その他の症状

猫のお腹が鳴るんだけど原因は何?病気の可能性は?

投稿日:2017年3月2日 更新日:

 

「猫のお腹がギュルギュル鳴っているけど、何かの病気かな?」

「猫のお腹がゴロゴロ鳴ったあと、トイレで下痢をしていた・・・」

このような猫の“お腹の音”が気になった経験はありませんか?
普段お腹の音を立てたことがない飼い猫に突然このような症状が見られたら、お家の方がとても心配な気持ちになるのも当然です。
そこで今回は、猫のお腹が鳴ることは異常なのか?どんな病気になるとお腹が鳴りやすくなるのか?という飼い主の方がよく抱く疑問について解説していきたいと思います。

お腹が鳴る仕組みについて

お腹が鳴ることを、医学用語で「腹鳴(ふくめい)」と言います。
なぜ腹鳴が起こるのか、その仕組みについて解説します。

腹鳴の正体は“腸の蠕動運動”

食物は胃で消化された後、蠕動(ぜんどう)運動によって腸へと送られていき、消化吸収されるのですが、この時に腸内に存在するガスと消化液、そして食物が混ざり合うことによって“ゴロゴロ”や“ギュルギュル”といった音が発生します。
これが腹鳴の正体です。
ちなみに消化管は空腹時にも蠕動運動を行っており、何も食べてなくてもお腹にたまったガスと腸の内容物が混ざり合うことでお腹は鳴ります。
つまり腹鳴は、生きている猫にとっては当たり前のことと言えます。

強い腹鳴の原因は“腸内のガス”

我々飼い主の耳には体の小さい猫のお腹の音は聞こえないことが多いのですが、何らかの原因で腸内のガスが多くなると腸の内容物と混ざり合った時の音が出やすくなり、大きな腹鳴となります。
消化管の中には、食物と一緒に飲み込んでいる空気、食物が消化される時に発生するガス、腸内細菌が発生するガスがたまっていて、げっぷやおならによって自然に排出されるのですが、このガスが発生する量が増えたり、上手く排出することができないと強い腹鳴を起こしたり、腹鳴の回数が増えたりします。

どんな腹鳴が異常?正常との見極め方とは?

正常の猫でも当然お腹が鳴ることがあるのですが、どんな場合は異常と考えたらいいのでしょうか?
その見極め方について解説します。

異常な腹鳴かどうかのチェックリスト

以下のチェックリストに当てはまる箇所が少ない場合、猫のお腹から聞こえたゴロゴロ音は生理的な腹鳴と考えて、しばらく様子を見てもよいでしょう。
もし逆に当てはまる箇所が複数見られる場合は病気の可能性がありますので、動物病院に相談に行きましょう。

①お腹が鳴る音を聞く回数が増えている

②最近おならやゲップをすることが多い

③お腹が鳴ると、猫がうずくまってお腹を痛そうにしている

④最近餌を変えた

⑤いつもより元気がない、もしくはぐったりしている

⑥食欲がない、もしくは低下している

⑦軟便や下痢が見られることがある

⑧最近少し痩せてきた

⑨以前より嘔吐の回数が増えた

⑩ご飯を食べて1時間以上経過した後にご飯を嘔吐することがある

⑪毛玉が含まれていない吐物を吐くことがある

⑫最近抗生物質などの薬を飲み始めた

⑬鼻水や鼻血が出ている

⑭くしゃみをすることが多い

⑮咳をすることがある

⑯口を開けたり、鼻を広げて息苦しそうにすることがある

腹鳴を起こしやすい病気とは?

腹鳴を起こしやすくなる病気は、大きく分けて2つのカテゴリーに分類されます。
1つは猫の腸の中でガスが異常に増えてしまう「消化管の病気」で、チェックリストの①〜⑫までに該当する項目が多い場合はこちらの病気の可能性を疑います。
もう1つは猫が病気のために空気を飲み込んでしまうこと(呑気)が多くなってしまう「呼吸器の病気」で、チェックリストの⑬〜⑯までに該当する項目が多い場合に考えられます。

腸内にガスが増えやすくなる「消化管の病気」とは?

消化管の病気になると、腸内細菌のバランスが乱れるため消化管内にガスが溜まりやすくなります。
この状態を医学用語で「鼓腸(こちょう)」と言います。
では猫はどんな消化管の病気を起こすことがあるのでしょうか?

消化不良

猫の消化管の病気の中でも日常的に見られるのが、食べ物の影響を受けた消化吸収不良です。
食べ過ぎたり急激にフードを変えてしまったり、牛乳などの乳製品を与えてしまったりすると消化不良を起こし、細菌バランスが乱れ鼓腸や腹鳴が見られたり下痢を起こしてしまいます。

急性胃腸炎

胃や腸に突然起こる炎症を急性胃腸炎といいます。
症状は突然の下痢と嘔吐で、症状が強いと強い腹鳴とともに水っぽい下痢を起こすことがあります。
原因としてはウイルスや細菌、寄生虫などの感染症によるものの可能性が考えられ、検便等の検査で原因が特定されることもありますが困難であることも多いです。

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炎症性腸疾患(IBD)

炎症性腸疾患(IBD)とは、リンパ球プラズマ細胞性腸炎や好酸球性腸炎などの慢性的な腸炎を総称したものです。
この病気になると数週間以上続く慢性的な下痢や嘔吐の他、鼓腸、体重減少や嘔吐、食欲低下といった症状が表れます。
中高齢の猫において、発症が多くなる病気です。

悪性腫瘍

猫の腸管にはリンパ腫、肥満細胞腫、腺癌といった悪性腫瘍が発生することがあり、症状は前述の炎症性腸疾患と非常に似ています。
リンパ腫は高齢猫において非常に発生頻度が高い悪性腫瘍で、「低分化型」と「高分化型」の2つのタイプがあり、低分化型リンパ腫に比べ高分化型リンパ腫は進行がゆっくりであり、内視鏡検査の結果も炎症性腸疾患との鑑別が難しいことがあります。

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呑気を起こす「呼吸器の病気」

空気を飲み込むことを「呑気(どんき)」と言いますが、猫は呼吸が苦しくなると口呼吸をするようになり、一生懸命空気を吸おうとして胃の方に空気を飲み込んでしまうことがあります。
では猫はどんな呼吸器の病気を起こすことがあるのでしょうか?

鼻の病気

猫は両方の鼻がつまってしまうと上手く鼻呼吸が出来ないため口呼吸になり、その結果呑気してしまうということは珍しくありません。
猫に鼻づまりを引き起こす病気には、鼻炎・副鼻腔炎や、鼻腔内腫瘍、鼻咽頭ポリープが挙げられます。
このような鼻の病気になると、鼻づまりの症状(流涙、鼻水、くしゃみ、いびき)に加え、元気食欲の低下、鼻血も合わせて見られることがあります。
症状からはどの病気なのかの鑑別は難しいですが、発症年齢がいつなのかは診断の上で重要なヒントになり、鼻炎はどの年齢の猫にも見られますが、鼻腔内腫瘍は高齢の猫、鼻咽頭ポリープは若齢の猫に発生が多い傾向にあります。

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肺の病気

猫に見られる肺の病気には、肺炎、肺水腫、肺腫瘍が挙げられます。
これらの病気になると、呼吸困難を引き起こし呑気したり、元気や食欲の低下、咳などの呼吸器症状が見られます。
肺炎は細菌感染や誤嚥によるものがほとんどです。
肺腫瘍の発症原因は不明ですが、高齢の猫に見られ、肺が原発性のものもあれば、どこか別の臓器の腫瘍が転移することもあります。
猫の肺水腫の原因で最も多いのが、肥大型心筋症という心臓の病気によるものです。
肥大型心筋症になると心臓の収縮力が弱まりうまく血液が循環しなくなるため、胸水や肺水腫といった病態を引き起こし、呼吸困難に陥ります。

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気管や気管支の病気

猫の気管や気管支の病気の代表的なものが喘息(ぜんそく)です。
喘息とは、細菌やウイルスなどの感染症以外で起こる気管支の炎症のことで、ホコリやタバコの煙などの有害刺激や、アレルギー反応が炎症の引き金になると考えられています。
猫の喘息の症状としては呼吸困難による呑気の他、咳や喘鳴(ぜいめい)と呼ばれる気道が閉塞してヒューヒューと音がなる症状などが見られます。
治療はステロイド剤の内服もしくは吸入を行い、この投薬で症状が改善されることが喘息の特徴になります。

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さいごに

単にお腹が鳴っているだけでその他の症状がなければ、特に慌てる必要はありませんが、時に猫の腹鳴が病気のサインであることがあります。
猫は体調不良を訴えることができませんので、日頃から注意深く猫の行動を観察しておき、腹鳴が気になったらぜひチェックリストを参考にしてみてくださいね。





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