呼吸器の症状

猫の鼻水が治らない!黄色や透明など色別に原因や病気を解説

投稿日:2016年12月15日 更新日:

猫

「猫がずっと黄色い鼻水を出しているけど、これは風邪?」

「始めは透明な鼻水だったけど、だんだん鼻水に血のような赤い色が混じってきた」

こんな症状はありませんか?

猫の鼻水が長引いたり鼻水の色が変化してきたら、心配になりますよね。
今回は、猫の鼻水の色やその原因について、詳しく解説したいと思います。

猫の鼻水について

まずは性状や色による鼻水の分類について、見ていきましょう。

鼻汁の分類

鼻汁はその性状によって、漿液性(しょうえきせい)もしくは水様性、粘液性、膿性、血性に分類されます。

漿液性(水様性)鼻汁

色がなく透明で粘ばりが少なく水っぽい鼻水を漿液性鼻汁もしくは水様性鼻汁といい、アレルギー性鼻炎(猫では稀)や急性鼻炎の初期に見られるタイプの鼻水になります。

粘液性鼻汁

粘りはあるけれど、色調は透明から薄く色がついた鼻水のことを粘液性鼻汁と言い、急性鼻炎からしばらく経った場合や、慢性副鼻腔炎でも細菌感染が軽い場合に見られます。

膿性鼻汁

細菌感染をおこしている時に見られるタイプの鼻水を膿性鼻汁と言い、黄色っぽく、粘りが強く、時に臭いを伴うこともあります。
慢性副鼻腔炎や歯の炎症が原因で起こる鼻炎の鼻水は膿性であることが多いです。

血性鼻汁

血の混じった鼻水のことで、外傷時や、歯の炎症が原因で起こる鼻炎、真菌(カビ)が感染した鼻炎や悪性腫瘍で見られることがあります。

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鼻水の色は変化する!

猫

どんな色の鼻水が出ているかは、原因となっている病気を突きとめる上で重要な情報ではありますが、実は同じ病気の中でも鼻水の色や粘りが変化するということはよくあります。
発症直後と治りかけでは炎症の重症度が変わってきますし、日によって症状が強いときとそうでないときがあったり、また始めは透明でも病気がどんどん進行するにつれて色がついてきたということも珍しくありません。
飼い主の方は猫が鼻水を出していると気付いた時、

・いつから?

・どんな色の鼻水?色は変化した?

・サラサラ?ネバネバ?

・どちらの鼻の穴から出ていた?(片側か両側か)

・食欲や元気など他の症状がある?

この点をよく観察してメモしておき、動物病院を受診した際に獣医師にお伝えされるとよいでしょう。

透明な鼻水の原因となる病気

色がほとんどない透明な鼻水であった場合、漿液性(水様性)鼻汁もしくは粘液性鼻汁と考えられます。
猫で突然透明な鼻水を垂らしている場合、ウイルス性鼻炎の可能性が考えられます。

ウイルス性鼻炎

鼻炎を引き起こすウイルスとして代表的なものに、猫カリシウイルスと猫ヘルペスウイルス(ウイルス性鼻気管炎)があります。
このウイルス性鼻炎は「猫風邪」と言われる日常的によく見られる病気で、発症初期はサラサラとした透明な鼻水(漿液性鼻汁)が見られ、数日程度経つとやや粘りが増して粘液性鼻汁へと変化します。
この病気では鼻水の他、くしゃみやいびき、涙目、発熱や元気食欲の低下といった症状が表れることがあります。
治療法としては、抗ウイルス効果の認められているインターフェロンの投与、ネブライジング(薬剤を霧状にして吸入する方法)、点鼻薬などの対症療法を行い、猫が自分の免疫で治していくのを助けていくことが基本になります。
多くの場合、発症から1〜2週間程度で自然治癒します。

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黄色い鼻水はどんな病気が原因?

猫

黄色鼻水は膿性鼻汁に分類されるため、細菌感染が起こっていると考えられます。
猫で黄色い鼻水が見られる、具体的な病気を見ていきましょう。

歯根膿瘍

歯根膿瘍とは、歯周病が悪化し歯を支えている骨まで細菌が広がってしまうことによって起こる病気で、上の歯に歯根膿瘍ができると鼻腔内まで炎症が広がってしまい、黄色い膿っぽい鼻水やくしゃみといった鼻づまりの症状が出るようになります。
また鼻水に少し血が混ざったり(血様鼻汁)、口臭が強い、よだれが多い、よだれに血が混じる、口を触ると怒る、フードを食べづらそうに食べている、などの症状も伴ってみられることがあります。
抗生剤の内服で一時的に症状が軽減することがありますが、根本的な治療には全身麻酔下で歯石除去や、抜歯が必要です。
どの歯が原因で鼻づまりを起こしているかを確実に診断するためには、歯科用レントゲン検査やCT検査が必要になります。

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慢性副鼻腔炎

鼻腔に隣接している副鼻腔に炎症が起こっている病気を副鼻腔炎といい、猫では慢性化してなかなか治らない副鼻腔炎を起こすことがあります。
慢性副鼻腔炎になると、数週間以上持続する黄色っぽい膿性鼻汁もしくは粘液性鼻汁が見られます。
また、鼻水の他にも涙目、くしゃみやいびきや、元気食欲の低下といった症状が表れます。

副鼻腔炎の原因には、細菌感染、クリプトコッカスやアスペルギルスといった真菌(カビ)感染などがあり、猫免疫不全ウイルス(いわゆる猫エイズ)や猫白血病ウイルスに感染している免疫力の弱い猫では、健康な猫より発症のリスクが上がります。
真菌感染の発症自体は稀ですが、鼻の骨まで破壊するような深刻な炎症(肉芽腫性炎症)を起こすため、血性鼻汁が見られることがあります。
この病気は人でいう蓄膿症と同じ状態で、根治的な治療法はなく、症状悪化時に抗生剤の投与などの対症療法を行うことでコントロールしていきます。

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ピンクや赤い鼻水はどんな病気が原因?

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鼻水にピンクや赤い色がついている場合、血性鼻汁と考えられます。
血性鼻汁は、前述の真菌感染による慢性副鼻腔炎や歯根膿瘍でも見られることがありますが、鼻腔内腫瘍では高頻度で見られる重要な症状です。
今まで鼻炎の症状の見られたことのない高齢の猫で鼻づまりが持続する場合、鼻の中に腫瘍が出来ているかも知れません。

鼻腔内腫瘍

猫の鼻の中に発生する腫瘍にはリンパ腫や扁平上皮癌、腺癌があり、発生頻度としてはリンパ腫が一番高く、高齢猫に多く見られます。
鼻の中に腫瘍ができると、初期は漿液性鼻汁であっても、次第に粘液性鼻汁や血性鼻汁に変化していき、二次的な細菌感染が起こると膿性鼻汁になることもあります。

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鼻腔内腫瘍のその他の症状としては、くしゃみ、涙目、いびきなどの鼻づまりの症状のほか、鼻や頬が腫れたり目が飛び出してくるなどの顔面の変形もみられることがあります。
また、病状が進行すると貧血や黒色便(メレナ)、食欲不振や元気の低下といった全身的な症状が表れたり、脳まで腫瘍が広がり痙攣などの神経症状が見られたりします。
治療としては、腫瘍の種類や発生している場所、進行度によって選択肢は異なりますが、抗癌剤の投与や放射線治療、外科手術を検討します。

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若い猫に見られるなかなか治らない鼻水の原因は?

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見られる鼻水の性状は漿液性〜膿性と様々で、色別に分類することはできませんが若いときからなかなか鼻水が治らない猫に多い病気に、鼻咽頭ポリープという病気があります。

鼻咽頭ポリープ

鼻咽頭ポリープとは、猫の鼓膜の内側(中耳・耳管)から発生した炎症によるしこりで、耳の中(外耳道)や鼻やノドの奥(鼻咽頭)にまでそのしこりが大きくなることで様々な症状を引き起こしてしまう病気です。
若齢の猫での発生が多い病気で、高齢猫の発生は稀です。
症状としては、ポリープが鼻咽頭にある場合は、慢性的な鼻水やいびきのような呼吸が見られる他、重症例では呼吸困難、フードを飲み込みづらそうにするなどの症状が出ます。
また外耳道の方向へポリープが広がっている場合は、「耳漏」といって耳の中に液体や血液が溜まったり、耳垢が多い、耳を掻く、頭を振るなどの症状が見られます。
原因はよく分かっていませんが、若齢の猫での発生が多いことから先天的なものではないかと考えられています。
基本的な治療は手術によってしこりを取り除くことになり、摘出したしこりの病理組織検査を行うことで鼻咽頭ポリープと診断します。

さいごに

急性鼻炎であれば1〜2週間程度で自然治癒してしまうことが多いですが、それ以上続く場合は、治療が必要な重大な病気が潜んでいる可能性がありますので、早めに動物病院を受診するようにしましょう。
鼻水の色や粘りがどんな様子なのかは、原因となる病気を絞りこむのに重要な情報です。
それらは病気の経過によっても変わってきますが、「変わってきた」と気付くこともまた大切な情報になるということを覚えていただければと思います。

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