目(眼)の症状

猫の瞬膜が赤い、充血している、出ている。どんな病気が原因なの?

投稿日:2017年4月30日 更新日:

 

「猫の目がおかしい!瞬膜が出たままになってるのかな?」

「猫の瞬膜が赤く充血して飛び出ているけど、どんな病気なんだろう?」

「保護した子猫の目が白く濁ってる。まぶたも赤く充血してるけど、治るのかな?」

透き通るようなきれいな猫の目が白い膜が覆われていたり、赤く充血した瞬膜が飛び出たりしていたら、不安になりますよね。
また、元気がない猫の目に瞬膜が見えたら、一体何の病気なのかと心配になると思います。
今回は、猫の瞬膜が出ている時に考えられる原因ついて解説します。

瞬膜とは

人間と違って猫の眼瞼(まぶた)には、上下2つの眼瞼の他に「瞬膜」という3つ目の眼瞼があります。
この瞬膜は「第三眼瞼(だいさんがんけん)」とも呼ばれ、角膜全体を覆う広さのある透明~半透明の薄い膜で眼球を保護しています。
瞬膜は目が開いている時には目頭の奥に隠れていて、目を閉じると同時に横から出て、眼球を覆っています。
これは、眼球の後方にある「眼球後引筋」という筋肉が収縮することによって、眼球が後ろに引っ張られ、前方に開いた隙間に瞬膜が滑り込むためです。
ちなみに、瞬膜は両生類、爬虫類、鳥類、一部の魚類(サメ)などにもあります。
哺乳類では、犬やアザラシ、ホッキョクグマ、ラクダ、カモノハシなどではありますが、人間は目頭に痕跡が残る程度です。

瞬膜が出たまま戻らないのは、異常のサイン

通常、瞬膜は目頭にうっすら断端が見えるくらいで、猫が寝起きに目をゆっくり開けた時などにしかはっきりとは見えません。
しかし、瞬膜が目頭の奥から出たままで目を覆った状態になることがあり、これは「瞬膜の露出」と呼ばれます。
猫では特にこの現象がよくみられますが、これは瞬膜自体の病気ではなく、猫の目や体のどこかに異常がある時にあらわれます。

瞬膜の露出の原因

では、どのようなことが原因となって猫の瞬膜は露出するのでしょうか。

片目の瞬膜が出ている場合

片方の瞬膜だけが露出している場合には、目の損傷やケンカによる傷、異物が目に入ったことなどなんらかの刺激が眼球にあったことが原因として考えられます。
もちろん、両目に同時に刺激があった場合には、両目ともに瞬膜の突出がみられることもあります。

両目の瞬膜が出ている場合

両方の瞬膜が露出している場合には、猫は体調不良である可能性があり、下痢や発熱、栄養障害、腎不全や脱水などの慢性疾患、「猫風邪」などのウイルス感染症などの疑いがあります。
また、ストレス、自律神経失調、「ホルネル症候群」なども原因となることがあります。

猫風邪とは?

ヘルペスウイルス、カリシウイルス、クラミジアの複合感染による猫の感染症で、鼻炎や咳、くしゃみなど人の風邪に似た症状が出ることから「猫風邪」と呼ばれることの多い病気です。
重篤な症状の多くはヘルペスウイルスによる「猫ウイルス性鼻気管炎」が原因となり、母猫からの移行抗体がなくなる生後2~3か月の子猫で発症することが多く、発熱や鼻汁、くしゃみ、咳、食欲不振などの他、角膜炎や結膜炎といった目の症状もあらわれます。
体力のない子猫では、症状が悪化したり長引くことで衰弱し命を落とすこともありますし、鼻炎などが慢性化することもありますので、早期の適切な治療が必要です。
ヘルペスウイルス、カリシウイルスはワクチン接種によって予防することができますが、外で保護した子猫では、この猫風邪にすでにかかっているケースが多く、瞬膜の露出や結膜炎など目のトラブルを抱えていることがよくあります。
子猫を保護した場合には、まずは動物病院へ連れて行き、目の状態も含め全身の健康診断をしてもらいましょう。

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ホルネル症候群とは?

ホルネル症候群とは、目に分布する交感神経の障害によって起こる疾患で、原因不明で突然起きる特発性のもの、外傷、脳や脊髄、眼球の腫瘍、中内耳炎などの様々な原因で発症しますが、特発性または中内耳炎の場合が多いようです。
症状として、瞬膜の露出の他に、目を細める「眼瞼狭窄」、瞳孔が小さくなる「縮瞳(しゅくどう)」、上の眼瞼が垂れる「眼瞼下垂」、眼球の内側への落ち込み「眼球陥没」がみられます。
治療としては、原因となる疾患の治療を行いますが、特発性の場合には有効な治療法はないものの、自然と回復することもあります。

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瞬膜の露出の症状

では、猫の瞬膜に異常がある時には、どのような症状がみられるのでしょうか。

瞬膜の露出

瞬膜が目頭から眼球の上部にまで露出しているため、容易に異変に気づくことができます。

赤く充血した瞬膜

露出した瞬膜が炎症を起こして腫れている時には、「瞬膜の突出」と言われ常に瞬膜が飛び出ている状態です。
犬に比べると猫では少ないですが、目頭にある赤く充血した見た目から「チェリーアイ」と呼ばれることもあります。

涙を流す

眼球に刺激を受けて涙が過剰に出たり、目頭にある涙を排出させる出口が圧迫されて涙がうまく流れずにあふれることがあります。

目を細め、まばたきをする

目に入った異物や目の損傷など目に違和感を感じると、猫は目を細めてまばたきを繰り返し、痛そうにしていることがあります。
また、前足で目や顔面を掻いたり、床や物に目をこすりつけることもあります。

結膜炎

病気の進行によって衰弱し、目が落ちくぼみ、角膜が乾燥したり、結膜炎がみられるようになります。
また、結膜炎の炎症が瞬膜に波及することもあり、眼瞼全体が赤く腫れて眼球が見えなくなることもあります。

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眼瞼癒着

瞬膜と結膜、角膜などが炎症を起こし、組織が癒着した状態で、特に猫風邪などのウイルス感染症によって引き起こされます。

視力の低下

眼瞼癒着や腫れの程度にもよりますが、角膜まで瞬膜や腫れた組織が覆っている場合には、視界が妨げられ、目が見えづらくなることもあります。

瞬膜の露出の治療

瞬膜が露出したままになっている場合には、どのような治療をするのでしょうか。

原因となる病気の治療

まずは、原因となる病気の治療を行うことで、猫の体調が回復すれば瞬膜も正常な状態に戻ります。

点眼

瞬膜の炎症や結膜炎を併発している場合には、抗生物質や抗炎症剤を含む点眼薬を併用することもあります。

眼瞼癒着の手術、処置

抗ウイルス剤の目薬や内服薬、必須アミノ酸であるL-リジンの内服などでウイルスを抑制し、癒着した部分を切り離す処置が行われます。
おとなしい猫では目薬による局所麻酔(点眼麻酔)だけで処置できますが、場合によっては全身麻酔が必要となり、全身麻酔の負担を減らすために子猫では去勢・避妊手術の際に同時に行うこともあります。
しかし、ウイルス活動が活発な場合には、再び癒着してしまうこともあります。
また、重度の角膜炎や結膜炎を併発している場合は、眼球の構造が壊れて機能しないことがあり、眼球摘出が検討されることもあります。

さいごに

猫の瞬膜の露出は目の健康状態だけでなく、猫の全身の健康状態を表わす重要なバロメーターになります。
「瞬膜が赤く腫れる」などの異常がなさそうに見えても、瞬膜が出たままで戻らない場合には、しばらく様子を見るのではなく、早めに動物病院を受診することで、猫の体調不良や原因となる病気に早期に気付くことができます。
今回ご説明した瞬膜の露出だけでなく、「猫の目が白っぽい」「まぶしそう」「目が充血している」「涙や目ヤニが多い」などといった目のトラブルは、放置すると急激に視力が低下したり失明する可能性もありますので、一刻も早く適切な処置ができるように、日頃からチェックしておきましょう。





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