消炎剤を直接目や鼻に滴下します。
点滴
食欲がない場合は点滴により水分補給を行います。
自宅での看護
保温、安静、食事のサポートが必要になります。
猫はご飯を食べる時に多くを嗅覚に頼っています。
そのため、鼻水やくしゃみで鼻が詰まってしまうと、食事をとることができなくなってしまいます。
鼻水をこまめに拭くだけでなく、缶詰を電子レンジでチンすることで匂いが強くなりますので、食欲を刺激することができます。
水分の摂取も難しい可能性があるので、ドライフードよりも缶詰の方がよいでしょう。
猫が快適に過ごせるように、温かい寝床を用意してあげましょう。
風邪は予防できるの?
風邪を予防するにはどうしたらいいのでしょうか?
混合ワクチン
感染をゼロにすることはできませんが、症状を軽減させることができます。
3種混合ワクチン
カリシウイルス、猫ウイルス性鼻気管炎、猫汎白血球減少症(猫パルボウイルス感染症)
5種混合ワクチン
3種混合ワクチンに加えて猫白血病ウイルス感染症(FeLV)、猫クラミジア感染症が加わります。
自宅でできる予防法
猫から猫は簡単に感染しますので、風邪をひいた猫と正常な猫の接触は避ける必要があります。
人を介して猫から猫に感染しますので、風邪の猫に触った後は洋服を着替えたり、しっかり手を洗ってあげてください。
風邪は治療しないとどうなるの?自然治癒はするの?
猫の風邪は免疫力が下がったときに症状を出す「日和見(ひよりみ)感染」ですので、自分の免疫力があがれば7~14日程度で症状が治まることもあります。
しかし、改善せず悪化してしまった場合は命の危険もありますし、感染が持続して副鼻腔炎や蓄膿症に移行し、慢性的に膿性の鼻水に苦しむことも考えられます。
また、インターフェロン注射は症状が進行してからでは大きな効果が認められませんので、初期に病院で治療を受けることをお勧めします。
自己判断は禁物です。
猫風邪は人にうつるの?
猫の風邪は基本的には人には移りません!同じように人の風邪も猫に移りません!
しかし、クラミドフィラ・フェリス感染症だけは人間にも感染する「人獣共通感染症」として知られています。
ウイルスに感染した猫の目ヤニや鼻汁がついた手を口に入れたり目をこすったりすると「結膜炎」などを引き起こす可能性があるため注意してください。
⇒猫の結膜炎の治療法は?自然治癒する?目薬や治療費についても解説
もう一つ加えていえば、犬の風邪も人や猫には感染しません!
ただし、人が風邪をひいている猫の鼻水や唾液と接触し、猫風邪の病原体を手や洋服に付着して持ち帰ってしまうと自宅の猫に感染してしまうことはあります。
猫風邪でとても重要なこと
猫の風邪を起こすウイルスは、風邪が治ったからと言って体から完全に退治することはできません。
一度感染した猫の80~90%は体の中にウイルスを保持し続け、免疫力が下がるなど増殖しやすい環境になると爆発的に増えて症状をおこします。
人の口唇ヘルペスと同じですね。
そのため、まずは猫に風邪を感染させないということが非常に重要です。
飼育開始時から室内飼いを徹底し野外での感染の危険を回避します。
飼育前の子猫の時に母親から感染している可能性もありますので、子猫の時の目やにや鼻水があったかもチェックしておきましょう。
もし、感染してしまった場合は発症させないことが重要ですので免疫力を高めたり、ストレスを与えないように工夫してあげてください。
さいごに
猫の風邪は免疫力があるときはかかりませんし、治るのも早いです。
しかし、体調を崩し免疫力が落ちた場合にはまた再発することもあります。
猫の体調には気を付けて必要に応じて動物病院にいきましょう。
関連記事になります。合わせてご覧ください。
「動物病院に連れていきたいけど治療費はどのくらいかかるんだろう?」
「愛猫の病気を治してあげたいけど高額費用を支払う余裕がない…」
という飼い主さんはとても多いです。
動物病院で治療する場合、病気によっては10万円以上かかってしまう場合もあります。
動物病院で治療すれば助かった命は実に多いです。
経済的な問題で愛猫の寿命を縮めないためにも愛猫が元気なうちにペット保険に加入することが大事になります。
でも「ペット保険っていうけど、どういう保険があるの?」という疑問も出てくるかと思います。
ペット保険の加入に迷った場合には、ペット保険の一括資料請求がおすすめです。
複数のペット保険の資料を比較することで「あなたと愛猫にとって一番ベストの保険が分かる」というメリットもあります。
利用は無料です。詳しくはこちらをご覧ください。
>>>ペット保険の一括資料請求を試しに見てみる(無料)<<<