「猫のお尻が異常に臭いときがあるけど、このにおいの原因は何?!」
「猫のお尻が臭いと思ったら、赤い液が出ているけど何かの病気?」
このように猫のお尻が異常に臭かったら、何かの病気になってしまったのではないか、動物病院を受診した方がいいのかと飼い主の方は心配になってしまいますよね。
今回は、猫のお尻が臭い場合どんな原因が考えられるのか、病気が原因だとしたらどんなものがあるのかについて解説したいと思います。
目次
猫のお尻が臭いのは病気のサイン?
猫のお尻から気になる臭いがした場合、その原因は「生理的な臭い」と「病的な臭い」に分けられます。
前者の場合一時的な臭いですので治療の必要のないものになりますが、後者の場合は毛に下痢が付着していることであったり、肛門嚢炎や子宮蓄膿症などの細菌感染が原因である可能性が考えられるため、動物病院を受診して治療を受ける必要があります。
猫のお尻が臭い=病気が原因、とは限りませんので、その見分け方についても後述していきたいと思います。
生理的なお尻のにおいとは?
生理的なお尻のにおいの原因にはどんなものがあるのでしょうか?
肛門腺のにおい
“肛門腺”と呼ばれる分泌腺のある袋状の器官を“肛門嚢”といい、肛門の4時と8時の方向に1つずつあります。
猫はこの分泌液のにおいをつけることで自分のテリトリーをマーキングしたり、犬では散歩時にこのにおいを嗅ぎ合うことで個体識別をしています。
⇒猫のマーキングやスプレー行為をやめさせる方法はある?対策は?
特徴
肛門腺からの分泌液は、便のにおいとは異なり非常に強烈なにおいがします。
猫では排便時にいきんだときに一緒に排出されることが多いですが、時折極度に興奮した時にも排出されることがあります。
また液の性状には個体差があり、サラサラした黄色っぽい液を出す猫もいれば、ツブツブした固まりのある茶色っぽい液を出す猫もいます。
対処法
分泌液が被毛に付着した場合、猫自身が気にして舐めとってしまうことが多いですが、それでもしばらくにおう場合は軽くシャンプーをしてあげるとよいでしょう。
また、もし布団やカーペットなどに液が付着したら、洗濯するか布製品用の消臭スプレーなどで丹念に拭き取るようにしましょう。
まれに、肛門腺の開口部がつまってしまって自力で分泌液を排出することができなくなると、猫がお尻を床にこするつけるような仕草をすることがあります。
もしそのような行動が頻繁に見られる場合は、動物病院を受診して肛門腺を絞ってもらいましょう。
コツをつかめば飼い主の方ご自身でもマスターできることがありますが、自宅では猫が非常に抵抗してうまくできないことが多いのと、下手にやるとかえって刺激だけ与えることになりかねませんので、自身のない方はプロにお任せした方が良いでしょう。
便のにおい
長毛の猫では正常の便の固さでも毛にからまってしまい、肛門周りに付着することがありますが、短毛の猫ではまず起こりません。
対処法
便の絡まった毛をカットするか、少々手間ですがシャンプーで洗い流して摂りましょう。
カットする場合は、皮膚を傷つけないようくれぐれも注意深くおこなって下さい。
もし長毛の猫のお尻が汚れやすいことにお困りなら、定期的に肛門周りの毛をバリカンで短くカットするといいでしょう。
その方がシャンプーもしやすいですし、毛玉にもなりにくいです。
バリカンを使い慣れないうちは、やり方を動物病院で習うとよいでしょう。
病的なお尻のにおいとは?
病的なお尻のにおいの原因にはどんなものがあるのでしょうか?
下痢
種々の理由で下痢をすると、毛に下痢が付着してお尻周りが臭うことがありますが、猫の便の形は正常でしょうか?
また食欲や元気はありますか?
もし便がいつもよりちょっと緩い程度であれば、1日程度なら様子をみてもよいですが、水っぽい下痢であったり、元気食欲がない、嘔吐も見られるような場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
⇒獣医師が教える猫の下痢の原因と対処法まとめ。飼い主必見です
肛門嚢炎
通常は排便時など強くいきんだときに肛門嚢内に貯留した液が出ますが、肛門嚢の開口部がつまって上手く分泌できなくなってしまったり、肛門嚢に細菌感染してしまったりすると肛門嚢に炎症が起き、肛門嚢炎となります。
肛門嚢炎になると肛門の脇が赤く腫れあがって痛みが出るため、しきりにお尻を気にして舐めたり、お尻を床に擦りつけるような仕草が見られるようになります。
さらに進行すると腫れた肛門嚢が破けて、皮膚の外に貯まった液が排泄されるようになり飼い主の方が「お尻から出血している、お尻周りが臭い」と気付くことになります。
治療としては抗生物質の投与と、患部の洗浄を行います。
肛門嚢が破裂するまでに進行してしまうと、傷口が塞がるのに数週間以上かかることもありますので、お尻周りが赤く腫れているなどの異常に気付いたらできるだけ早く動物病院を受診しましょう。
子宮蓄膿症
子宮蓄膿症とは子宮に細菌が感染して膿が溜まる病気で、犬では一般的な病気ですが猫でも発生することがあり、避妊手術を受けていない免疫力の下がった老齢猫に見られやすいです。
子宮蓄膿症を発症すると、陰部から血のまざったおりものが出ることによってお尻周りが汚れて嫌なにおいがすることがあります。
また発熱や嘔吐、元気食欲の低下などの症状が見られることもあります。
おりものが出ている場合の子宮蓄膿症は「開放性」タイプになりますが、反対に「閉塞性」タイプではお尻のにおいには気付かず、お腹が張ってきたと感じることがあります。
子宮蓄膿症を放っておくと腹膜炎を起こしたり、子宮が破裂して細菌性ショックを起こし急変することがあるので、診断後はできるだけ早く子宮卵巣摘出術を行うことが必要です。
未避妊雌の猫を飼っていらっしゃる方は、高齢になってくるとこのような病気のリスクがあることを覚えておきましょう。
⇒猫の子宮蓄膿症とは?原因、症状、治療方法、手術費用など詳しく解説
さいごに
お尻周りのにおいの中で生理的なものの場合、肛門腺にもして便にしてもにおいとしては非常に強いものの、シャンプーをしてしまえばすぐにとれてしまうようなもので、その後もにおいが続くということはありません。
一方、病的なにおいを起こす肛門嚢炎や子宮蓄膿症の場合は、そこまで強烈なにおいはしませんが、治療が行われない限りたとえシャンプーをしようともにおいは持続してしまうでしょう。
猫のお尻のにおいが気になったら、まずお尻周りに異常がないか、便がついていないか、下痢はないか、においはいつからか、を確認してみることが病気を見極める上で大切なポイントです。
そしてその中でも「においが持続する」ということがあるなら、何かお尻周りに異常が起こっていると考えられますので、早めに動物病院を受診するようにしましょう。
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